斎藤嘉隆の発言 (本会議)

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○斎藤嘉隆君 立憲民主党・民友会・希望の会の斎藤嘉隆です。
 ただいま議題となりました大学等における修学の支援に関する法律案について、会派を代表して質問します。
 法案の質疑に入る前に、一言申し上げます。
 自公による歳費削減法案の委員会付託等をめぐって、昨日から議運理事会が紛糾をしています。党利党略、自己都合で我々の反対を押し切り参議院議員定数六増法案を無理やり成立させておきながら、増える経費を賄うために参院のみ議員歳費を削減するなどという勝手極まりない法案です。定数増への批判を恐れて、連休前に強引に採決し、連休でほとぼりを冷ますおつもりなのか、こそくとしか言いようがありません。憲法上の疑義も拭い去れていません。丁寧に協議をしていただきたい。強く抗議をいたします。
 また、野党各会派は、先週、参議院規則三十八条に基づき、予算委員長に対して委員会の開会を要求しました。回答期限であった十六日、自民党からは開会されても所属議員は出席しないという信じられない表明があり、委員長からは引き続き与野党間で協議するようにと話がありました。これは自民党による明らかな審議拒否です。委員長に参議院規則違反を強要するのですか。かたくなに審議拒否の姿勢を貫くのは、連休前に長期の外遊を計画している安倍総理へのそんたくですか。早急に予算委員会開会に応じるよう、責任ある立法府の一員として強く求めます。
 さて、修学支援法案が参議院の審議を経て成立すれば、一年後の二〇年四月から実施となります。法案では、施行期日について、消費税の税率を一〇%に引き上げる改正消費税法が施行された年の翌年の四月一日までの間という旨の微妙な言い回しになっています。現在の高校三年生を中心に、対象者は、修学支援を受けることを前提に大学進学などの進路選定を行うことになります。若者の生涯が懸かっています。法成立後にやっぱりやめたとはいきません。与党幹部も言及しているようですが、消費増税を延期した場合、修学支援も延期などという選択肢はあり得ない、こういう認識でいいですね。文科大臣、若者たちのために明確にお答えください。
 今回の支援対象は、住民税非課税世帯とこれに準ずる世帯となっています。本法案の大学生等に対しては低所得世帯に限る措置ですが、三から五歳児の幼児教育の無償化は所得に制限なく全世帯対象です。民主党政権時代にスタートした全ての高校生への授業料無償化は、自民党議員のばらまき批判が相次ぎ、現政権下で所得制限が設けられました。このように公的な教育支援の在り方に対する考えが、幼児、高校生、大学生等でそれぞればらばらで整合性なく、基本的なスタンスが全く理解できません。大臣、それぞれの施策について年収要件が違うことの理由を論理的に御説明ください。
 支援対象者が最終的には七十五万人程度、所要額は最大七千六百億円とされています。しかし、大学等の進学率は、進学時の授業料や奨学金のみによって変わるものではなく、幼児、義務教育段階も含め、日常の家庭での学習環境や大学進学に対する保護者の考え、進学した高校の状況などによっても大きく変わります。今回の措置によって、非課税世帯等の子供の進学率が全世帯平均並みの八〇%に上がることを前提に所要額が示されています。そんなに単純なものではないでしょう。進学率が全世帯平均並みになるという想定の根拠は何ですか、お示しをください。
 また、在校生に対する授業料減免や奨学金の支援はあるものの、二〇一九年度以前に既に進学している二年生以上の低所得世帯の大学生等の数が新規で増えるわけではありません。低所得者世帯の学生の進学率は、制度設計上、一年目は一年生、二年目は一、二年生というように年々上がっていくことになります。つまり、必要な予算も施行後四年を経て七千六百億円になるという試算であると理解しています。単純に消費増税分のうちの七千六百億円を活用するとの説明では言葉が足らず、不誠実です。二〇年度以降の所要額は年度ごとに一体幾らを見込んでいるのか、年度ごとの対象人数と必要額をお示しください。
 本法で実施される授業料減免には大きな問題点があります。現在、各大学等では既に世帯所得に応じた授業料減免措置がなされています。新たな減免措置によって、旧来の減免が実施されなくなる可能性があるとの危惧があります。
 この場合、大学によって若干の差異はありますが、例えば、年収三百八十万円から八百五十万円程度までの世帯で国立大学授業料の全額から三分の一の減免などの措置を受けていた者が支援を受けられなくなるケースが生じます。現在、大学に子供を通わせている世帯の収入は四百万円から六百万円が約八割です。こうした中間層にとって、高等教育の無償化どころか、むしろ負担増となってきます。これは大問題です。従来の予算措置による減免制度は維持すると、大臣、明言ください。いかがでしょうか。
 次に、支援対象となる大学等の要件について伺います。
 経営状況や、理事に産業界等の外部人材を複数任命していることなど、本法案で定める確認要件を満たさない大学等に通う学生は支援の対象とはなりません。今回の支援は個人を対象としたものではないのですか。確認大学等にならなかった学校に通う現在の在校生も支援されないんです。これは学生たちの責任なのでしょうか。学生たちへの支援と大学等の教育の質確保などは別問題であり、認可や助成の在り方によって改善するべきものではないんですか、答弁を求めます。
 過度な学習状況要件についても伺います。
 具体化に向けた方針では、平均成績が連続で下位四分の一の場合など認定を取り消すとされています。平均成績が下位四分の一、それも各大学各学部での相対的評価であり、大学ごとのレベルは無視されています。
 授業料減免と給付型奨学金が打切りとなれば、それは即座に退学を意味し、相対的評価である以上、毎年一定数の中退者を生むことになりかねません。相対的評価など、今では小中学校でも実施をしていません。省令制定に当たっては方針を見直すべきです。見解を伺います。
 支援を受ける個人の要件に、高校等卒業後二年の間までに大学等に進学した者とあります。なぜ二浪までの学生のみ対象なんですか。大学入学への道筋は様々です。そもそも、学び直しやリカレント教育の重要性をあれだけ強調していたのは文科省ではないですか。この考え方とも矛盾します。答弁を求めます。
 授業料減免に予算を投じるならば、まず授業料そのものを減じるべきと考えます。国立大学の授業料は年額五十三万五千八百円が標準額となっており、この標準額のプラス二〇%の範囲内で各大学法人が授業料を設定できることになっています。これを受け、本年度から、東京工業大学が六十三万五千四百円に、東京芸術大学が六十四万二千九百六十円にと、それぞれ十万円ほどの大幅な値上げに踏み切っています。この大学授業料値上げは中間所得層の多くの学生に困難をもたらします。文科省としてこの状況を看過するのですか。見解を伺います。
 授業料減免や学資支給がされても、授業料が大幅に上がれば効果がありません。今後、私立大学も含めて便乗的な値上げがなされることはないのか、それを防ぐためにどのような対策をするのかについても伺います。
 今回の法案には、貸与型奨学金の改善につながる内容が含まれていません。今回の奨学金給付はごく一部の限られた低所得者層へのものであり、貸与型奨学金の多くの利用者や返済者への支援とはなっていません。
 そこで、現在、貸与型奨学金に対して、返還猶予期間の十五年などへの延長、延滞金賦課率を現行の五%から大幅に引き下げること、返済順序を元本返済からを基本とすること、人的保証の廃止などの具体的な対策を打つべきです。見解を求めます。
 全学生の二割程度を対象と想定した今回の施策には七千六百億円の予算が必要とされる一方、現在の有利子奨学金を無利子に転換するための予算は、試算では三百五十億円程度とされています。当面は七千六百億円の支出は必要ありません。それならば、こうした財源を活用して、この有利子から無利子への完全な転換を早期に実行してはどうですか。大臣の答弁を求めます。
 以上述べてきたように、本法案は、高等教育の無償化と言うには余りにも対象者が少なく、日本が留保を撤回した国際人権規約十三条二項に沿うものとは言えません。中間層直撃法案、大学管理強化法案とも言うべき内容を含んでおり、多くの点で改善が必要です。
 我々の提案にも真摯に向き合うよう強く訴え、質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣柴山昌彦君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 斎藤嘉隆

speaker_id: 25748

日付: 2019-04-19

院: 参議院

会議名: 本会議