根本匠の発言 (本会議)
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○国務大臣(根本匠君) 西岡秀子議員にお答えをいたします。
中小企業への負担軽減策と計画策定義務の対象企業のさらなる拡大についてお尋ねがありました。
女性活躍の取組を進めるため、常用労働者数が百一人以上の企業が義務化になるまでの間においても、早期に行動計画の策定を行ってもらうことが重要であると考えています。
このため、行動計画に基づく取組に対する助成や、利用しやすい行動計画策定支援ツールの開発、セミナーの実施、事例集の策定等による周知啓発などの十分な支援措置を実施してまいります。
また、百人以下の企業については、企業における負担や、次世代育成支援対策推進法の行動計画策定義務が百一人以上企業であることを考慮して、引き続き努力義務としています。努力義務の中小企業においても取組が進むように、百一人以上の企業と同様に支援を実施してまいります。
情報公表項目の対象についてお尋ねがありました。
今回、政府として提出する法案では、企業の自主性を尊重しつつ、女性が継続的に活躍できる環境整備を進めるため、三百一人以上の事業主について、これまで比較的公表する企業の多かった職業生活に関する機会の提供に関する項目のみならず、継続的な活躍に不可欠な職業生活と家庭生活との両立に関する項目の見える化を促すため、双方の区分から一項目以上選んで公表することを義務づけています。
各項目から一項目以上というのはあくまで最低基準であり、各企業に対しては、どのような項目を情報公表しているか自体も求職者などから評価されていることなどを伝えるなどして、積極的な情報公表を促していくこととしています。
賃金格差については、既に状況把握の任意項目になっていますが、勤続年数などさまざまな背景が複合した最終的な結果指標でもあり、企業間で比較した際の解釈が難しい面もあります。このため、今回の法案では、その公表を義務化しておりません。
しかしながら、今回の見直しにより、女性の継続的な活躍につながる取組が促進されることで、賃金格差の改善が進むものと考えています。
企業間で生じるセクハラへの対応についてお尋ねがありました。
今回、政府として提出した法案では、加害者側の企業に対し、被害者側の企業からセクシュアルハラスメント防止に関する措置の実施について必要な協力を求められた場合に、これに応じる努力義務を設けています。求められる協力の内容は、その状況等によってさまざまなものがあると考えられること等から、当該措置への協力については努力義務としています。
この規定の趣旨に鑑みれば、加害者側の企業が、被害者側の企業から協力を求められたことを理由として、被害者側の企業に対して取引を打ち切るなどの不利益な取扱いをすることは、制度の趣旨に反し、望ましくないものと考えます。
政府提出法案が成立した際には、こうした法案の内容や制度趣旨についてしっかりと周知啓発を進め、企業におけるセクシュアルハラスメント防止対策が円滑に進むよう努力してまいります。
就職活動中の学生やフリーランスの方に対するセクハラについてお尋ねがありました。
男女雇用機会均等法は、事業主に対し、その雇用する労働者に対するセクシュアルハラスメントの防止についての雇用管理上の措置義務を規定しております。このため、就職活動中の学生やフリーランスなど雇用関係にない方々については、対象に含まれておりません。
一方で、セクシュアルハラスメントを行ってはならないことは、相手が誰であっても当然のことです。
今回、政府として提出した法案では、事業主や労働者の責務として、セクシュアルハラスメントを行ってはならないことや、その言動に注意を払うよう努めるべきことを明確化しています。こうした責務規定の趣旨も踏まえながら、フリーランスや就職活動中の学生などに対してもセクシュアルハラスメントを行ってはならないという認識が職場で十分に浸透するよう、必要な対応を検討してまいります。
パワハラ対策と議員立法についてお尋ねがありました。
働き手や働き方のさらなる多様化が見込まれる中で、誰もが安心して働くことのできる、ハラスメントのない就業環境を整備することが重要です。
このため、今回、政府として提出した法案では、パワーハラスメントの予防から事後の対応までの一連の措置を事業主に義務づけることとしています。これにより、各企業の実情を踏まえた主体的な取組を促し、問題の未然防止や円滑な解決促進につながるものと考えております。
また、御指摘の国民民主党などが提出した法案については、議員立法に関するものであることから、国会において御判断いただくべきものと考えています。
パワハラの定義についてお尋ねがありました。
今回、政府として提出する法案においては、パワーハラスメントの定義について、「職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であつて、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものによりその雇用する労働者の就業環境が害されること」とし、事業主に対して雇用管理上の必要な措置を義務づけています。
パワハラの定義の具体的内容は、今後、法律に基づく指針においてお示しする予定ですが、本法案を策定するに当たっての労働政策審議会の建議においては、就業環境が害されるかどうかの判断に当たっては、平均的な労働者の感じ方を基準とすべきとされています。
指針の内容は、今後、審議会で議論することとなりますが、この平均的な労働者の感じ方については、その言動を受けた場合に、社会一般の労働者の多くが、能力の発揮に重大な影響が生ずるなど就業する上で看過できない程度の支障が生じたと感じる言動であることといった内容とすることが考えられます。
他社の労働者等からのパワハラを措置義務の対象としない理由についてのお尋ねがありました。
他社の労働者等からのパワーハラスメントは、社外の相手との関係で起きる問題であり、どこからが迷惑行為に当たるかといった判断が、社内のパワハラ以上に難しく、また、再発防止まで含めた一連の措置を課すことも難しい面があります。このため、今回、措置義務の対象には含めないこととしたところです。
一方で、取引先等からの行為についても、労働者に大きなストレスを与える悪質なケースもあり、安全配慮義務の観点からも、労働者のケアなど必要な対応を企業に促していくことは重要です。このため、今後定めるパワハラ防止措置に関する指針において、取引先等からの迷惑行為に関する企業の望ましい取組を明示し、積極的な周知啓発を行ってまいります。
悪質クレーム対策についてお尋ねがありました。
顧客等からの迷惑行為は、社外の相手との関係で起きる問題であり、顧客等への対応業務には一定程度のクレーム対応を伴うこともあるため、どこからが迷惑行為に当たるかといった判断が、社内のパワハラ以上に難しいものがあります。また、再発防止まで含めた一連の措置を課すことも難しい面があるため、今回、措置義務の対象には含めないこととしたものです。
しかしながら、顧客等からの迷惑行為は、労働者に大きなストレスを与える悪質なケースもあり、労働者のケアなど必要な対応を企業に促すことが重要と考えています。
このため、今後定めるパワハラ防止措置に関する指針において、顧客等からの迷惑行為に関する企業の望ましい取組を明示し、周知啓発に取り組んでまいります。
ILO条約についてお尋ねがありました。
仕事の世界における暴力とハラスメントに関する条約案は、本年六月のILO総会において議論された上で、採択されることが想定されています。この条約案について、世界各国が効果的にハラスメントの防止対策を進めていくことができる基準の内容となるよう、日本政府としても、ILO総会の議論に引き続き積極的に参加してまいります。
仮に条約がILO総会で採択された場合、その批准については、採択された条約の内容等を踏まえて検討してまいりたいと考えています。
保育士等の処遇改善と保育の質の確保についてお尋ねがありました。
保育士等の処遇改善は、所管である内閣府と連携して取り組むべき大変重要な課題であると認識しています。
このため、これまでも、二〇一三年度以降、月額約三万八千円に加え、二〇一七年度からは、技能、経験に応じた月額最大四万円の処遇改善を実施し、さらに、今年度からは、新しい経済政策パッケージに基づき月額三千円相当の処遇改善を行っております。
また、保育士の勤務環境の改善を図るため、保育業務のICT化や保育士配置の改善、業務補助者の雇い上げの支援などに取り組んでいます。
高い使命感と希望を持って保育の道を選んだ方々が長く働くことができるよう、引き続き支援に努めてまいります。
また、幼児教育、保育の質の向上を図ることは、大変重要であると考えております。
内閣府の所管である子ども・子育て支援新制度の予算においては、消費税率が一〇%に引き上げられたときに実施することにしていた〇・七兆円のメニューについて、三歳児の職員配置の改善など、質の向上も含め、全ての事項を既に実施済みです。
消費税財源以外の財源により実施することとされている、さらなる質の向上を実施するための〇・三兆円超のメニューについても、これまで、保育士等の処遇の二%の改善などを実施しています。
この〇・三兆円超メニューについては、骨太の方針二〇一八において、適切に財源を確保していくとされており、政府として、これに沿って対応してまいります。(拍手)
〔国務大臣菅義偉君登壇〕