岡本三成の発言 (予算委員会)
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○岡本(三)委員 世耕大臣、ありがとうございます。
一つだけ。多くの中小・小規模企業は赤字企業ですので、税制のメリットというのはインセンティブになりづらいんですね。ということも考えて、ぜひ、さらなる強靱化をお願いしたいと思います。
次に、茂木経済再生担当大臣にお伺いしたいんです。
実は、中小企業ももうかっているんです。全体でいいますと、中小企業の収益というのも安倍自公政権が始まって大変大きくなっているんですが、もうかっているのに給料は上がっていないんですね。
理由はたった一つ。労働分配率が物すごい勢いで下がっています。今の労働分配率は六六%、これは四十三年ぶりの低い水準。十年前は七五%でした。もうかっていても、将来が心配なので給料として払うのをためらっていらっしゃる経営者の方はたくさんいらっしゃるんですね。その結果として、よく新聞にも載ります、内部留保がふえています。
全法人で、最も新しい財務省の資料でいうと、四百四十五兆円。資本金一億円以上の大企業は、安倍政権が始まってから、とれる数字でいいますと、三七%内部留保は上がっています。ただ、資本金一億円未満の中小企業も三五%内部留保がふえているんですね。更に驚くべきは、小規模企業、資本金一千万円未満の小規模企業の内部留保は七七%ふえています。
要は、もうかっているんだけれども、将来不安なので払い出せないんですよ。もちろん、個別の会社では払っているところもありますけれども、ここの従業員の方々にしっかり払ってもらわないと、成長と分配という好循環は生まれません。
経営者の皆さんが安心して給料を上げられる状況を経産省でつくっていただくとともに、政治の責任を果たすときが私は来ていると思うんです。政治が、企業経営者の皆さんにお願いするのも大切ですけれども、国民の皆さんに与えられた権限を活用してしっかり責任を果たしていく。
そこで、茂木大臣にぜひ御提案したいことがありまして、それは、最低賃金を戦略的に活用していただきたいということなんですね。これまでの六年の自公政権で百二十五円アップしています。すばらしいことなんですけれども、私は、この最低賃金を、社会保障政策から経済政策の手段へと展開してほしいんです。
最低賃金法では、どういうふうに賃金の水準を決めるというふうに書かれているかというと、「労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるよう、生活保護に係る施策との整合性に配慮」して決める。つまり、あくまでも社会保障政策として最低賃金というのは運用されています。
ただ、日本も批准をしておりますILO条約では、この社会保障的観点とともに、経済政策としての要素もしっかりと考慮して最低賃金を決めたらどうかというふうに条約の中にうたってあるんですね。
最低賃金が上がっていけば何が起こるかというと、例えば、先進国で最も最低賃金を経済的視点で活用しているのはイギリスです。日本では厚労省が最低賃金をつかさどっていますが、イギリスでは経産省がつかさどっています。そして、過去二十年間、毎年平均四・二%上げてきました、平均しますと。その結果、先進国で唯一格差が縮んでいる国がイギリスです。格差は当然縮みます。
加えて、低所得者層の所得が上がると、中間所得者層の所得も当然上がっていくんですね。ですから、分厚い中間層を育成することにもなります。ただ単に少ないところだけを上げるのではなくて、全体の所得を上げていく物すごいドライバーになっていくわけです。さらに、この所得層というのは消費性向が高いので、消費の比率が上がり、経済の好循環も回ります。
また、日本においては、この最低賃金を受け取っていらっしゃる方々の多くは、地方でパートで働いていらっしゃる女性の方なんですね。ですから、地方創生にもなります。女性の活躍にもつながります。にもかかわらず、安過ぎるんですよ。
千円を目指すというのはすばらしいですが、日本のこの水準というのは、日本と産業構造が近いドイツやフランス、オーストラリアと比べてほぼ半分です。安過ぎるんですね。もし仮に、千円まで最低賃金を上げれば、日本で給料が上がるのは千百四万人、千百円まで上げたら千五百五十一万人、千二百円に上げたら千九百十七万人、何と、千三百円まで上げたら、それでも諸外国よりは安いですよ、千三百円まで上げたら二千二百六十三万人の給料が上がります。
ここは、厚労省に任せることなく、経産省とも連携をしながら、経済再生のど真ん中にいらっしゃる茂木大臣にリードをしていただいて、最低賃金を上げることによって日本の生活者全員の所得を上げていくということを、ぜひつかさどっていただきたいんですね。
と同時に、経営者も十分に払えるような準備が必要です。来年二十円上がりますから頑張ってくださいみたいなことじゃなくて、これから十年間は基本的には例えば毎年三%ずつ上げますというふうにフォワードガイダンスを出すことができれば、じゃ、五年後には三、五、十五で一五%上げるためにはうちの会社は新しい取組に何をしたらいいか、十年後には三〇%上げるためにはこういう仕事も始めようというふうに、経営者にも戦略を立てる時間を与えることができます。
ぜひ、茂木大臣のリーダーシップで、最低賃金を活用しながら日本の所得全体を上げていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。