宮川伸の発言 (本会議)
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○宮川伸君 立憲民主党の宮川伸です。
立憲民主党・無所属フォーラムを代表し、ただいま議題となりました中小企業の事業活動の継続に資するための中小企業等経営強化法等の一部を改正する法律案、いわゆる中小企業強靱化法について質問いたします。(拍手)
まず初めに、本法案は、安倍政権がお得意の、幾つかの異なる内容のものがまざった、筋のよいものと悪いものを一緒にした、いわゆる束ね法案であります。このような、国会審議を軽視するような法案の出し方は絶対にやめるべきです。
その上で、中小企業強靱化法といって束ね法案を出すのであれば、今のアベノミクスの中で、中小企業が活性化する何らかの方法こそ含めるべきではないでしょうか。
異次元の金融政策により、円安と株高を誘導して、まずは大企業とお金持ちにもうけてもらって、それがいずれトリクルダウンで中小企業にぽとりぽとりと落ちてくる。落ちてくる、落ちてくると言って、何年たっても落ちてこないのではないでしょうか。
二〇一四年の記者会見で、当時の甘利内閣府特命担当大臣は、トリクルダウンがまだ弱いということです、だから、トリクルダウンを強くすると発言していましたが、今やトリクルダウンという言葉すら出てこない状態です。
大企業が数千億円、数兆円という規模の過去最高益を出している中で、中小企業や小規模事業者の実態はどうでしょうか。中小企業の景気動向を示す指標である中小企業景況調査を見ると、商売がよくなっているという企業よりも悪くなっている企業の方が多い状態がずっと続いています。
自民党の石破茂先生は、雑誌のインタビューで、アベノミクスは安倍晋三首相が好んでゴルフをともにする大企業のトップには恩恵をもたらしていたが、その他多くの人を取り残していると発言されたそうです。
そこで、経済産業大臣に質問します。
アベノミクスの金融政策によって、大企業が過去最高益を上げている中で、中小企業、小規模事業者もしっかりとその恩恵を得ていると考えていますか。
中小企業の強靱化を考えていく上で、現状を正確に知ることは重要であります。昨年六月の名目賃金の伸びは三・三%と二十一年ぶりの高水準であるとし、安倍政権は、アベノミクスはうまくいっていると主張していました。しかし、これが全くの誤りであることがわかりました。毎月勤労統計調査で不正が発覚し、こっそり三倍補正、サンプル入れかえ、ベンチマーク変更、日雇労働者除去などの統計処理の問題が明らかとなりました。
では、昨年の実質賃金の伸びは本当はどうだったんでしょうか。プラスだったのか、マイナスだったのか。もしマイナスであった場合、消費税を上げても中小企業、小規模事業者は本当に大丈夫なんでしょうか。
そこで、経済産業大臣に質問します。
中小企業の強靱化を考えていく上で、ベンチマーク補正などを含めたより正確な実質賃金の値が必要であると思いますが、いかがですか。また、厚生労働省に早くこのデータを出すように要求したことはありますか。もし要求していない場合は、なぜ中小企業の立場に立って行動しないのでしょうか。
本改正案の一つの柱は、中小企業が災害に遭ったときに、その被害ができるだけ小さくて済むように、事業継続力強化計画を立てるというものです。
コンセプトは正しいと思います。しかし、内閣府や中小企業庁は企業に対してBCPと呼ばれる事業継続計画を策定するよう促していましたが、その策定率はとても低いです。中小企業庁の調査によると、BCPを策定している企業は一六・九%しかなく、名称は知っているが、策定していないとする企業は五三・二%に及ぶそうです。これは、企業の負担が大きくて取り組めていないということではないでしょうか。
本年十月に消費税が一〇%に上がる予定です。軽減税率が導入されて、一部の商品は八%に据置きとなり、八%と一〇%の商品が出てきます。また、ポイント還元二%付与と五%付与があり、実質的な税率は、三%、五%、六%、八%、一〇%と五段階となります。誰に聞いても、複雑でわからないと言います。さらに、プレミアム商品券の発行やインボイスへの対応などもあり、これから中小企業、小規模事業者はとても大変になると思います。
そこで、経済産業大臣にお伺いします。
この事業継続力強化計画の認定制度はいつから開始になるのでしょうか。ただでさえ消費税対策で大変なときに、中小企業、小規模事業者は対応できるのでしょうか。また、本制度について、どの程度の活用を見込んでいるのでしょうか。
次に、防災・減災対策として、商工会、商工会議所による小規模事業者の事業継続力強化支援についてお伺いします。
これも方向性は正しいと思いますが、商工会、商工会議所がその仕事ができるかという問題があります。
商工会の場合、昔は基礎的な経営相談や記帳事務の代行などが主な仕事でしたが、最近では経営革新塾を開いたりインターネット活用をアドバイスしたりと仕事量がふえています。特に、平成二十六年から経営発達支援事業による伴走型支援が加わり、経営計画の策定支援や販路開拓など、仕事量が更にふえています。そのほか、地域のお祭りやイベントの開催なども手伝っていて、職員の仕事量は過剰になっていると聞いています。一方で、全国商工会連合会の資料によると、経営指導員の数は、ここ十年間で二割程度削減されています。
そこで、経済産業大臣に質問します。
経費に関して地方交付税措置が講ぜられることになっていますが、新たに職員をふやせる程度の予算になっているのでしょうか。また、職員がふやせない場合、今の職員で十分に回せる程度の仕事量なのでしょうか。
本法案の背景の一つは、中小企業の災害対応力を高めるということでありますが、災害の中には、地震や台風などの自然災害だけでなく、テロやパンデミック、そして原子力災害も含まれるはずです。
原子力災害は、自然災害とは異なり、私たちがコントロールできるものです。原子力災害による被害をゼロにする最も簡単な方法は、原発をゼロにすることです。
しかし、今の安倍政権は、二〇三〇年に電源構成に占める原発の比率を二〇から二二%にするとし、約三十基もの原発を動かそうとしています。しかも、東京電力福島第一原発事故を経験して、もう古い原発は動かさないとして四十年廃炉ルールをつくったのに、それを無視して、高浜原発、美浜原発と、次々と運転延長を認めています。
昨年十一月には、首都圏に最も近い原発である茨城県東海村の日本原電東海第二原発の運転延長が決まりました。この原発は、津波に対する防潮堤などをつくるために、約千七百四十億円が必要でありますが、事業主である日本原電はそのお金を持っておらず、何らかの支援が必要です。原子力規制委員会は、東京電力が支援するからということで運転延長を認めましたが、当の東京電力は、経済産業委員会の質疑の中ではっきりと、支援するかどうか決めていないと言っています。このようなずさんな審査で運転延長を決めているのが今の現状です。
中小企業に原子力災害の対応を求めるのであれば、まずはこういったずさんな審査を改め、原発ゼロを目指して努力すべきではないでしょうか。
東海村で原子力事故が起こった場合に備えて、周辺自治体と避難先となる自治体との間で広域避難協定が結ばれています。
例えば、ひたちなか市からは、私の選挙区が含まれている千葉県の自治体が約一万四千人を受け入れることになっています。しかし、実際にどこに避難所をつくり、誰がどのように物資を供給するかなど、具体的なことは何も決まっていません。このような場合にも、中小企業や小規模事業者はどのようになるのでしょうか。
そこで、経済産業大臣に質問します。
本法案で求められる事業継続力強化計画の中には原子力災害も含まれるということでよろしいでしょうか。
昨年三月九日に、野党四党プラス二名で原発ゼロ基本法案を提出しました。もう一年以上になりますが、いまだに経済産業委員会で審議してもらえません。今国会で速やかに原発ゼロ基本法案の審議ができるように、皆様の御協力をお願いいたします。
さて、先日、5Gの周波数割当てが行われました。高速大容量での通信が可能となりますが、自動運転や遠隔操作などの技術が進歩するとともに、リアルとバーチャルな世界が一体となり、新しい世界が広がることが期待されます。
このように最先端技術を使ったイノベーション産業の育成は、日本の経済産業の発展のために極めて重要です。そのためにもベンチャー企業への投資が必要であり、その重要な役割を担っているのが産業革新投資機構であります。
しかし、残念なことに、昨年末に田中社長を始めとして役員九名が辞任するということが起こりました。そのため、計画されていた西海岸ファンドの計画も頓挫してしまいました。
役員九名が辞任した理由の一つが報酬の問題です。経産省が一億円を超す報酬を提案していましたが、途中でその約束を破棄して、大幅に減額することを求めたのです。
そもそも、経産省が最初に提示した報酬は高過ぎると思います。有能なベンチャーキャピタリストの給与は一般に高いですが、しかし、その人たちは資金集めからやっています。二兆円の資金は国が用意をして、失敗しても大きな個人リスクはない状態で、一億円を超す報酬を提示するとは、どのような考え方に基づいていたんでしょうか。
本改正案では、ベンチャー企業に社外から協力する高度人材に対してストックオプションを税制適格にするというものが含まれています。
そもそも、ストックオプション制度とは、できたばかりのベンチャー企業が、優秀な社員に対して高い給料が払えないので、ストックオプションを発行して、もし会社が成功したときにはかなりの報酬が入るというインセンティブを与えるものです。イノベーション創出に対する対価とも言えます。これを、社外の人材に対しても税制適格を認め、優遇措置を与えようとするのが今回の改正案です。
給与所得に対しては最大四五%の累進課税が課されている、所得の再分配が行われていますが、株の収入に関しては税率が約二〇%の一律であり、高所得者優遇と言われています。お金持ちの方が株を持っているケースが多くて、株による収入がふえると、トータルの所得に対する税率が下がることになります。ですから、株に対する税率のあり方は見直すべきであるとの意見があります。
今、消費税の増税を国民にお願いしています。これは逆進性の強い税制であり、低所得者の方にもお願いするものです。このようなときに、一部の人の減税を認めてもよいのでしょうか。きちんとした説明が必要です。
そこで、経済産業大臣に質問します。
本改正案で実質的に減税の対象となる社外高度人材として、プログラマー、エンジニア、弁護士、税理士、会計士などが挙がっていますが、例えば社外の弁護士や税理士は一般的な業務を行っているケースが多いわけですが、なぜこの方々が減税の対象になるのでしょうか。一般的な業務でないとすると、どのような業務を想定しているのでしょうか。
中小企業、小規模事業者は、日本の産業を支えるだけでなく、地域に溶け込み、地域の活性化に貢献をしています。こういった企業が元気で活力が出るように、国も全力でバックアップしていく必要があります。
以上を申し上げて、私からの質問といたします。
ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣世耕弘成君登壇〕