山本順三の発言 (災害対策特別委員会)
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○国務大臣(山本順三君) おはようございます。国土強靱化担当、防災担当大臣の山本順三でございます。
第百九十八回国会における御審議に当たりまして、災害対策に関する私の所信を申し上げます。
我が国は、その自然的条件から、各種の災害が発生しやすい特性を有しております。こうした我が国の特性を踏まえ、防災は国家の基本的かつ極めて重要な任務であるとの認識に立ち、災害に強くしなやかな国づくりを進めてまいる所存です。
いまだ記憶に新しい東日本大震災や熊本地震を始め、この一年間にも地震や火山の噴火、台風、豪雨等による災害が発生しております。特に、平成三十年七月豪雨、北海道胆振東部地震等により、多数の方々が被災されております。こうした災害により亡くなられた方々とその御遺族に対し、深く哀悼の意を表しますとともに、全ての被災者の方々に心からお見舞いを申し上げます。
政府は、こうした災害に対して被害状況の早期把握及び被災者の救援救助活動に全力を尽くすとともに、生活、生業の再建、復旧復興対策等について、関係省庁一体となって対応してまいりました。
岡山県、広島県、愛媛県を中心に甚大な被害をもたらした平成三十年七月豪雨については、発災から既に九か月余りが経過しましたが、被災地では昨年十一月に仮設住宅の建設が完了し、恒久的な住まいの確保に向けた取組が進められているところであり、復旧復興に向けた被災自治体の取組を政府としても全力で支援してきたところです。
また、昨年九月に発生した北海道胆振東部地震についても、本年一月末に仮設住宅の建設が完了したところです。今年に入ってからも、被災地では再び強い地震が発生しており、被災地の方々は大変な不安を感じておられるものと認識しています。引き続き、政府としては、被災者の生活再建、住宅再建を支援するとともに、農林水産業、観光産業の復旧復興等に取り組んでいるところです。
これらの災害に対し、政府としては、被災地の復旧復興を更に加速するため、予備費を活用するとともに、平成三十年度第一次補正予算及び今回の国会で成立した平成三十年度第二次補正予算や平成三十一年度当初予算において、インフラの復旧や生活、生業の再建に必要な措置を講じております。被災された方々が安心して暮らせる生活や被災した地域のにぎわいを一日も早く取り戻すことができるよう、被災地の方々の気持ちに寄り添いつつ、引き続き、政府一丸となって被災者支援、復旧復興対策等に取り組んでまいります。
続きまして、防災対策等の主な課題と取組方針について御説明します。
まず、水害対策の強化についてであります。
平成三十年七月豪雨において甚大な被害が生じたことを受け、中央防災会議の下にワーキンググループを設置し、防災気象情報と地方公共団体が発令する避難勧告等の連携、災害リスクと住民の取るべき避難行動の理解促進等について御議論いただき、昨年十二月に報告書が公表されました。ワーキンググループや本年一月に開催された防災対策実行会議での議論を踏まえ、本年三月に、次期出水期に向けて実施する対策を取りまとめたところです。防災と福祉の連携による高齢者の避難行動に対する理解促進に向けた取組や、様々な機関が発信する防災情報を災害発生のおそれの高まりに応じて五段階の警戒レベルに整理することによる分かりやすい防災情報の提供など、必要な対策を講じてまいります。また、この豪雨災害に対するプッシュ型支援等の政府の初動対応に関する検証結果が昨年十一月に取りまとめられました。検証作業を通じて得られた教訓等を踏まえ、政府としての災害対応能力の更なる向上につなげてまいります。
次に、地震対策の強化についてであります。広範囲かつ甚大な被害が懸念される南海トラフ地震については、南海トラフ沿いでマグニチュード八クラスの地震が連続して発生する場合等に備えた防災対応について、中央防災会議の下に設置したワーキンググループで御議論いただき、昨年十二月に報告書が公表されました。報告書を踏まえ、本年三月に、地方公共団体等における防災対応検討の参考としていただくガイドラインを公表したところです。本ガイドラインを参考とした大規模地震の発生に備えた事前避難に関する検討などを通じて、防災対応の一層の向上に努めてまいります。
さらに、火山災害の対策については、大規模噴火時に想定されている広範囲にわたる火山灰の影響に備えるため、中央防災会議の下に設置したワーキンググループにおいて、被害想定及び広域的な降灰に対する応急対策の基本的な考え方について御議論いただいているところであり、取りまとめに向けて、引き続き検討を進めてまいります。
災害救助の実施体制については、昨年の通常国会において災害救助法の一部を改正する法律を成立させていただきました。これは、今後の大規模・広域的災害に備え、一定の基準を満たす指定都市を救助実施市として指定することにより、被災者の実情に即した対応を迅速かつ円滑に行えるようにするものです。本年四月一日からの改正法の施行を受けて、地域の災害救助体制が更に強化されるよう、しっかりと取り組んでまいります。
また、大規模災害に対応するためには、国、地方、民間といった関係機関の情報を共有することが極めて重要です。このため、昨年度から、大規模災害時に様々な情報を集約、地図化して各関係機関の災害対応を支援する現地派遣チームが、平成三十年七月豪雨等において試行的に活動しております。今年度より本格的な運用を開始したところであり、今後も災害対応や訓練を通じて機能向上を図ってまいります。
災害対策の推進については、国民一人一人が自らの命は自らが守る意識を持ち、自らの判断で行動する社会の実現に向けた取組を引き続き進めてまいります。また、行政による公助はもとより、国民一人一人が自ら取り組む自助、そして、地域、企業、学校、ボランティアなど互いに助け合う共助を組み合わせた取組を国民運動として一層推進してまいります。さらに、地区住民による地区防災計画策定への取組支援を始め、災害教訓の継承、企業におけるBCPの普及や、ボランティア、NPO、行政の三者の連携、協働等の取組を進めます。また、防災推進国民会議などを通じて、防災教育や防災意識の啓発に努めてまいります。
さらに、十一月五日の津波防災の日、世界津波の日を中心に、津波防災の啓発活動により一層取り組むとともに、仙台防災枠組に基づき、我が国の知見や教訓、防災に関する取組等を世界に発信し、防災協力を推進してまいります。
国土強靱化につきましては、災害から得られた教訓や近年の社会情勢の変化等を踏まえ、昨年の十二月に国土強靱化基本計画を平成二十六年の策定以来初めて見直し、長期的、計画的かつ着実に国土強靱化を進めるための新たな方針を盛り込みました。
さらに、政府を挙げて実施した重要インフラの緊急点検の結果等を踏まえ、事業規模がおおむね七兆円程度の防災・減災、国土強靱化のための三か年緊急対策を取りまとめたところです。三年間集中で対策をしっかりと実施することとしています。
今後とも、施策の重点化、優先順位付けを行い、ハード、ソフト両面の対策を総動員しながら、国、地方、民間が一体となって、災害に強い国づくり、国土強靱化の取組を加速、深化してまいります。
以上申し上げましたとおり、一連の災害からの迅速かつ円滑な復旧復興のため、被災者に寄り添いながら、被災した地方公共団体と一体となって取り組むとともに、これらの災害を教訓とした災害対策の一層の充実を実現し、災害に強くしなやかな国づくりを進めるため、大きな使命感と責任感を持って全力を尽くしてまいる所存です。
山本委員長を始め、理事、委員各位の格別の御指導、御鞭撻を賜りますようお願いを申し上げます。