小西洋之の発言 (本会議)

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○小西洋之君 立憲民主党・民友会・希望の会の小西洋之です。
 会派を代表して、ただいま議題となりました平成三十一年度予算三案に対し、反対の立場から討論を行います。
 まず、複雑怪奇かつ高所得者ほど得をする天下の愚策軽減税率、幾通りもの複数税率となるポイント還元、事務経費が約三割を占めるプレミアム商品券等々、合理性を欠く対策で国民を欺き、国民生活に害を与える消費増税は断じて認められません。
 また、二兆円超の消費増税対策のうち、その三分の二は実は国土強靱化対策などであり、その結果、公共事業費が前年度比一五・六%の増という十年ぶりの高水準に大きく膨れ上がるなど、プライマリーバランス黒字化目標が本年一月の政府試算で既に達成不可能となっているのは言語道断であります。
 一方で、約二万人の待機児童が保育士不足などによって解決できていない中、年収六百四十万以上の世帯に対し無償化予算の五〇%を費やすなど、社会保障の充実策の多くは政策合理性に反するばらまきとなっており、断じて容認できません。
 しかし、本案に反対する理由の根幹は、その発足以来、改ざん、捏造、隠蔽などの不正行為によって、憲法破壊、議会政治の破壊等々を繰り広げてきた安倍政権の暴挙が人間の尊厳と国民生活そのものの破壊に及んでおり、こうした虚偽と詭弁の強権政治、民主制の敵である安倍内閣には、予算の国会議決を得てそれを執行する行政府としての正統性そのものが断じて認められないからであります。
 まず、統計法第一条に民主制における国民の合理的な意思決定の基盤と定める政府統計への信頼は、完全に地に落ちたと言わざるを得ません。厚労省の特別監察委員会は、うそをついたが隠蔽ではないという追加報告書をまとめ、国民を唖然とさせました。しかし、そのからくりは、事実を隠す意図を持ってうそをついたか否かを厚労省と関係の深い調査委員らがわざと確認しないという、隠蔽を意図的に隠蔽する不正調査であったのであります。
 統計委員会の委員らも厳しく批判するこの報告書を根本厚労大臣は、衆参の審議で三十回近く、隠蔽がないことが明らかになったと主張しており、国会を改ざん文書で欺いた麻生財務大臣同様、もはやその在任自体が民主制の否定であり、即刻辞任すべきであります。
 また、統計不正の本丸、アベノミクス偽装の疑惑は、政府・与党の抵抗により何ら解明されていません。森友、加計学園問題に続き、もはや安倍政権の風物詩となった総理秘書官の暗躍は、肝腎のサンプル入替え方法の変更指示の場面に限って記憶喪失になり、二〇一八年一月以降の賃金かさ上げを講じた担当室長らの参考人招致は最後まで拒否され続け、予算審議のため三月末までに提出するはずの共通事業所ベースの実質賃金は、土壇場で中間整理案なるものに後退しました。国民の賃金の実態が不明なままに、消費増税等々を含む予算審議が成り立つわけがなく、本案は国会提出の前提そのものを欠いていると断ずるほかないのであります。
 では、国会の国政調査権をじゅうりんして、安倍政権は一体何を隠したいのでしょうか。
 アベノミクスの六年間、実質賃金は大きく低下し、アベノミクス開始前の水準にすら届いていません。政府も口をつぐみ始めた戦後最長の景気回復なる大風呂敷は、GDPを不当にかさ上げし、株価を日銀の大規模買入れによって下支えした偽装経済であるのであります。
 一方、この間に、異次元の金融緩和によって日銀の保有国債は四百八十兆円に迫り、長期債務残高は約二百兆円増加する一方で、二%の物価安定目標は放棄され、本予算で八・八兆円もの利払い費が計上されている長期金利の上昇リスクを前に、景気の好循環どころか、国家を財政破綻に、国民生活をハイパーインフレなどの危険に追い込んだ暴挙こそがアベノミクスの真の姿なのであります。
 通貨の番人であるはずの日銀の黒田総裁は、野党議員の出口戦略に関する真摯な問いかけに対し、法の番人どころか、三権分立の国会の自律権を侵害し、政治的発言までを行う総理の番犬と成り果てた横畠内閣法制局長官と同様、薄ら笑いを浮かべながら、何ら具体策を語ろうとしません。もはやアベノミクスは、安倍総理に虚偽と偽装にまみれた見果てぬ成果を語らせるときではなく、国家の総力を挙げて、その失敗の真実と国民生活への恐るべきリスクを語るときなのであります。
 次に、沖縄県民投票の圧倒的な民意を無視し、辺野古の基地建設を強行する安倍政権の対応は、憲法九十二条の定める地方自治の本旨たる住民自治、団体自治をじゅうりんする暴挙にほかなりません。
 岩屋大臣が主張する国の民主主義の在り方は、地方自治の本旨に基づき、沖縄の民主主義と調和する限りにおいて許されるのが憲法の趣旨です。しかし、防衛大臣も、防衛省の担当局長、課長も、沖縄県議会での県民投票の趣旨説明、地方自治法に基づく住民四名の代表者意見を一行も読んでいないことが明らかになりました。そこには、安倍総理らが埋立て強行の理由として壊れた機械のように繰り返す、普天間基地の危険性、早期移転の必要性が、そもそもの住民意思、団体意思として明確に述べられているのであります。沖縄県民が、沖縄県が、何のために、いかなる思いを持って、どのような政策的な視野を持って県民投票を行うのか、行ったかを事前に知ろうともせず、全く知りもせず、一体どうやって投票結果を真摯に受け止め、県民の気持ちに寄り添うことができるのでしょうか。
 沖縄の海兵隊駐留の軍事的正当性は、複数の米国政府の元高官らからも疑問が呈されています。玉城知事の協議呼びかけを無視し、期間も費用も不明な基地建設を強行する安倍政権の所業は、まさに現在の銃剣とブルドーザーそのものであります。今、土砂で埋め立てられているのは、沖縄県民にとどまらず、私たち日本国民一人一人の人間としての尊厳であり、私たちの民主主義そのものなのであります。
 こうした安倍内閣の人間の尊厳と法の支配をじゅうりんする暴挙の端緒及びその最たるものは、昭和四十七年政府見解を曲解し、その中に集団的自衛権を許容する基本的な論理なるものを捏造した解釈変更、安保法制であります。
 この近代立憲史上に例のない決裁文書の改ざんによる憲法破壊行為、自衛隊明記改憲によっても法的に治癒され得ない、人間として断じて許されない、自衛隊員ら国民の尊厳をこの上なくじゅうりんする暴挙が今般の予算で具体化しています。
 安倍総理は空母保有を専守防衛に反しないと主張していますが、そもそも安倍内閣は、解釈変更の際に専守防衛の定義を改ざんし、相手から武力攻撃を受けたとき初めて防衛力を行使しとの文言について、この相手とは、日本を攻撃する国ではなく、日本の同盟国のアメリカを攻撃する第三国の意味とも読めるのだと強弁しているのであります。これは、法の支配の破壊だけではなく、日本語という言語、国語の破壊、すなわち文明破壊の暴挙そのものであります。この専守防衛の改ざんのどこに自衛隊員の名誉や尊厳があるのでしょうか。
 また、安倍総理は、丸二年余り、自衛隊員や国民の前で幾度となく改憲の口実にしてきた憲法学者の自衛隊違憲論について、その学説の内容を紹介するよう三月六日の予算委員会で二度にわたって問われ、全く何も答えることができなかったのであります。安倍総理ほど、自衛隊員の名誉と尊厳を踏みにじっている政治家はいない。これ以上自衛隊員を改憲の道具にすることは断じて許されない、あなたには改憲を唱える資格など一ミリもないと満身の怒りを持って安倍総理を弾劾するものであります。
 最後に、安倍総理は、確認できる限りこれまで百回以上、国会や国民に対し法の支配を訴えています。しかし、その安倍総理は、三月六日の予算委員会で法の支配の対義語を二度問われ、やはり何も答えることができない、何も知らなかったのであります。
 法の支配とは、権力者の専断によって人間の尊厳が侵されてはならないという、人の支配の否定から生まれた普遍原理であります。改憲を唱える総理が近代憲法の立憲原理の趣旨さえ理解していないという驚愕の事実は、同時に、我々立法府に集う者たちに対して、改めて安倍総理とは一体何者であるのかという根本命題を突き付けているのであります。
 本演説で指摘した安倍総理の一連の暴挙は、全て民主制における悪夢そのものであり、すなわち人の支配そのものであるのであります。平成のその先の時代の前に、一刻も早く、人の支配、安倍政権を打倒し、法の支配と当たり前の民主主義、真っ当な政治を取り戻す決意を申し上げ、反対討論を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)

発言情報

speech_id: 119815254X01020190327_007

発言者: 小西洋之

speaker_id: 27444

日付: 2019-03-27

院: 参議院

会議名: 本会議