西岡秀子の発言 (本会議)
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○西岡秀子君 国民民主党、長崎一区選出、西岡秀子でございます。
ただいま議題となりました女性の職業生活における活躍推進に関する法律の一部を改正する法律案並びに野党四会派提出三法案について、国民民主党・無所属クラブを代表して質問いたします。(拍手)
政府提出の本法律案は、主に五つの法律の改正案から成る束ね法案でございます。
令和の時代を目前に控え、平成の時代は、働く女性を支援する法律がこれまで一歩ずつ整えられてきた歴史と重なります。
一方で、政府が本格的に女性活躍推進に取り組み始めたのは、急速な少子高齢化に伴う人口減少や社会状況の変化による労働力不足が深刻化してからと言えます。
一五年に女性活躍推進法が十年間の時限立法として施行され、今回の改正は、附則の三年後の見直し規定及び衆参両院の附帯決議を受けてのものとなります。
しかし、政府の女性活躍の華々しい旗とは裏腹に、依然として年齢別階級別労働力率はいわゆるM字カーブを描いており、特に三十五歳から三十九歳において実際の労働力率と潜在的労働力率の差が大変大きく、また、管理的職業従事者に占める女性の割合も、昨年一四・九%で、国際的にもいまだ低水準であります。また、賃金の男女間格差についても、約三割の格差が残ったままとなっております。
この現状を踏まえ、まず、女性活躍推進法改正についてお尋ねをいたします。
今回、新たに義務化され、行動計画策定の対象となる、常用労働者百一人以上から三百人の中小事業者の負担を考え、施行日が、公布の日から起算して三年を超えない範囲内で政令において定めるとなっております。
これは、働き方改革関連法案の中小事業者の関連する施行時期も考慮されたものでございますが、中小企業者に対するどのような負担軽減策を考えておられるのか。また、今後、百人以下の事業者に対してもさらなる義務化の拡大を図り、全ての事業者に義務化する必要があると考えますが、厚生労働大臣の見解をお尋ねいたします。
また、今回の改正によって、女性の職業生活における活躍に関する情報公開義務を、常用労働者百一人以上から三百人の中小事業者に拡大し、十四項目のうち一項目以上の公表を義務づけることとなりました。一方、既に義務の対象である三百一人以上の事業者については、今回、十四項目を職業生活に関する機会の提供に関する実績と職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備に関する実績の二つに区分し、それぞれから一項目以上公表することといたしました。
しかし、十四項目はいずれも大変重要な項目であり、二項目以上にする程度では極めて不十分であり、また、現在、平均五・五項目公表されている項目については、事業主の裁量で公表されているために偏りがある状況でございます。
各事業者の女性活躍推進の取組を促し、求職者の職業選択に資するためにも、計画策定に当たっては、現状把握の基礎項目については必須とすべきではないでしょうか。厚生労働大臣の見解をお尋ねいたします。
また、衆議院の内閣委員会の附帯決議で、一般事業主行動計画を策定するに当たって、男女の賃金格差の差異を省令によって状況把握の任意項目に加えることについて検討するとありますが、今回、どのような対応になっているのか。また、男女の賃金格差の差異を情報公開の項目とすべきと考えますが、厚生労働大臣の見解をお尋ねいたします。
次に、ハラスメント対策についてお尋ねいたします。
昨年の財務省の前事務次官の女性記者に対するセクハラ発言の際に、極めてセクハラ対策に後ろ向きな安倍政権の体質が浮き彫りとなりました。今回、ハラスメント対策に関する本法案の審議入りに当たり、政権としてどのような決意を持ってこの対策に取り組まれるのか、菅官房長官にお尋ねをいたします。
次に、セクハラ対策についてお尋ねいたします。
本法案は、自社の労働者から他社の労働者へのセクハラについては、事実確認等に必要な協力に応じる努力義務だけで、加害者側の事業主に措置を義務づけておりません。どうして措置を義務づけなかったのでしょうか。厚生労働大臣にお尋ねをいたします。
また、例えば、元請企業の社員が下請企業の社員にセクハラ行為をした場合、下請企業の事業主は、取引をとめられることなどを恐れ、元請企業の事業主に対応を求めることをちゅうちょするのが現実です。会社間で対応を求めた場合に不利益な措置をこうむることがないような仕組みがぜひ必要であると考えますが、厚生労働大臣の見解をお伺いいたします。
また、この二点について、国民民主党などが提出した男女雇用機会均等法の一部を改正する法律案においてはどのような内容を規定しているのか、議員立法提出者に御説明をお願いいたします。
就職活動を行う学生に対するセクハラも大変深刻な問題となっております。ことし二月には、大手ゼネコンの男性社員が逮捕されるという事案も起きております。
野党四会派で提出したセクハラ禁止法案は、その対象者に、従業員を始め、就活中の学生など従業員になろうとする者、また、フリーランスを含む個人事業主も含む内容となっております。
政府提出の法案では、就職活動中の学生やフリーランスで働く人に対するセクハラについては対象外となっております。
このままの状況でいいとお考えなのでしょうか。今後どのように取り組んでいかれるか、その方針について厚生労働大臣にお尋ねをいたします。
次に、パワーハラスメント対策についてお尋ねいたします。
大手広告代理店の新入社員の過労自殺の原因の一つがパワハラであったと言われております。その後も、パワハラが原因で自殺をする痛ましい事案は後を絶ちません。
私たちは昨年の通常国会で参議院にパワハラ規制法案を提出いたしましたが、与党が反対したため、否決されました。政府がやっとパワハラ対策に乗り出した今回であれば、与党の皆様も、国民民主党などが再提出したパワハラ規制法案に御賛同いただけるものと考えます。パワハラ規制法案に対する厚生労働大臣の見解をお尋ねいたします。
本法案では、パワハラの定義について、「職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であつて、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものによりその雇用する労働者の就業環境が害されること」と規定しています。法案の説明資料では、就業環境を害することの説明として、身体的若しくは精神的な苦痛を与えることと書かれております。つまり、明らかなパワハラが行われていても、パワハラを受けた本人が苦痛を感じていないと言えば、パワハラに当たらないことになってしまいます。
パワハラで精神的にダメージを受けても、職場で声を上げられない人が多いというのが実情です。そこで、就業環境を害するおそれのあることと広く定義して、誰が見ても明らかにパワハラであるという行為が職場内で行われたら、事業主が措置を講ずるようにすべきであると考えますが、厚生労働大臣の見解をお尋ねいたします。
また、本法案では、取引先など他の会社の社員からのパワハラについては、事業主の措置義務の対象となっておりません。既に、セクハラについては、他の会社の労働者からの被害が事業主の措置義務の対象となっております。なぜパワハラについては措置義務の対象としていないのか、厚生労働大臣に答弁を求めます。
以上のこの二点について、国民民主党などが提出したパワハラ規制法案ではどのように規定されているのか、議員立法提出者にお尋ねをいたします。
関連して、悪質クレーム対策についてお尋ねをいたします。
労働組合のUAゼンセンのアンケート調査では、客からの迷惑行為に遭遇した人の割合が七割を超えるなど、悪質クレームは深刻な社会問題となっております。
悪質クレームは、セクハラやパワハラと同様、労働者の心身に深刻な影響を与えます。そればかりか、悪質クレームは、職場全体の就労環境や事業者の経済活動を害するおそれのあるものであり、その対策を推進していくことは喫緊の課題です。
UAゼンセンが、悪質クレームの抑止、撲滅に向けて、法制化を始めとした対策の早期具体化を求める署名活動を実施したところ、百七十六万超の署名が集まり、昨年八月に当時の加藤厚生労働大臣に提出をされました。
政府は、なぜ本法案に悪質クレーム対策を盛り込まなかったのでしょうか。その理由について、厚生労働大臣に明快な答弁を求めます。
一方で、パワハラ規制法案では悪質クレームについてどのような対策がとられているのか、議員立法提出者にお尋ねをいたします。
次に、ILO条約についてお尋ねいたします。
仕事の世界における暴力とハラスメントに関する条約が、ことしのILO総会での採択を目指し、全ての形態の暴力及びハラスメントを法律で禁じることが求められております。対象となる労働者は、契約上だけではない、働く人々も含め、加害者、被害者に取引先、顧客などの第三者も含む内容となっております。
この条約に対して我が国としてどのように対応されるのか、政府の方針について厚生労働大臣にお尋ねいたします。
女性が活躍していくためには、待機児童の解消が不可欠です。
国民民主党など野党は、子ども・子育て支援法改正案の審議の際に、待機児童解消のために必要不可欠である保育士の処遇改善を求め、全ての保育士の月給を五万円アップさせる野党提出法案の審議を求めましたが、与党は、審議することなく、採決を行いました。
政府も保育士の処遇改善を一昨年から実施しておりますが、全職員に対する処遇改善は少額であり、月額四万円の処遇改善の対象は経験年数七年以上と限定的であるなど、十分なものとは言えません。また、今年度予算に盛り込まれた処遇改善は月三千円相当にすぎません。
子育て・子ども支援法改正案の附帯決議には、保育等従事者の職務がその重要性にふさわしい魅力あるものとなるよう、保育等従事者の賃金その他の処遇改善について、速やかに、必要な措置を講ずるものと盛り込まれました。
この附帯決議を踏まえ、政府として早急にどのような対応をとる方針であるか、また、保育の質の確保についてどのように取り組まれるか、厚生労働大臣の答弁を求めます。
WHOの調査によれば、全世界の十六歳以上の女性の三五%である八億一千八百万人が家庭やコミュニティーや職場で性暴力や身体的暴力を受けている、厳しく悲しい現実があります。ハラスメントの被害に遭うのは、圧倒的に社会的に弱い立場におられる方々です。
今回の法改正の機会に、改めて、あらゆるハラスメントは、人格を傷つけ、人の尊厳を傷つけ、その人の健康や安全を脅かす、まさに人権侵害であるということを私たちは共有し、改めて肝に銘じ、あらゆるハラスメントの根絶に向けて取り組んでいかなくてはなりません。
また、全ての女性が自分の居場所で夢と希望を持って生き生きと活躍できる社会の実現を目指し、今後とも国民民主党は全力で取り組んでまいることをお誓いし、私の質問を終わります。
御清聴いただき、ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣根本匠君登壇〕