森本真治の発言 (本会議)
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○森本真治君 国民民主党・新緑風会の森本真治です。
私は、会派を代表して、地方税法等の一部を改正する法律案、特別法人事業税及び特別法人事業譲与税に関する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の三法案に反対、森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律案に賛成の立場から討論を行います。
三月十三日の本会議において、安倍総理は、自ら推進してきたアベノミクスの成果として、経済成長や高水準の有効求人倍率に言及しました。また、地方財源不足額の縮小や臨時財政対策債の発行額の抑制についてもアベノミクスの成果だとしています。
ところが、足下の経済状況は、景気動向指数の一致指数が三か月連続で下降し、基調判断が下方修正されました。景気ウオッチャー調査では、景気の現状判断DIが甲信越地方や沖縄で低下しています。経済の現状を直視すれば、アベノミクスの行き詰まりは明らかです。
安倍内閣では、森友問題などにとどまらず、統計不正の問題が明らかになりました。前代未聞のこの失態にはあきれるばかりですが、アベノミクスの行き詰まりと毎月勤労統計での不正との間に因果関係を見出してしまうのは私だけではないと思います。
さらに、このような経済状況であるにもかかわらず、本年十月からは消費税率が引き上げられます。軽減税率の実施や各種の需要変動平準化策を実施するとしていますが、そもそも、国民に混乱をもたらすだけの軽減税率の導入と一体化した消費税率の引上げに反対です。
問題山積みの安倍内閣の政策運営をただすべく、三法案に対する反対の理由を申し述べます。
第一の理由は、国が果たすべき責任を放棄しているところです。
都市と地方の格差が拡大しており、政府は、地方税源の偏在性を是正するため、法人事業税の一部を切り離して国税化する措置を講ずることとしました。ところが、新たな偏在是正措置と称するこの対応は、暫定的な措置として平成二十年度に導入された地方法人特別税、地方法人特別譲与税と何が違うのか。これでは、地方税源を国税化する措置が恒久化されるにすぎず、税源の偏在性が小さく税収が安定的な地方税体系の構築という目標の達成は遠ざかるばかりです。
そもそも、各団体の財源不足は地方交付税でしっかりと手当てすべきであり、法定率の引上げを中心とする地方交付税法の改正で対処すべきです。地方交付税総額が十分に確保できていれば、財源調整機能と財源保障機能がしっかりと発揮され、地域間の財政力格差を適切な水準に収束させることができます。ところが、平成三十一年度においても法定率の引上げは実現せず、平成三十年度からの繰越金四千二百十五億円を含めても、地方交付税総額は一千七百二十四億円しか増えていません。
石田総務大臣は、法定率の引上げが実現できない理由として国の財政状況にも言及していますが、財務省の意向をそんたくするのではなく、しっかりと地方に向き合って、地方財政を支える重責を担っていただきたい。地方には、依然として四兆四千百一億円もの財源不足があり、十分な地方交付税総額を確保できない現状は、地方に対する国の責任放棄以外の何物でもありません。
反対する第二の理由は、地方団体の意見を軽視し、地域主権に逆行する政府の姿勢です。
安倍総理の肝煎りで、幼児教育の無償化が進んでいます。初年度となる平成三十一年度は、地方負担の全額を国費で対応するとしましたが、その後は消費税率一〇%への引上げによる増収分が充てられます。このような重大な方針転換は、国と地方が十分な協議を重ねた上で決定すべきものであり、あるべきプロセスを省略し、国の意向を地方に押し付ける今回の進め方は地方軽視そのものです。
国は、二年目以降、地方負担の全額を地方財政計画の歳出に計上し、一般財源総額を増額確保するとともに、個別団体の地方交付税の算定では基準財政需要額に地方負担の全額を算入するとしていますが、国が消費税増税分の使途を決めてしまった事実が変わるわけではなく、国の都合で地方財政の自由度が著しく狭められることになります。
ふるさと納税に関しては、返礼品競争を問題視して法改正を行うこととなりました。もちろん、返礼品競争によって地方の財源が浪費されてしまうことは避けるべきであり、過度な返礼品を抑制することは必要です。その一方で、国による制度設計の不備が返礼品競争を招いたという指摘から目を背け、国が地方の自由度を縛るてん末に至ったことは、国と地方の関係に禍根を残す法改正であると言わざるを得ません。また、高所得者ほど有利な控除額の仕組みを放置していることも看過できません。
反対する第三の理由は、軽減税率の導入と一体化した消費税率の引上げが前提となっている点であります。
少子高齢化が急速に進展する我が国では、生活者の安心を守る観点から、社会保障と税の一体改革の推進が基本的に必要であると考えます。他方、国民に新たな負担を求める消費税率の引上げに当たっては、社会保障の充実や教育の負担軽減のほか、無駄な経費を削減する行政改革などをしっかりと行うことが必要です。また、著しい混乱が懸念される軽減税率の導入は許されるものではなく、給付付き税額控除で対応すべきです。
反対する第四の理由は、自動車関係諸税の改正であります。
地方ほど生活必需品としての性格が強まる自動車に対しては、複雑かつ不条理で過重な税を課している現状を抜本的に改め、ユーザー負担を軽減し、家計を支援する必要があると考えます。その一方で、自動車関係諸税は地方の重要な財源であることにも留意が必要です。
今回の改正案には、一部、このような考え方に合う見直しも含まれていますが、税体系の簡素化とユーザー負担軽減の観点でいえば道半ばです。それにもかかわらず、与党の税制改正大綱において、車体課税の見直しについては、今般の措置をもって最終的な結論とするとされており、このような税制改正を実現する法案に賛成することはできません。
最後に、森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律案については、譲与基準や使途の在り方などについて多くの課題が残されていますが、地球温暖化の防止、災害防止と国土保全、水源涵養等の重要な役割を担う森林を支えるという大きな意義を有するものであり、賛成することを申し述べます。
安倍総理は、アベノミクスの成果として、国と地方を合わせた税収が二十八兆円増加し、全都道府県の有効求人倍率が一倍を超えたと喧伝しています。しかし、地方の財源不足額は巨額に上り、地方財政は依然として厳しい状況にあります。
個別自治体に目を向ければ、過疎化や高齢化の進展を始め、様々な点で大きな違いがあり、地域の経済基盤から財政状況まで多様です。また、児童虐待の悲しい事件が連日のように報じられていますが、児童相談所の人員が著しく不足し、個別事案への対処に支障を来している状況を放置してきた責任をどのように感じているのでしょうか。
強固な政権基盤を築く安倍総理こそ、そのような点にも目を向けて政策運営に取り組むべきであり、地方財政への配慮が不十分な法案が国会に提出されたことは残念でなりません。
国と地方の関係では、協議に協議を重ねてお互い納得した上で重要な施策を決定すべきものであり、対等な関係であることは言うまでもありません。しかし、これから更に進展する地方の人口減少と高齢化に対処していくには、国は対等以上に地方の立場や思いを重視する。国民民主党は、完全地方主義の立場で今後も努力していくことをお誓いし、討論とさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)