稲津久の発言 (本会議)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○稲津久君 公明党の稲津久です。
 私は、自由民主党、公明党を代表して、ただいま提案されました国有林野の管理経営に関する法律等の一部を改正する法律案について質問をします。(拍手)
 森林は、国土の保全、水源の涵養、地球温暖化の防止、林産物の供給等の多面的機能を持ち、国民生活、経済に多大な貢献をしています。
 このような状況のもと、森林・林業基本計画においては、林業、木材業の成長産業化を早期に実現することを重要視しており、農林水産省始め関係機関や業界を挙げて、国産材の安定供給と需要の拡大に取り組んでいるところです。
 昨年成立した森林経営管理法による新たな森林管理システムでは、経営管理が不十分な民有林を、意欲と能力のある林業経営者に集積、集約することとしました。
 今般、林業の成長産業化を図り、林業経営者を育成するためには、民有林からの木材供給を補完する形で、国有林から長期的、安定的に木材を供給し、林業経営者を支えることが必要として、本法律を改正することとしたものと承知をしております。
 そこで、以下、順次、農林水産大臣にお伺いします。
 まず、林業の成長産業化について伺います。
 森林・林業基本計画においては、林業及び木材産業を安定的に成長発展させ、山村等における就業機会の創出と所得水準の上昇をもたらす産業へ転換することとされています。
 国有林野事業及び本法律案による措置が林業の成長産業化にどのように貢献していくと考えているのか、所見を伺います。
 林業及び木材産業を成長産業化するためには、国産材の利用を促進するとともに、木材の輸出を拡大することが急務です。
 我が国の木材輸出額は二〇一三年以降増加し、二〇一八年には三百五十一億円、対前年比で七%の増となっており、期待が寄せられているところでありますが、品目別では、こん包材や土木資材向けの低価格、低質な丸太が四割を占め、輸出国も中国や米国等に集中しています。
 今後、付加価値の高い木材製品の輸出拡大と新たな輸出先国の開拓を講じるべきと考えますが、見解を伺います。
 林業、木材業の成長産業化に関連して、東京オリンピック・パラリンピックによる木材振興について伺います。
 開催を明年に控え、いよいよ各競技のイベントが始まり、本番に向けての準備が加速化しています。本大会は、日本の魅力を発信することを重要視し、日本食の提供や食文化への対応とともに、木材の利用促進を図ることとしています。
 日本の建具、家具、木の文化を国内外に発信し、同時に耐震性、耐火性、耐久性等を有した木材加工や建築の技術、品質やデザイン性のすぐれた合板など日本の木材製品のPRを積極的に展開し、国内での木材の利用拡大及び輸出振興等を図る絶好のチャンスと捉え、取組を推進すべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、樹木の採取区の指定について伺います。
 本法律案において、農林水産大臣は、効率的で安定的な林業経営の育成を図るため、樹木の採取に適する相当規模の森林資源が存在する一団の国有林の区域であり、民有林と一体的に施策が推進でき、地域の産業に貢献できる等の基準に該当するものを樹木採取区の指定にすることができるとしています。
 概念として示してはいますが、具体的に、「樹木の採取に適する」や「相当規模」、「一団」の示す区域とはどのような区域を指すのか、また、どの程度樹木採取区を設定しようと考えているのか、伺います。
 次に、樹木採取の権利について伺います。
 本法案では、樹木採取権の設定を受ける者は、民有林からの木材の供給を圧迫しないため、木材利用事業者等、いわゆる川中や、木材製品利用事業者等、いわゆる川下との連携により、木材の安定的な取引関係を確立することが確実と認められること等の基準に適合しなければならないとしています。そして、この条件は、木材採取権の設定を受ける者の必須条件とされています。
 そこで、伺います。
 川中、川下との連携により、木材の安定的な取引関係を確立することが確実と認められることが、民有林からの供給を圧迫しないこととなる理由についてお答えください。また、木材の安定的な取引関係の確立にどのような計画性が求められるのか、見解を伺います。
 本法案では、農林水産大臣は、当該樹木採取区に係る樹木採取権者に対し、植栽をその樹木の採取と一体的に行うよう申し入れるものとするとしています。伐採した直後に跡地に残された枝や葉を除去して地ならしをし、植栽をすることにより、作業コストを大幅に縮減することができ、大宗の樹木採取区で伐採と造林の一貫作業が行われることは有効と考えます。
 本規定に基づき、樹木採取権者に伐採とあわせて確実に造林してもらうためにどのような手だてを講じるのか、お答えください。
 伐採後の植栽の際に、針葉樹などの育成単層林を整備して森林資源の循環利用を図ることだけではなく、育成複層林への転換を提案したいと思います。
 従来の林業では、伐期を迎えた人工林は一斉に切り出す、いわゆる皆伐方式が主流でしたが、近年は、必要な分だけ伐採し、そこに新たに苗木を植える育成複層林施業がふえてきています。このことにより、大きな木を伐採しても小さな木が残り、常に山が緑化していることで、森林の持つ公益的、多面的機能が発揮されます。また、針葉樹の人工林に広葉樹を導入する針広混交林をつくることによって、一層の機能効果が期待されます。
 育成複層林の導入を積極的に講ずるべきと考えますが、見解を伺います。
 次に、林業機械の導入、開発について伺います。
 高性能林業機械の導入は昭和六十年代に始まり、近年では、フォワーダー、プロセッサー、ハーベスター等を中心に増加しており、二〇一七年度の全国における保有台数は、合計で、前年比九%増の八千九百三十九台となっています。
 このように、伐採や集材などの作業の機械化については進展が見られるものの、植栽などの造林は依然として手作業によるものが多く、機械化がおくれています。
 また、我が国の森林は急峻な山間部に多く分布することから、急傾斜地等における効率的な作業システムに対応した次世代の架線系林業機械の開発が求められています。
 ロボット技術の活用等による再造林の作業を省力化する機械の開発について、今後の取組を伺います。また、あわせて、ドローン、ICTを使ったスマート林業の考え方についても見解を伺います。
 最後に、林業、木材業の人材育成について伺います。
 林業、木材産業の幅広い知識と確実な技術を身につけ、地域に根差した人材を育成するために、林業関係の学校や研修機関の設立が相次いでいます。これまでも、林野庁の補助事業として全国森林組合連合会が実施をし、林業作業士や現場管理責任者等の育成を行う緑の雇用事業や、厚生労働省の委託事業として同連合会が実施し、就業研修を行う林業就業支援講習などが行われ、成果を得ています。
 一方で、道府県独自の取組として、林業大学校等の開設が相次いでおり、目的や研修内容もバラエティーに富み、若手林業技術者の確保、育成に貢献しています。また、就業希望者や林業関係者のみならず、地方創生にも寄与するとして自治体の注目も寄せられています。
 林業大学校等について、現在の開校状況と今後の予定、農林水産省の支援や今後の方向性についても答弁を求め、私の質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣吉川貴盛君登壇〕

発言情報

speech_id: 119805254X02120190425_029

発言者: 稲津久

speaker_id: 11884

日付: 2019-04-25

院: 衆議院

会議名: 本会議