茂木敏充の発言 (予算委員会)
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○茂木国務大臣 まず、毎月勤労統計、なかなか専門的でおわかりにくい方もいらっしゃると思いますので、簡単にその算出の仕方、一人当たりの賃金の算出について申し上げますと、まず、この統計調査では、事業所ごとに月々の労働者数、それからもう一つは全従業員に支払われた給与の総額を調べております。その上で、この給与の総額を労働者数で割ることによって一人当たりの平均賃金を求めて、事業所規模別、産業別の適切なウエートづけをすることで、全体の一人当たりの平均賃金を算出しております。更にこれを物価で割り戻したのが実質賃金ということになるわけであります。
ここで注意が必要なのは、支払われた給与額にしましても実質賃金でも、同一事業所ごとの一人当たりの平均賃金を計算しているわけでありまして、特定のAさん、同一労働者を時系列でとって、その人の給与がどうなっている、これを計算しているわけではありません。
そうなると、例えば、ある事業所、B製作所で仕事がふえて、前の年よりもっと人手が必要になって、女性や高齢者などをパートの労働者として新たに雇用することになりますと、これは日本経済全体にとってはとてもいいことなんですけれども、統計上は、計算式の分母、つまり労働者の増加分ほど分子の給与総額はふえずに、一人当たりの平均賃金の伸びは抑制され、さらに、物価が上昇すれば実質賃金は更に低くなるというわけであります。ただし、これは、これまで勤めていたAさん本人の賃金が下がったということではありません。
このように、毎月勤労統計の調査結果につきましても、再集計値、これも含めて、先ほど私が御説明をさせていただいたこれまでの政府の答弁と整合的であると考えておりまして、全く説明は変わりません。
その上で、御指摘の共通事業所系列は、何か共通事業所系列というと、標準的な事業所、グループをずっと毎年調査をしている、こういう印象があるかもしれませんが、これは単純に二年連続で調査サンプルに入った事業所に限った調査結果の比較でありまして、これについては、昨年の九月、統計委員会におきまして、サンプル事業所の入れかえやウエート変更による断層、ギャップを回避できて賃金変化率を連続で捉えやすい、こういうメリットがあるとされた一方で、共通事業所系列、これは、今、ビジネス環境が非常に激しい中で、ことし新しく設立された事業所というのは前の年はないわけですから共通事業所には入ってこない、こういう、サンプルに偏りが出る可能性がある。また、連続調査した事業所ということで、何年もつなげることが統計的に難しかったり、また、御指摘のように、サンプル数が少なくなるため標本誤差が大きくなる、こういったデメリットがあるということも指摘をされておりまして、本系列、サンプル全体の集計値と共通事業所系列の双方をうまく組み合わせたりしながら見ていくことが適正である、そのように考えております。
もちろん、長年にわたって、国民生活そして日本経済の実態を正確にあらわすべき基幹統計において不正、不適切な方法がとられてきたこと、このことは極めて遺憾でありまして、それを察知できずに来た責任、我々政治の責任もあると非常に反省をしなければならないと考えております。
そして、事実関係を明らかにし、二度とこのような事態が起こらないようにしっかり再発防止策を立てていく必要がありますし、また、雇用保険であったりとか労災保険、これが給付が過少になっている方について速やかに追加の給付を行っていく、こういったことに全力で取り組んでいきたいと考えております。