稲場雅紀の発言 (政府開発援助等に関する特別委員会)
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○参考人(稲場雅紀君) ありがとうございます。
私の申し上げた、特にこのCBDR、いわゆる共通だが差異ある責任という概念は、これは基本的には気候変動を中心とした概念でございまして、たくさんCO2を出してきた国はたくさん責任を取るべきだと。逆に、ちょっとしか出していない例えばアフリカのような国々は、いわゆる責任の取り方は共通だけれども、たくさん責任を取る必要はない。こういう形で、いわゆる歴史的な責任を果たすという文脈で責任というのを使っていたわけですね。
ところが、SDGsの交渉の文脈の中では、特に先進国がこのCBDRの持込みには断固反対だということで、前向きのいわゆるシェアードレスポンシビリティー、これはどちらかというと責任というよりは善意とかやる気みたいなものなんですけれども、いわゆるSDGs達成のためのやる気みたいな話になっていったわけですね。
ここで一つありますのは、一つは、これまで先進国はGDPの〇・七%をODAに出さなきゃいけないという、そういった目標があったわけですけれども、これはまだあるんですが、非常にもう今これ言う人はほとんど少なくなっています。一方で、途上国の方が経済成長をしていくことによってどんどんいわゆる援助から自立をせよということで、自立というのが一つのキーワードになっておるわけなんですね。
この中で一番大事なのは、この自立をしていく中で、一番貧しい層だとか少数民族であるとか、あるいは社会的な厳しい状況にある例えばLGBTだとか、こういう人たちに対して今まで援助でやったところがどんどんなくなっていって彼らが取り残されてしまう、こういったことが本当に各地で起こっているということなんですね。この辺りどうするのか。
さらには、私が申し上げたように、現状ではグローバルな収益構造に対して再分配は国内、全て、何というんでしょう、国民国家に回収されるという形になっています。お金がどんどんそちらで痩せ細る。こういう中で、いわゆる自立という言葉も、本当にそれは自立ということだけでいいのかということはあると思うんですね。
ですので、私どもとしまして、私の提言の中では、貧困をなくす、能力の高い政府機関を育てるODAということで、ちゃんと再分配ができる政府というものをきちんとつくる、これが途上国において一番優先されることだということを申し上げておるわけでございます。
そういった意味合いにおいて、一つは、この再分配機能が痩せ細るというグローバルな状況に対してどう立ち向かうのかということが、SDGs時代において援助に一番求められることかなというふうに思っておるところです。