柳麻理の発言 (決算委員会)

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○会計検査院長(柳麻理君) 会計検査院は、国会法第百五条の規定に基づき平成二十九年六月五日付けで参議院議長から会計検査及びその結果の報告の要請がありました「東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取組状況等」及び「中心市街地の活性化に関する施策」につきまして、関係府省等を対象に検査を行い、会計検査院法第三十条の三の規定に基づき三十年十月四日及び十二月二十一日にその結果の報告書を提出いたしました。その報告書の概要を御説明いたします。
 まず、「東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取組状況等に関する会計検査の結果について」を御説明いたします。
 検査しましたところ、国は、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会関係予算として整理されていないが大会との関連性が強いと思料される業務に要する経費の規模を公表していなかったり、二十九年度末時点では大会終了後に行う新国立競技場の改修に係る財源や期間及び必要となる業務の規模の方向性については定まっていなかったり、各府省等が実施する様々な大会の関連施策において、大会の円滑な準備、運営等に資するための課題等が見受けられたりなどしていました。
 検査の結果を踏まえた会計検査院の所見といたしましては、内閣官房東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局は、大会開催の有無にかかわらず行う本来の行政業務等に要する経費を含めて、大会との関連性に係る区分等を整理した上で大会の準備、運営等に特に資すると認められる業務については、業務の内容等の全体像を把握して対外的に示すことを検討すること、独立行政法人日本スポーツ振興センターは、大会終了後の新国立競技場の改修について速やかにその内容を検討して的確な民間意向調査等を行うこと、また、文部科学省は、その内容に基づき民間事業化に向けた事業スキームの検討を遅滞なく進めること、大会の関連施策を実施する各府省等は、公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会、東京都等と緊密に連携するなどして、その実施内容が大会の円滑な準備、運営等に資するよう努めることなどに留意して、三十二年七月からの開催に向けて、大会の円滑な準備、運営等に資する取組を適時適切に実施していく必要があると考えております。
 会計検査院としては、今後、大会の開催に向けた準備が加速化し、三十二年には大会の開催を迎えることになることから、引き続き大会の開催に向けた取組等の状況及び各府省等が実施する大会の関連施策等の状況について検査を実施して、その結果については取りまとめができ次第報告することとしております。
 次に、「中心市街地の活性化に関する施策に関する会計検査の結果について」を御説明いたします。
 検査しましたところ、中心市街地の活性化に関する施策の実施体制及び実施状況については、基本計画の作成や認定事業の実施に当たって、国、道県、市等における連携等が十分に図られていない状況となっており、また、認定基本計画期間終了時に認定事業が完了していなかったり、評価結果が中心市街地の活性化に係る取組に十分反映できていなかったりしている状況となっていました。そして、中心市街地の活性化に関する施策の有効性については、認定基本計画に基づく中心市街地の活性化に取り組み、設定した目標値を全て達成している市がある一方で、全て達成できていない市もあり、また、各種指標の数値においても増加しているものと減少しているものが混在していて、一部の市では認定基本計画の実施の効果が推定できるものの、その効果が確認できない市も多数見受けられるなどしていました。
 検査の結果を踏まえた会計検査院の所見といたしましては、内閣府において、関係府省庁等、都道府県、市町村等と十分に連携して、今後、市町村に対して、国、都道府県等との連携や調整を綿密に行うことの重要性を明確に示し、また、国としてそれらを実施するための体制の整備及び充実に努めること、市町村が基本計画を作成するに当たり、様々な利害関係者間で協議及び調整を十分に行うことを周知徹底するとともに、認定基本計画期間終了後も認定事業の継続の重要性を明確に示したり、大型店の立地の抑制や誘導の対策の検討を行うよう留意事項を明確に示したりすること、主要事業との関係が明確でPDCAサイクルの運用が可能な指標の設定及び測定に努め評価結果に応じて事業の追加や見直しを含めた認定基本計画の変更等を適時適切に実施することを周知徹底すること、都道府県に対して、市町村に適時適切に助言するとともに、広域的な観点から関係市町村の効果的な調整を図るよう努めることを周知徹底することに留意して取り組む必要があると考えております。そして、地域に合った支援措置を適切に選択することができるよう各支援措置の活用事例や留意事項を明確に示すこと、多様な指標による評価を広く検討して施策の実施に取り組むことの重要性を明確に示すこと、認定基本計画の最終フォローアップにおける評価を適切に行うことの重要性を明確に示すことに留意して取り組む必要があると考えております。
 会計検査院としては、中心市街地の活性化に関する施策の実施状況等について今後も引き続き検査を実施することとしております。
 これをもって報告書の概要の説明を終わります。
 次に、会計検査院は、会計検査院法第三十条の二の規定により国会及び内閣に対して、平成三十年七月二十七日、十月四日、十一月三十日及び十二月二十一日に計四件の報告書を提出いたしました。その報告書の概要を御説明いたします。
 最初に、「石油・天然ガスの探鉱等に係るリスクマネーの供給について」を御説明いたします。
 検査しましたところ、エネルギー対策特別会計から出資された出資金等について、国から出資を受けるなどしている平成十七年度以降において、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構に多額の執行残額が生じておりました。また、同機構がリスクマネーの供給を行った三件の天然ガスの権益に係るプロジェクトにおいて、天然ガスの液化設備の設置計画が中止されるなどしていて、緊急時も含めて当該天然ガスを直接我が国に持ち込むことができない状況となっておりました。
 検査の状況を踏まえた会計検査院の所見といたしましては、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構において、エネルギー対策特別会計から出資された出資金等について多額の執行残額を生じさせないために、開発会社の資金ニーズを的確に把握するなどして、資金の必要な時期や額の見通しをより適切に行った上で開発会社に対する出資を行うことが必要であり、また、液化設備がないガス田に関する権益について、権益相当量を緊急時に我が国に持ち込むためにスワップを円滑に行うことができるようにすることなどが必要と考えております。
 会計検査院としては、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構等によるリスクマネーの供給について今後とも多角的な観点から引き続き検査していくこととしております。
 次に、「株式会社商工組合中央金庫における危機対応業務の実施状況等について」を御説明いたします。
 検査しましたところ、主務省は、危機認定及びその継続に際して、一般の金融機関の貸付けの状況等について、一部の危機事案の認定を除き一般の金融機関からの聞き取りによる調査は行っておりませんでした。
 商工中金の不正事案については、本院の検査で十五件の不正が見付かったほか、平成二十五年に、長野支店において不正の可能性が高い事態があることを認識しながら、取締役会等に報告していないなどしておりました。
 危機対応準備金については、商工中金は、本院の指摘を踏まえるなどして検討した結果、百五十億円を国庫に納付することとしました。
 検査の状況を踏まえた会計検査院の所見といたしましては、商工中金において、取締役会等への適切な報告、不正リスクへの対応を徹底するなどして不正等の再発防止を徹底すること、危機対応準備金について必要な財政基盤が十分に確保されるに至っているか具体的な検討を行うこと、主務省において危機認定やその継続の必要性等を的確に判断することなどが必要であると考えております。
 会計検査院としては、今後とも商工中金における危機対応業務の実施状況等について引き続き検査していくこととしております。
 次に、「租税特別措置(中小企業等の貸倒引当金の特例)の適用状況及び検証状況について」を御説明いたします。
 中小企業等の貸倒引当金の特例の適用状況並びに関係省庁及び財務省による検証状況について検査しましたところ、適用状況については、繰入率特例は繰入限度額が合理的に測定されるなどしたものとなっているとは言えないおそれがあると認められ、割増特例は対象が必要最小限のものとなっているとは言えないおそれがあると認められました。検証状況については、繰入率特例において政策評価等を行っておらず、割増特例において、割増特例が対象法人の財務基盤の強化に及ぼす効果を直接示すと思料される指標を含めておらず、また、国民の納得できる必要最小限の特別措置となっているか検証を行っていませんでした。
 検査の状況を踏まえた会計検査院の所見といたしましては、関係省庁において政策評価や税制改正要望の際の検証を行い国民に対する説明責任を果たしていくこと、財務省においても今後とも十分に検証していくことが望まれるとしております。
 会計検査院としては、今後とも中小企業等の貸倒引当金の特例の適用状況並びに関係省庁及び財務省による検証状況について引き続き注視していくこととしております。
 最後に、「国庫補助金等により地方公共団体等に設置造成された基金について」を御説明いたします。
 検査しましたところ、基金によることなく事業を実施することの可否について検討する必要があると考えられるものが見受けられたり、基金規模を客観的に把握することが困難な状況となっていたり、今後の基金の使用見込みが計画等において十分に示されていなかった基金が見受けられたりなどしておりました。
 検査の状況を踏まえた会計検査院の所見といたしましては、各府省は、基金事業として実施されている事業について、基金により事業を実施する必要があるか不断に検討すること、基金規模を客観的に把握し、基金規模の妥当性を適切に確認すること、基金の使用実績等により使用見込みを十分に把握したり、保有割合等を報告させたりするなどして、引き続き基金規模等の妥当性を十分に確認等することなどに留意して、地方公共団体等と十分に連携し、基金事業が適切かつ有効に実施され、使用見込みの低い基金については国庫返納を促すことなどについて努める必要があると考えております。
 会計検査院としては、今後とも国庫補助金等により地方公共団体等に設置造成された基金について引き続き注視していくこととしております。
 これをもって報告書の概要の説明を終わります。

発言情報

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発言者: 柳麻理

speaker_id: 32690

日付: 2019-01-29

院: 参議院

会議名: 決算委員会