片山虎之助の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○片山虎之助君 日本維新の会・希望の党の片山虎之助です。
私は、会派を代表して、安倍総理に質問いたします。
今国会において日本維新の会と希望の党は、参議院において統一会派を組むことにしました。健全な第三極として、政府に対しては厳しいチェックを行いつつ、是々非々路線に立ち提案型野党として合意形成に努力していく姿勢は、新会派でも同じです。
また、現在、身を切る改革として実行中である、第一に、月額報酬の二割分、十八万円を拠出、被災自治体等へ寄附する、二、企業・団体献金は受け取らない、三、文書通信交通滞在費、月額百万円の使途を公開する、四、選挙区支部に寄附をし税額還付を受けない等々は、新会派でも当然に続けます。改めて、国会議員や国家公務員の身を切る改革やあるべき姿について、総理の御所見をお伺いします。
我が党は、二〇一六年三月に憲法改正原案をまとめ、公表しました。それは、一、教育の無償化、二、地方分権、国の統治機構改革、三、憲法裁判所の設置の三項目です。希望の党も四項目を提案し、共に憲法審査会の論議を待っています。
現憲法については、制定過程から今日まで、七十年以上も国民が参画せず、国民投票もされなかったことが最大の欠陥です。論議をしたがらない憲法審査会は何のためにあるのか、私には疑問です。衆参の憲法審査会という国民に開かれた場で徹底した議論を行い、国民に憲法を理解できる十分な素材を提供することは、発議とともに国会の重要な役割と考えますが、総理の御所見をお伺いします。
昨年は、自然災害が集中して発生、日本は災害列島と化し、多くの犠牲が出たことは誠に残念でした。昨年の教訓から、速やかにもろもろの対策を講ずる必要を感じます。
まず、多数の主体がばらばらに出す予報、警報等を分かりやすく整理しなければなりません。適切な自主的避難のために種類も限定し、危険を知らせる警報には必ず行動してもらう仕組みにすることが肝要です。また、情報弱者になりやすい高齢者への周知の手段として何が適当か、早急に方策を検討すべきです。総理、いかがですか。
また、避難した場合の避難所の質の向上が問われています。避難所での温かい食事、きれいで衛生的なトイレ、少なくとも雑魚寝でない睡眠環境の確保等が必要ですが、これを小さな地方自治体だけで提供することはなかなかに難しい。自衛隊ないし消防緊急援助隊などが主導して実行又は支援する仕組みをつくることができないかと私は考えています。総理の御所見を伺います。
毎月勤労統計調査の不適切な取扱いをめぐっては、どうしてこんなことになったのか、原因は何か、誰かの意図があるのか、どうすれば防げるのか、あるいは元々改善すべき点があったのか、給付が足りなかった分改めて払うことになった事務の費用を誰が払うのか等々、国会審議を通じて明らかにすべきことは山のようにありますが、まず総理に伺っておきたいことを挙げます。
今回の問題では、厚労省の報告書が出ている現時点で、ともかく次の二つの点が明らかです。
一つは、事実と明らかに異なることを政府として公表していたことで、しかも担当職員は、そのことを認識していながら十五年の長きにわたり放置していました。二つ目として、サンプル調査という一部を見た結果から全体を判断するための当然必要な推計や処置がなされないままの数値を政府が公表し、これも長期間放置されていました。前者は、もはや過失でなく、国民に対してうそをついたことになります。後者は、政府の専門職員が、必要な当たり前のことをせず、いいかげんな仕事をしていたことになります。国の基幹統計五十六のうちの二十三で誤りが見付かっています。厚労省の特別監察委員会の調査のずさんさについては今触れません。
かつて、日本の官僚は一流だと言われ、国民から信頼を得ていました、うそをつかないし、いいかげんなことをしないと。それが全く覆ってしまった。これは、霞が関の致命的な劣化です。総理は、行政の長として、この事態をどのように受け止め、どう対処するおつもりか、御答弁を求めます。
また、国会で人事権を含む権力の官邸への集中が論議され、それがそんたく政治、側近政治を生んだと指摘される一方、今回のように、官邸から見れば末端の現場で、専門を極め精励することが軽んじられ、事なかれ、前例踏襲が蔓延しているとすれば、どのようにお考えか、総理の見解を伺います。
二〇一六年一―三月期及び四―六月期のGDP成長率は実質、名目ともプラス成長であるにかかわらず、六月一日に消費税率引上げの延期が表明されました。最近の二〇一八年一―三月期はマイナス、四―六月期はプラスなものの、七―九月期はマイナスです。さらに、OECD、世界銀行、IMFは、米中貿易摩擦の影響等により二〇一九年の世界経済見通しを下方修正しており、一月二十九日に発表された月例経済報告では、世界の景気判断を三十五か月ぶりに下方修正しました。
日本経済は、世界経済、特に米中の景気の影響を強く受けますが、世界経済に陰りが見える中、今必要なのはGDPの六割を占める民間消費を上向かせる経済政策です。消費抑制となる消費増税を行うべきときではないと考えます。
二〇一八年にようやく一九九〇年のバブル期の税収を超える税収に回復しました。五%から八%に増税したときの税収は増えていますが、消費税導入後と、三パーから五パーへ増税したときは税収が減っています。消費増税が景気に及ぼす影響を通じて他の税目の税収に及ぼすマイナス効果を考慮すると、消費増税によって税収全体が増加するという保証はどこにもなく、消費増税に伴うばらまきではなく、景気を本格回復させることこそ今重要ではないでしょうか。総理の見解を伺います。
一方で、国会議員等の身を切る改革、行財政改革などは全く進んでおらず、逆に自民、公明両党は昨年参議院の定数を六増しました。また、国民には復興所得税・住民税が二〇三七年十二月まで課せられており、さらに、今回は消費増税分が付け加えられます。国民負担を強いる前に、国会議員、国家公務員等の身を切る改革がなければ説得力はありません。
軽減税率の導入にも反対です。
既に長い実施の歴史を持つヨーロッパ諸国でも反省が広がっています。軽減税率は高所得者ほど恩恵を受け、逆進性対策にならないというのが定説です。また、複雑で区分が曖昧、国民の生活に直結する電気、ガス、水道は対象でなく、新聞は対象となるなど、分かりにくい。外食が不利となるなど消費者の選択にも影響を及ぼし、さらには消費者、事業者、税務当局に多大なコストを掛けます。二%の軽減のためにこのような多大の手間とコストを掛けるのは、財政状況から見て、一〇%引上げの後も更なる消費増税を考えているからとの臆測が国民の間からは消えません。
また、軽減税率の財源は細切れの寄せ集め、さらにはインボイス導入は増税四年後であり、四年間少なくとも二千億円穴が空いたままなど、軽減税率には問題点、矛盾点ばかりです。
低所得者対策ならほかにも幾らでもやりようがあり、カナダなどで採用されている給付付き税額控除という方法もあります。総理、いかがですか。
そもそも、消費税は、もとよりメリットは大きいけれども財政に期待される所得再配分機能は弱く、景気の自動安定化機能も小さい、応能負担原則、公平の原則にも反するとされています。
以上から、我が党は今消費税を増税することには反対であり、凍結すべきです。
現在の社会を覆っている閉塞感を打破するためにも、全世代型社会保障を目指すことには賛成です。しかし、その負担については、年齢ではなく、全ての世代がその能力に応じて支え合わなければなりません。一定以上の所得や資産を保有する人は、その負担能力に見合う医療費等を自己負担ないし税負担とすべきです。
一九年度マクロ経済スライドは制度創設十五年間でやっと二回目の発動となりますが、今春の財政検証を踏まえ、その実施の在り方を検討すべきです。
また、在宅医療の充実と介護との連携強化が求められている中で病床再編が進んでいない現状について、総理の御所見を伺います。
人生百年時代を見据え、働く意欲と能力を持つ全ての高齢者が働ける環境づくりを急ぐ必要があります。そのためには、年金受給者の労働意欲をそぐ在職老齢年金制度は廃止すべきです。また、継続雇用では賃金が大幅に下がり、これも働く意欲を阻害するので、定年年齢を六十五歳に引き上げる必要があります。
一方で、勤務時間や勤務地など、個人の体力や事情に合わせた多様な働き方の提供も求められます。その上で、成長産業等への転職、再就職が円滑に進むような措置と解雇の金銭解決制度の創設が望まれます。
政府は、参院選への影響を恐れ、国家公務員の定年延長法案を先送りするようですが、制度設計のひな形を政府が示すことで民間への波及効果が期待されます。本当に全世代型社会保障を目指すなら、逃げずに国会で論議すべきと考えますが、いかがですか。
入管法の改正案でも、我が党は与党と修正協議で何点か合意しました。例えば、外国人材が大都市圏に過度に集中しないようにと修正しましたが、地域の状況の把握に努めるだけでそれが可能なのか、技能実習制度の見直しの進捗状況はどうなのか、三年後見直しをこれも二年後と前倒ししましたが、知事会などからは業種の拡充の要望もあります。
制度の運用を見ながら、実態に合った柔軟な見直しをすることが求められますが、どうお考えでしょうか。
私は、いわゆる移民政策は取りませんが、地域や業種の実情から、一定の外国人材のなだらかな受入れにより共生社会の実現はやむを得ないと考えています。人口減少をこのまま手をこまねいていると、地方は衰退し続け、日本は消失の危機に至ると心配します。
外国人材の移入につき、真正面から根本的な議論をすべきときが来ていると考えますけれども、総理の御所見を伺います。
米国がTPPから離脱して、日米物品貿易協定の交渉が始まっています。日米双方の言い分を聞いていると、話がなかなか合わないところがあります。例えば、日本は農産物の聖域はTPP並みで守られたと説明しますが、アメリカは違う。また、アメリカは日本に為替条項の導入を求めていると伝えられていますが、日本は否定している。総理、どちらが本当ですか。
昨年十月に日本の総理としては七年ぶりとなる訪中を行い、対中ODAを平成三十年度でやめることに合意しました。しかし、経済規模が日本より大きい中国に対して、技術協力を中心と言いながらODAを継続してきたことはいろんな議論がありました。中国に対して行ってきた総額三兆六千億円にも上るODAには、日本にとってどのような意義があり、中国はどういう評価をしていると総理は総括されていますか、お答えを願います。
昨年は、韓国の大法院におけるいわゆる徴用工判決がありました。私は、この判決は理不尽極まりないものと考えています。
日韓請求権協定の交渉において、日本政府は個人補償を進めることを提案しましたが、韓国政府は、個人補償は韓国政府が行うので、個人への補償金を一括して政府に渡すように要求したと理解しています。いかがですか。
韓国政府が韓国国民に補償を行わなかったことで生じた慰謝料は、日本政府の個人補償を肩代わりしている韓国政府が行うべき事柄であり、日本政府は韓国政府にその実行を要求することができると理解しています。どうですか。
日本政府の要求にかかわらず実行していない場合、日本政府から既に補償費用を受け取っている韓国政府を国際司法裁判所に提訴できるものと考えますが、それに対する見解と提訴の意思についてお答え願います。
能登半島沖の日本の排他的水域内を飛行する海上自衛隊の哨戒機が韓国海軍の駆逐艦から火器管制用レーダーの照射を受けた事件の問題は、北朝鮮の漁船と韓国海軍の駆逐艦と警備救難艦が日本の排他的水域内のすぐ近くにいたことであります。韓国海軍が北朝鮮に対する国連安保理決議に違反した可能性がささやかれています。これを否定できますか、お答え願います。
北方四島は、終戦直後、日ソ中立条約に違反して占領され、それ以降、ソ連、ロシアによる不法占拠が続いていると、私もそういう見方です。しかし、現状においてそれを言い立て四島返還を訴えてもロシアが応じるわけはなく、現状のままのゼロか、二島プラスアルファかの選択しかありません。現状のままのゼロで、四島、四島と言い続けることも一つの在り方でしょう。しかし、二島だけでも排他的経済水域や元島民の往来などのメリットがあるという考え方もあります。
このままだと、国後、択捉、色丹はどんどんロシア化するとともに、中国や韓国等の人や資本が入っていきます。
今、プーチン大統領と良好な人間関係を持つ総理に期待することは、ロシアでは約七割の人が返還に反対の中、二島の上にどのようなプラスアルファが可能なのか。また、ロシアが問題とする在日米軍の駐留についてはいかがお考えか、総理の御所見を伺います。
本年は御代替わりの年です。光格天皇以来、二百年ぶりとなる御退位を、陛下のお気持ちに沿いたいという国民の思いによって実現できたことは誠に喜ばしい限りです。皇位継承も伝統にのっとった形で粛々と進めていくことを希望します。
御代替わりの準備が順調に進んでいるのかどうか、御答弁をお願いします。
そして、私たちも、平成の御代を惜しみつつ、御代替わりをしていかなければなりません。これからの時代を乗り切るためには、教育の無償化や地方分権、統治機構改革を含め、抜本的な改革が必要です。日本維新の会は、その先頭に立つことを約束して、私の代表質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕