近藤和也の発言 (本会議)
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○近藤和也君 石川県能登半島の近藤和也です。
「つくろう、新しい答え。」、国民民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました金融機能の早期健全化のための緊急措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして質問いたします。(拍手)
初めに、塚田一郎前国土交通大臣のいわゆるそんたく発言について、麻生大臣に伺います。
塚田氏は、かつて麻生大臣の秘書を務め、御本人も筋金入りの麻生派だと豪語しておられます。その塚田副大臣から、下関北九州道路の事業化調査予算について、私は物わかりがいい、すぐそんたくする、わかりましたと応じたという驚くべき発言が飛び出しました。
森友学園事件を始めとする最近の政府の不祥事でも、安倍総理へのそんたくがあったのではないかということが大きな焦点となりましたが、塚田副大臣の発言は、まさに政府全体にそんたくムードが蔓延していることをあらわにしたものと言えます。
先日、平成三十一年度予算が成立しましたが、ほかにもこのようなそんたく予算、利益誘導予算が紛れ込んでいるのではありませんか。財務省としては、予算をもう一度厳しくチェックし、そんたく予算、利益誘導予算がないかどうか査定し直すべきではないですか。麻生大臣に伺います。
このような欠陥予算を審議させられた国会としても、今回の発言は到底看過できるものではありません。もう一度予算を出し直し、審議をやり直すよう求めます。
それでは、本題に入ります。
現在の経済金融政策が始まって、はや六年以上が過ぎました。最近では、毎度の物価上昇の目標達成見送りも、プライマリーバランス黒字化先送りについても、あきれて驚きもしないようになりました。
確かに、株価が上がり、企業収益が上がり、税収もふえています。総理の言うように、ファクトが大事とのことはそのとおりですが、都合のいい部分だけがファクトではありません。実質賃金はマイナス、実質消費もマイナス、貯蓄ゼロ家庭が三割増加等、政権にとっての不都合な部分も含めてこそのファクトであり、それを踏まえて政策を議論する必要があります。
総理は、前の政権を指して、悪夢という表現を使いました。本当にそうなのでしょうか。
日経平均が七千円を割ったのは麻生政権下です。政権交代直後の年度税収は九兆円以上下振れしました。百年に一度の経済不況と言われたリーマン・ショック後の世界的な不況の中、ギリシャ・ショック、ユーロ危機、アメリカの財政の崖問題など、国外要因だけでも大変厳しく、当時の麻生総理も言われた全治三年と表現される中、経営者も労働者も行政関係者も含めて、必死に頑張ってこられました。
その努力を、総理が悪夢という表現を使われるのは、こういった方々の努力を愚弄するものです。一国の総理として、いかに政敵を憎いと思っても、品格が問われると言わざるを得ませんし、適切とは思えません。
そこで、麻生大臣に伺います。
リーマン・ショック時、総理であり、立て直しに尽力された当事者として、この悪夢という、安倍総理が表現されたことについてどのように感じたか、さらには、総理経験者として、一国の総理が政敵を指して悪夢という表現が今後使われることが適切と考えるか、御所見をお願いいたします。
一九九八年、健全化法並びに再生法が成立したときこそが、金融機関のみならず、日本社会全体を脅かす本当の悪夢でした。私は、その清算へ向けた議論が今できることはありがたいことだと感じていますが、同時に、現状の経済金融政策の先にまた悪夢がやってくる可能性があることを恐れています。
ドレッシング買いとは、自分の損益をよく見せる目的で保有銘柄を買い上げるというものです。優しい言い方をすればお化粧買い、厳しい言い方をすれば粉飾です。今回の法律はドレッシング、このみずからの政権の姿を美しく見せる行為とも見てとれます。
今年度予算においても、国債発行額が減ったと総理は豪語されています。しかし、この約一兆円の縮減は、本法律案を前提とした預金保険機構からの八千億円の国庫納付と平成二十九年度の決算剰余金約二千億円に依存した結果にすぎません。
そもそもとして、政権交代以降、国債発行額の縮減は、消費税の増税による増収分や無理に無理を重ねてきた金融政策の結果が多くを占めます。税収はふえていますが、その分、日銀は国債やETFなどを爆買い、年金機構で株式保有を倍増させ、無理やりに経済の体温を上げたにすぎません。豪華な宴会で幾ら盛り上がろうが、支払いは必ずやってきます。アベノミクスはこのコストを全く語っていないことも問題です。
平成三十一年度の予算のフレームでは、国庫納付金八千億円は臨時特別の措置の歳入に計上されており、これに対応する歳出は、軽減税率とキャッシュレス決済のポイント還元の組合せ、別名愚策のコンビネーションや、消費の押し上げ効果が限定だとの指摘を受けているプレミアムつき商品券の発行など、十月の消費税引上げによる経済への影響の平準化という名のもとに実施するばらまき政策に充てられています。
金融危機から十兆円を超える多大なる損失が発生し、国庫を痛めました。本来なら、政権の人気取りに使うのではなく、素直に国庫に戻すのが筋です。
これらのことを見ると、財政規律、財政再建に本気で取り組んでいるとは到底思えません。財政健全化に本気で取り組むのであれば、みずからの顔を美しく見せるために使うのではなく、今回の利益剰余金も国の借金返済のために使うべきではないでしょうか。麻生大臣に伺います。
本改正案により、早期健全化勘定の利益剰余金の国庫への納付や勘定間の移動が柔軟化されることになります。しかし、その納付又は移動は、早期健全化勘定の業務において想定される二つのリスク、すなわち、平成二十三年の改正金融機能強化法による東日本大震災への対応に関する損失発生のリスクと、本改正案により可能となる金融再生勘定の将来の損失リスクに配慮しなければなりません。
この二つのリスクへの備えは、国庫納付前の早期健全化勘定の利益剰余金一・六兆円から納付八千億円を差し引いた残額の八千億円となります。二つの損失リスクが想定を上回ってしまう場合には、早期健全化勘定に欠損金が発生することになりますが、これらのリスクをどのように見積もったのか、留保する水準を決めたのか、麻生大臣の御所見を伺います。
法律上、早期健全化勘定及び金融再生勘定ともに損失補填条項が存在しておりません。
金融再生勘定については、廃止時に欠損金がある場合には、税金で補填することが明らかになっています。金融機関に負担を求めることはないことも当時の小泉総理が明言しています。
他方、早期健全化勘定は、勘定廃止時において仮に欠損金が発生した場合の対応が現時点では明らかになっていません。そこで、早期健全化勘定の廃止時に欠損金が発生してしまった場合、どのような対応をとるのかについて、麻生大臣に伺います。
金融再生勘定は、現時点で一・五兆円規模の特別公的管理銀行からの買取り株式を保有しています。この処分は、当初十年をめどとする予定でしたが、既に平成二十年から見合わせています。
世界的な景気拡大と官製相場の合わせわざで上昇してきた株式市場においても、直近で含み損益がゼロというポートフォリオであればなおさら、厳しい株価変動リスクに直面し続ける可能性が高いと想定せざるを得ません。
米国の年内の利上げ見送りに代表されるように、長年好調が続いた世界経済は減速の気配が出ています。年金はさすがにこれ以上の株式の買い増しは難しく、日銀の国債買入れ拡大もこれ以上の拡大は事実上厳しいものがあります。ETFなどの買い増しも、市場のチェック機能、さらには将来的な売却も考えると、買入れ枠拡大などあり得なく、このような官製相場はいつまでも続けられません。
アベノミクスは失敗しました。株価の先行きは不透明です。早目に金融再生勘定の保有株を処理して、含み損を最小限にとどめるという考え方もあると思いますが、麻生大臣の御所見を伺います。
昨年八月、民間調査会社が、銀行百十二行の二〇一八年三月期決算総資金利ざやの調査結果を発表しました。マイナス金利等の影響を受け、逆ざやが大手三行を含む十六行と、大変厳しい収益状況となっています。
人口減少社会の中、金融機関の経営環境はますます厳しいものとなることが予想されます。日本の金融システムは大丈夫だろうか。既に採用削減を始めてきている金融機関もありますが、これは当事者の危機感のあらわれでもあります。
こうした状況下では、預金保険機構の財務を健全化し、十分に余裕あるものにするべきと考えます。その上で、本当に国庫に組入れできる部分については、財政健全化に十分に配慮した使い方をするべきです。
バブル、そして崩壊、続いて金融危機、そこからの立ち直り過程は日本が得た教訓です。悪夢を過去のものにしようと出口を探ろうという議論に至ったこと自体はありがたく、大切なことだと考えます。
しかし、現状はどうなのでしょうか。この数年間の経済金融政策の結果、美点しか見ず、戦後最長の経済成長と誇っておられる一部の方には夢心地の気分かもしれませんが、これこそドリームバブルと言ってもいいくらいです。この後、バブルの崩壊、同規模か若しくはそれ以上の悪夢がやってくるかもしれません。
総理、もう前の政権のことを感情的になって悪夢と言って身内で盛り上がっても、何も生産性が上がるものではありません。早く夢から覚めて現実に向き合ってほしいと思います。
私たち国民民主党は、「つくろう、新しい答え。」のもと、預金者のリスクをしっかり低減しつつ、プライマリーバランスの黒字化を始めとする財政の健全化、さらには今後の金融リスクに備えるためにも一日も早いアベノミクスからの脱却、金融政策の正常化、さらに、その影響緩和対策の準備など、真摯に過去から学び、現実を見詰め、未来を見据えて行動していくことをお約束申し上げ、私の代表質問といたします。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣麻生太郎君登壇〕