原田義昭の発言 (環境委員会)
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○国務大臣(原田義昭君) 第百九十八回国会における参議院環境委員会の御審議に先立ち、環境大臣及び原子力防災を担当する内閣府特命担当大臣として所信を述べさせていただきます。
昨年十月の着任以来、私は、環境政策によって環境、経済、社会の諸課題の同時解決を図り、将来にわたって質の高い生活をもたらす新たな成長を推進してまいりました。人口減少、高齢化という経済社会構造上の難題を抱えつつ、脱炭素化や持続可能な開発目標、SDGsの達成を着実に実現していかなければならない現下の状況において、旧来の資源配分を変化させつつ、イノベーションの創出を後押しし、その実践として地域循環共生圏を創造していくことは、環境の観点からも成長の観点からも大変有意義なことであります。G20において世界が向かうべき方向性をしっかりとリードしていくためにも、引き続きこの環境と成長の好循環を回転させてまいります。
気候変動対策については、パリ協定に掲げられた目標の実現に向け、大胆かつ着実に国内外の対策を推進いたします。国際的には、昨十二月のCOP24で、先進国、途上国の二分論によることなく、全ての国に共通の実施指針が策定されました。この機運を維持し、来年からのパリ協定本格運用に向け、地球環境衛星いぶき二号による透明性の向上などを通して、引き続き積極的に貢献してまいります。また、科学的知見の提供で重要な役割を担っている気候変動に関する政府間パネル、IPCCについて、今年五月に京都市で開催される総会等の活動を支援してまいります。
国内については、二〇三〇年度排出削減目標の着実な達成に向け、企業の脱炭素経営とESG金融を両輪で推進するとともに、再エネの最大限の導入拡大、徹底した省エネの推進、二酸化炭素回収・貯留・利用、CCUSや、水素利用等技術革新の加速化、効果的な情報発信による行動変容の促進などに取り組んでまいります。また、フロン類の廃棄時回収率向上のための法案を今会に提出いたします。さらに、我が国の削減目標達成への深刻な支障が懸念される石炭火力発電については、引き続き厳しく対応してまいります。
また、二〇五〇年八〇%削減に向けては、世界のエネルギー転換、脱炭素化を牽引するとの決意の下、環境と成長の好循環を実現する成長戦略としての長期戦略をできる限り早期に策定し、国内外に発信してまいります。加えて、脱炭素化への戦略的資源配分を促し、新たな経済成長につなげる原動力としてのカーボンプライシングの可能性についての検討をより深めてまいります。
適応策については、昨年十二月に施行された気候変動適応法にのっとり、環境省の旗振りの下、政府一丸となって、国立環境研究所を中核とした情報基盤の整備、各地域での農業や防災等に関する取組の加速化、適応策の海外展開、熱中症対策の強化など、更なる充実強化を図ってまいります。
生態系への大きな脅威となっている海洋プラスチックごみについては、G20までに、政府としてプラスチック資源循環戦略の策定と、海岸漂着物処理推進法に基づく基本方針の改定を行います。また、自治体、NGO、企業など幅広い主体が連携、協働してプラスチックとの賢い付き合い方を発信するプラスチック・スマートキャンペーンを更に強力に展開し、これらの取組を通じて国際的議論をリードしてまいります。さらに、今週ケニアで開催されている第四回国連環境総会においては科学的知見の充実の重要性等を各国に訴え、その上で、六月のG20ではプラスチックごみを多く排出する新興国も含めた世界全体での取組の必要性を打ち出し、ごみの適正な回収、処分、海で分解される新しい素材の開発など、アジアを始めとする世界の国々とともに、海洋プラスチックごみ対策に取り組んでまいります。
環境、経済、社会の統合的な向上により新たな成長を実現していくに当たって鍵となるのは、地域における実践であります。地域資源を持続可能な形で活用し、自立分散型の社会を形成する地域循環共生圏の創造に向け、プラットフォームの構築による地域の支援や地域社会インフラの脱炭素化モデル実証を行い、環境で地方を元気にしていきます。
東日本大震災の発生から八年が経過いたしました。私は、先日も被災地に赴き、自らの目で現状を確認してまいりました。福島の復興に向けた取組はいまだ道半ばであり、復興に向けた歩みを力強く進めていかなければならないとの思いを更に強くいたしました。
復興の更なる加速化に向け、中間貯蔵施設について、用地取得、施設整備、除去土壌の搬入を安全かつ着実に進め、二〇二一年度までに搬入をおおむね完了させるとともに、仮置場の解消を進めます。また、最終処分量の低減を図るため、引き続き再生利用に関する取組を進めてまいります。指定廃棄物等についても、引き続き安全かつ着実に取組を進めてまいります。帰還困難区域については、特定復興再生拠点区域内における家屋等の解体、除染を着実に実施してまいります。
加えて、放射線健康管理、リスクコミュニケーションの実施や正確な情報発信を通じ、住民等の不安の解消等を図ってまいります。さらに、福島復興の新たなステージに向けた未来志向の取組についても推進してまいります。
万が一の原子力発電所の事故に対応するための原子力防災については、原子力防災会議を中心に、関係省庁を挙げて、地方自治体の地域防災計画、避難計画の具体化、充実化への支援、要配慮者への対応や、避難の円滑化、防災資機材の整備等への財政支援、原子力防災業務に携わる人材の育成などにきめ細かく取り組んでまいります。
原子力防災に対する備えに終わりや完璧はございません。各地域での防災訓練等を通じて、地域防災計画、避難計画の継続的な充実強化に努めてまいります。
また、原子力規制委員会が独立性の高い三条委員会として科学的、技術的見地から公正中立な立場で規制を進められるよう、しっかりとサポートしてまいります。
資源循環政策の分野では、昨年十月に横浜で開催された世界循環経済フォーラムの成果も踏まえつつ、循環経済への移行に向けた行動を官民連携して拡大してまいります。加えて、大規模災害に備えた万全な災害廃棄物処理体制の構築、一般廃棄物処理施設の更新需要への対応、浄化槽整備の推進による汚水処理リノベーション等を進めてまいります。また、途上国等における循環型社会の構築と脱炭素化に貢献しつつ、廃棄物発電や浄化槽等、環境インフラの海外展開を図るため、技術や制度の発信、普及を推し進めてまいります。
生物多様性の保全については、二〇二〇年を目標年とする愛知目標達成のため、引き続き取組を加速させます。その一環として、沖合域に海洋保護区を設定するための法案を今国会に提出するとともに、二〇二〇年以降の新たな世界目標も視野に、SATOYAMAイニシアティブ等による国際連携を展開してまいります。さらに、ニホンジカやイノシシなど鳥獣の管理のほか、希少種保全、外来種対策、ペットの適正飼養等に取り組んでまいります。また、国立公園を世界水準のナショナルパークとして磨き上げる国立公園満喫プロジェクトを引き続き推進し、地域経済活性化と自然環境保全の好循環を生み出していくとともに、新宿御苑の一層の活用に向けた新たな取組を実施してまいります。
環境行政の基盤である各種環境リスク低減のための取組も引き続き重要であります。ライフサイクル全体での化学物質の環境リスク評価・管理を進めていくほか、子供の健康と環境に関するいわゆるエコチル調査や、水銀に関する水俣条約の実施に着実に取り組みます。また、石綿飛散防止や、琵琶湖、瀬戸内海等の水環境保全、PCB廃棄物期限内処理の確実な達成を進めるとともに、水俣病を始めとする公害健康被害対策と石綿健康被害者の救済に、引き続き真摯に取り組んでまいります。
G20まで、余すところ三か月となりました。今回のG20では、史上初めてG20各国の環境大臣が一堂に会する、持続可能な成長のためのエネルギー転換と地域環境に関する関係閣僚会合も長野県軽井沢町において開催されます。議長国として、世界に対し向かうべき未来像をしっかりとお示しするためにも、私の担当する全ての分野において、引き続き、人と環境を守るという根源的な使命を果たすべく全力を尽くしてまいります。
以上、環境大臣及び原子力防災担当の内閣府特命担当大臣として、当面の取組の一端を申し上げました。
那谷屋委員長を始め、理事、委員各位におかれましては、今後とも、環境行政及び原子力防災の一層の推進のため、御支援、御指導を賜りますようお願い申し上げます。
ありがとうございます。