三宅伸吾の発言 (政府開発援助等に関する特別委員会)

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○三宅伸吾君 ODA調査派遣第三班について御報告いたします。
 当班は、昨年九月二十二日から二十九日までの八日間、ケニア共和国及びルワンダ共和国に派遣されました。
 派遣議員は、朝日健太郎議員、岩渕友議員、そして団長の三宅伸吾の三名でございます。
 本日は、調査を通じて得られた所見を中心に御報告いたします。
 まず、今回、両国を訪問して改めて認識したのは、アフリカにおける中国のプレゼンスの増大でした。中国の政府首脳は積極的にアフリカを訪問し、インフラ整備を中心とした大規模な支援事業を実施しています。
 両国政府からは、中国を含む多様な国からの支援が必要である旨の見解が示される一方、債務不履行を理由としてスリランカが港湾の運営権を九十九年間にわたり中国に実質譲渡することとなった問題に対する懸念も示されました。
 我が国としては、中国による支援の量的な拡大を前提としつつ、日本でなければなし得ない支援、すなわち、高い技術力を裏付けとするインフラ整備や、各国政府、住民の真のニーズを踏まえたきめ細かな人材育成等を継続していくことが不可欠と考えます。
 こうした観点から、今回の視察及び意見交換等を踏まえた派遣団の所見は以下のとおりです。
 第一の柱として、質の高いインフラ整備の重要性が挙げられます。我が国の支援によるインフラ整備に関して、ケニア、ルワンダの両国政府からは高い評価と謝意が示されました。
 まず、インフラ整備の重要な役割として、円滑な交通や物流の障害除去、つまりボトルネックの解消があります。東アフリカ地域には北部回廊、中央回廊など複数国・地域にまたがる幹線道路が存在し、とりわけ内陸国にとって経済の動脈となっています。
 今回視察したケニアのモンバサ港開発計画及びモンバサ港周辺道路開発計画は、その恩恵がケニアのみならずウガンダやルワンダなど他の内陸国にも及びます。モンバサ港整備については、技術水準の高い日本企業により順調に進捗するとともに、現地雇用にも貢献するなど高い評価が得られています。
 また、ルワンダで視察したルスモ―カヨンザ区間道路改良計画、ルスモ国際橋及び国境手続円滑化施設整備計画、これらは、タンザニアのダルエスサラーム港からルワンダの首都キガリに至る中央回廊のうち、ルスモ国境及びルワンダ側のボトルネックの解消に資するものです。
 現地では、日本の支援による道路は耐用性が高いとの評価も聞かれました。
 インフラ整備の役割としては、大都市における慢性的な渋滞などの交通環境の改善も重要です。
 今回、ケニアの首都ナイロビにおけるウゴング道路拡幅計画及びナイロビ西部環状道路建設計画を視察いたしました。
 交通システムの改善は、道路の整備のみならず、信号システムや公共交通の整備など多様な観点から我が国の技術や経験が活用できる分野として、引き続き積極的に貢献していく必要があると考えます。
 交通関係のインフラとともに、安定的な電力供給を確保するためのインフラ整備も重要です。両国では、電源開発及び送配電網の効率化が共通の課題となっています。
 ケニアでは地熱のポテンシャルが確認されており、今回視察したオルカリアの地熱発電事業においては、発電用タービンなど高い技術力を誇る我が国が重要な役割を果たしていました。
 また、ルワンダの第二次変電及び配電網整備計画は、首都キガリにおいて不安定な電力供給による経済活動への支障が危惧されることから実施されたものです。
 ルワンダでは、生活インフラとしての安全な水へのアクセスも重要課題でした。安全な水の供給は、乳幼児死亡率等の低下に貢献します。また、水くみ労働は主に女性や子供の仕事となっており、女性の社会進出や子供の学習時間の確保のためには、こうした環境は早急に改善される必要があります。
 今回視察したルワンダ東部地域における地方給水計画は、このような人間の基本的な生活環境の改善に資するものでした。
 第二の柱としては、人材育成、人的交流の推進、開発協力のための人材確保が挙げられます。
 アフリカの若者のための産業人材育成イニシアティブ、ABEイニシアティブは、アフリカの若者に対し、日本の大学や大学院での教育に加え、日本企業でのインターンシップの機会を提供するものです。
 ケニアはこのイニシアティブの最大の研修員派遣国となっており、派遣団は、ナイロビにおいて同事業を修了した若者と意見交換を行いました。そのうちの一人は、架け橋アフリカという人的ネットワークのコーディネーターをされており、まさに日本企業との「架け橋」として成長していくことが期待されます。
 また、ルワンダにおいても、このイニシアティブを評価する声を伺ったところです。
 今後は、事業の継続や改善について議論するために、その成果についての評価が待たれます。
 ルワンダでは、ICTについて、経済成長を促進する産業であるとともに、全てのセクターの発展を支援する重要なツールとして位置付けています。
 ルワンダにおけるICTイノベーションエコシステム強化プロジェクトは、ICTセクターの既存の関係者、新たに参入するICT企業、投資家、教育機関等の多様な関係者が効果的に、効率的につながり合う環境であるICTイノベーションエコシステムを強化するものです。
 JICAにおいては、継続的に専門家を派遣しているほか、草の根技術協力である神戸市のキガリを中心とした若手ICT人材育成事業、ABEイニシアティブによるルワンダ研修生の参加なども進められており、こうした複数の事業との有機的な連携や相乗効果が期待されます。
 首都キガリにおいては、現地でICTのベンチャー企業、現在のDMM・HeHe社を創業したクラリス・イリバギザ氏と意見交換しました。同氏は学生時代に創業し、現在、ルワンダのオンラインビジネスで約六割のシェアを持っているとのことでした。
 また、キガリにおいては日系事業者の方々とも懇談し、ルワンダで起業するに至った経緯、現地における諸課題、今後の事業展開等について意見交換しました。
 ルワンダは、世界銀行によれば、ビジネスのしやすい国としてはアフリカで第二位とされています。日本政府もこうしたルワンダの長所を引き続きアピールし、意欲のある日本人や日系事業者の進出を後押しすべきと考えます。
 なお、先月にはルワンダのカガメ大統領が来日し、一月八日に日・ルワンダ首脳会談が行われたところです。我が国の総理大臣及び外務大臣のルワンダ訪問の実績はなく、遠くない将来に同国訪問が実現することが望まれます。
 開発協力のための人材の確保も重要な課題です。
 今回、ケニア及びルワンダの両国において青年海外協力隊員と懇談する機会を得ました。現在も約千八百人が世界中で活躍している青年海外協力隊員は、我が国の顔であり、第一線の民間外交官であると言えます。
 一方、協力隊への応募者については、若年人口が減少する中、ピークであった一九九四年度の一万一千八百三十二人から、二〇一七年度には二千五百四十九人と大幅に減少しています。隊員確保のため、JICAにおいては、引き続き大学などに対する広報など取組の充実を図っていただきたいものです。
 今回懇談した隊員には、地方自治体や大企業に籍を置いたまま参加している方もおられました。人材投資、人材育成の観点から、青年海外協力隊への参加に理解を持つ地方自治体や企業も増えつつあると思われます。このため、政府及びJICAにおいては、現職公務員や会社員が参加しやすい環境の整備に向けた広報等の充実強化に取り組んでいただくことを期待いたします。
 また、意欲と能力のある隊員経験者については、JICAや在外公館等における登用を一層積極的に行うべきです。
 最後に、今回の派遣に当たっては、外務本省、在ケニア及び在ルワンダの日本国大使館、JICA、青年海外協力隊、現地の日系企業関係者、ケニア及びルワンダ両国政府並びに視察先の関係者の方々に多大なる御協力をいただきました。改めて心より感謝申し上げます。
 以上、第三班の報告といたします。

発言情報

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発言者: 三宅伸吾

speaker_id: 22470

日付: 2019-02-14

院: 参議院

会議名: 政府開発援助等に関する特別委員会