森本真治の発言 (本会議)

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○森本真治君 国民民主党・新緑風会の森本真治です。
 ただいま議題となりました平成三十一年度地方財政計画及び地方税法等改正案外三法案につきまして、会派を代表して質問いたします。
 今国会の論点の一つがアベノミクスの評価です。政府・与党も度々述べられるのが、着実に景気回復が続いているが、実感できないとの声も多く聞かれるということ。国民一人一人の給料が上がり、国民生活が向上しているのか、その判断をする上でも重要なのが実質賃金の実態です。しかし、政府は正確な数値を示そうとしません。
 政府の発表では、二〇一八年の実質賃金は前年比〇・二%増で二年ぶりのプラスとなっていますが、サンプルデータを入れ替えていない共通事業所だけで野党が試算したところ、〇・四%のマイナスとなっています。政府は、実質賃金の過去データとの比較を公表するかどうか検討していますが、世論の鎮静化を待つための時間稼ぎとしか思えません。検討にそんなに時間の掛かる問題ではない上、野党の試算の方が賃金動向の実態に近いことは明らかです。なぜすぐに参考値を出せないのか、具体的に何に時間が掛かっているのか、厚労大臣にお伺いします。
 アベノミクスの成果を検証する上で、実質賃金とともに我々が問題視してきたのが消費支出です。地方消費税の譲渡割の収入見込額について、平成三十年度当初見込みが三兆四千八百三十四億円だったのに対し、平成三十一年度の収入見込額は三兆三千四百九十億円と、一千三百四十四億円も減少しています。
 また、内閣府の消費動向調査でも、消費者態度指数が昨年来低下傾向にあります。三月一日に発表された二月分は、二〇一六年十一月以来の低水準。暮らし向き、収入の増え方といった項目を中心に低迷しています。
 本当に景気回復しているのであれば消費も持ち直すはずですが、そうはなっていません。安倍総理が幾らアベノミクスの成果を喧伝しても、やはりこういうところに厳しい現実が現れているのではないでしょうか。総理に所見を伺います。
 私たちは、消費支出が伸びない原因は、実質賃金が上昇しないことと併せ、国民の将来に対する不安にあると考えています。将来不安を解消するため、人への投資や、税制における再分配機能を重視すべきです。しかし、安倍内閣が打ち出す軽減税率やポイント還元などの租税関連政策は、国民からすれば一見得をするように見えるけれども、実は高所得者を優遇する制度であり、いずれも所得再分配に反するものばかりです。こうした高所得者優遇政策を粗製乱造するのをやめ、所得再分配機能が十分に作用する税制を実現するべきと考えますが、総理の御所見を伺います。
 地方税収の見通しについて伺います。
 平成三十一年度地方財政計画では、地方税が対前年度七千三百三十九億円増の四十兆一千六百三十三億円が計上されています。
 しかし、景気動向指数は三か月連続で低下し、一致指数の基調判断が下方修正され、景気は後退局面となりました。日本経済研究センターの調査では、来年度名目経済成長率の下方修正が続き、民間は一・五五%を見込んでいます。OECDの見通しに至っては名目経済成長率が一・二%であり、いずれも政府より低い数値となっています。まさにアベノミクスの失敗、破綻が露呈したと言わざるを得ません。総理の景気動向に関する現状認識について伺います。
 その上で、現在の我が国経済の実態を見れば、地方税収の七千三百三十九億円増という見積りは楽観的であると言わざるを得ません。地方税収は増加すると、この場で言い切れるのでしょうか。総務大臣の答弁を求めます。
 政府は、全体として地方税収が増加するとしていますが、各自治体の財政を取り巻く地域の経済状況は千差万別です。平成三十一年二月の景気ウオッチャー調査で景気の現状判断DIを見ますと、甲信越地方は二・六ポイント低下、沖縄は四・六ポイント低下となっており、地域によって大きなばらつきがあります。今後、自治体ごとに地方交付税の算定が行われますが、このような地域経済の差異を踏まえて算定することが必要です。また、景気が下振れした場合に個別自治体で財源不足が、不足しないようしっかりと措置することも必要であると考えますが、総務大臣の認識を伺います。
 地方交付税について伺います。
 平成三十一年度の地方交付税総額は、平成三十年度からの繰越金四千二百十五億円を含め、対前年度一千七百二十四億円増の十六兆一千八百九億円となりました。この繰越金は本来ならば平成三十年度中に地方団体に交付されるべきものであって、平成三十一年度で活用するのであれば、繰越金を除くベースで総額を確保し、繰越金分の四千二百十五億円は純増となってしかるべきものであります。地方には依然として四兆四千百一億円もの財源不足があるので、繰越金に頼らず、平成三十一年度は平成三十一年度の財源でしっかりと地方交付税総額を確保すべきです。
 したがって、平成三十一年度の地方交付税総額が対前年度一千七百二十四億円増という規模では不十分であると考えますが、総務大臣の所見を伺います。
 自動車関連諸税についてお伺いします。
 私たちは、従来から、九種類もの不条理で過重な税を課している現状を抜本的に改めるべきと主張してきました。今回の改正案には、自動車税の税率引下げや税源移譲等による地方税財源の確保など、我が党の対案である税制改革新構想と方向性を同じくする部分もあります。しかしながら、ユーザー負担軽減の観点でいえば道半ばです。税制の簡素化に関しては、むしろ複雑さが増し、自動車取引の現場で混乱が生じるおそれがないのか懸念します。
 今回、与党の税制改正大綱が、車体課税の見直しについては今般の措置をもって最終的な結論とするとしている点は承服できません。石田総務大臣も、衆議院で我が党議員の質問に対し、総務省としては抜本改革以来の懸案について最終的な結論を得たものと考えていると答えていらっしゃいます。
 我々は、ユーザー負担を軽減し、家計を支援する観点からの抜本改革を行うまでは最終的な結論とは言えないと考えますが、こうした改革を行う考えはないのか、改めて総務大臣に伺います。
 最後に、災害からの復旧復興について伺います。
 東日本大震災から八年が経過いたしましたが、復旧復興に当たっては、人手不足が依然として深刻な課題となっています。平成三十年七月豪雨に関しても、広島県を始めとする被災した各地域では、技術者が不足し、復旧復興事業がなかなか進まないという現状があります。
 安倍総理は、全ての都道府県で有効求人倍率が一倍を超えたことを再三にわたってアピールしてきました。しかし、そのことがもたらす弊害にも目を向ける必要があります。
 有効求人倍率を職業別に見ると、建設業は平成二十五年の二・三倍から平成三十年度には四・七倍、建築・土木・測量技術者は平成二十五年の三・二倍から平成三十年には五・五倍へと大きく伸びており、人手不足が顕著となっています。測量士や技術士など国家資格を持つ技術者が不足し、被災県内の事業者だけでは復旧復興事業を受注し切れない事態も起こっています。
 人手不足が災害復旧の妨げになっているという現状についてどのような認識をお持ちなのか、安倍総理に伺います。あわせて、現状の改善に向け、政府はどのように対処しようとしているのか、明確な道筋をお示しください。
 以上、質問してまいりました。
 総務省が発表した昨年の人口移動報告では、東京への転入超過は八万人、我が広島県は六千人の転出超過となっています。こうした流れに歯止めを掛けることはもとより、それぞれの地域で暮らす人々がいる限り、常にその人たちに寄り添い、地域を、暮らしを守る。
 私たち国民民主党は、これからも完全地方主義を第一に努力していくことをお誓いし、質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 119815254X00820190313_009

発言者: 森本真治

speaker_id: 18201

日付: 2019-03-13

院: 参議院

会議名: 本会議