根本匠の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○国務大臣(根本匠君) 本村伸子議員にお答えをいたします。
ILO条約の批准についてお尋ねがありました。
ILOの仕事の世界における暴力とハラスメントに関する条約案は、本年六月のILO総会において議論された上で、採択されることが想定されています。この条約案について、世界各国が効果的にハラスメントの防止対策を進めていくことができる基準の内容となるよう、日本政府としても、ILO総会の議論に引き続き積極的に参加してまいります。
仮に条約がILO総会で採択された場合、その批准については、採択された条約の内容等を踏まえて検討してまいりたいと考えています。
ハラスメントが与える影響や調査の必要性についてお尋ねがありました。
平成二十八年度に実施した職場のパワーハラスメントに関する実態調査において、パワハラを受けて、心身にどのような影響があったか調査を行っております。
その結果、怒りや不満、不安を感じた、仕事に対する意欲が減退した、職場でのコミュニケーションが減ったなどの影響があったという回答が多くありました。
また、都道府県労働局において、セクハラの被害を受けたとする方々からの相談や調停の申立てを受けています。こうした事案においては、セクハラを受けたことを上司に報告したが、適切な対応がなされなかったため休職せざるを得なくなった事例等があると承知しています。
こうした実態も踏まえつつ、労働政策審議会において議論を行い、今回の政府提出法案においてハラスメント防止対策の強化を行うこととしています。
ハラスメント禁止規定についてお尋ねがありました。
ハラスメントを禁止する規定については、昨年十二月の労働政策審議会の建議において、民法等他の法令との関係の整理や違法となる行為の要件の明確化等の課題があり、中長期的な検討を要するとされました。
しかしながら、職場におけるハラスメントは、働く方の尊厳や人格を傷つけ、職場環境を悪化させるものであり、あってはならないことです。
このため、今回、政府として提出した法案では、国の取り組むべき施策に、ハラスメント対策全般を充実することを明記した上で、セクシュアルハラスメント、マタニティーハラスメントに加え、喫緊の課題となっているパワーハラスメントの防止のための事業主の措置義務を設けるとともに、国、事業主及び労働者の責務規定を設け、これらのハラスメントを行ってはならない旨を明確化しています。今回の改正により、ハラスメントのない職場づくりを推進してまいります。
セクハラ防止のための措置義務についてお尋ねがありました。
政府として提出した法案では、これまでの取組に加え、セクハラは行ってはならないものであり、他の労働者に対する言動に注意を払うよう努めるべきことを関係者の責務として明確化するほか、労働者が事業主にセクハラの相談を行ったことを理由とした不利益取扱いを禁止すること、労働局の調停制度における意見聴取の対象者の拡大等を行っています。
これらの取組を通じ、セクハラ被害を受けた方の救済に向け、セクハラ防止措置の実効性の向上を図ってまいります。
セクハラ禁止規定と独立した救済機関の創設などについてお尋ねがありました。
セクシュアルハラスメントの禁止規定については、昨年十二月の労働政策審議会の建議において、民法等他の法令との関係の整理や違法となる行為の要件の明確化等の課題があり、中長期的な検討を要するとされました。
また、独立した救済機関を設けることについては、司法以外の機関において正確な事実認定が可能であるか、裁判制度等との関係性をどのように整理するか、どのような組織体制を確保する必要があるかなど、さまざまな課題があるため、その必要性も含めて慎重な検討が必要であると考えられます。
今回、政府として提出した法案では、セクハラ対策の実効性を高めるため、セクハラは行ってはならないものであり、他の労働者に対する言動に注意を払うよう努めるべきであることを、国、事業主及び労働者の責務として明確化するほか、労働者が事業主にセクハラの相談を行ったことを理由とした不利益取扱いの禁止等を行っています。
現状でも、悪質な行為は刑法違反に該当し、不法行為として損害賠償請求の対象となり得ます。本法案による改正内容とあわせ、こうした点についても周知啓発を図ることで、セクシュアルハラスメントを行ってはならないことについて国民の理解を深めてまいります。
就職活動の学生等へのハラスメント及び第三者によるハラスメントについてお尋ねがありました。
男女雇用機会均等法等は、事業主に対し、その雇用する労働者に対するセクハラ等の防止についての措置義務を規定しております。このため、就職活動中の学生など雇用関係にない方々については、対象に含まれておりません。
一方、今回、政府として提出する法案では、事業主や労働者の責務として、セクハラ等を行ってはならないことや、その言動に注意を払うよう努めるべきことを明確化しています。こうした責務規定の趣旨も踏まえながら、就職活動中の学生等に対してもセクハラ等を行ってはならないという認識が浸透するよう、必要な対応を検討してまいります。
また、顧客など第三者からの著しい迷惑行為については、今後定める予定のパワハラ防止措置に関する指針において、企業の望ましい取組を明示し、周知啓発に取り組んでまいります。
こうした取組を通じて、ハラスメントのない職場づくりを推進していきたいと考えております。
男女間の賃金格差の是正や実態把握についてお尋ねがありました。
日本の男女間賃金格差には、さまざまな背景が複合した最終的な結果指標という意味合いがあり、特に、管理職比率と勤続年数の差異が主な要因となっています。このため、各企業に対して、これらの要因の解消について、組織的な対応を求めていくことが重要と考えています。
女性活躍推進法では、各企業に対して、この二大要因を含む状況把握や課題の分析、それを踏まえた行動計画の策定等を義務づけています。こうした具体的な取組を通じて、女性管理職への登用を進めるとともに、職業生活と家庭生活を両立しやすくすることなどにより女性の勤続年数が延びることで、男女間の賃金格差の解消が進むと考えています。
なお、男女間の賃金格差の実態を正確に把握するためには、全ての雇用形態の労働者の平均賃金や中央値について比較するのではなく、雇用形態ごとに比較することが適当と考えています。
ハラスメント禁止法の創設や男女雇用機会均等法の抜本改正に向けてのお尋ねがありました。
ハラスメントのない職場づくりを推進するため、今回の政府提出法案では、労働施策総合推進法第四条の国の取り組むべき施策に、ハラスメント対策全般を充実することを明記した上で、パワーハラスメントを防止するための事業主の措置義務を設けるとともに、男女雇用機会均等法を改正し、国、事業主及び労働者の責務規定の新設や、労働者からの相談を理由とした不利益取扱いの禁止等、セクシュアルハラスメント防止対策の強化を図っています。
ハラスメントの禁止規定を設けることは、昨年十二月の労働政策審議会の建議において、中長期的な検討を要するとされましたが、本法案により、ハラスメント対策は大きく前進するものと考えています。今後とも、ハラスメントのない職場づくりを一層推進してまいります。(拍手)
〔国務大臣片山さつき君登壇〕