根本匠の発言 (本会議)
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○国務大臣(根本匠君) 礒崎哲史議員にお答えをいたします。
一般事業主行動計画の策定における労使協定についてお尋ねがありました。
一般事業主行動計画の策定における労働組合の関与については、労働政策審議会の議論においても、労働組合の関与が必要という意見があった一方で、行動計画は基本的に人事に関する内容であり、経営の専決事項とも言えるため、内容によっては労働組合の関与は難しいとの意見がありました。
このため、労使協定の締結を条件とはしていませんが、現在も、事業主行動計画の策定指針において、一般事業主行動計画の策定に当たっては、労働組合等の参画を得た一般事業主行動計画策定のための体制を設けることが効果的であることや、労働組合等に対するアンケート調査や意見交換等を実施するなど、職場の実情の的確な把握に努めることが重要であること等を規定しており、こうした点をしっかりと周知していきたいと考えています。
セクハラ行為の禁止規定についてお尋ねがありました。
セクシュアルハラスメントの禁止規定については、昨年十二月の労働政策審議会の建議において、民法等他の法令との関係の整理や違法となる行為の要件の明確化等の課題があり、中長期的な検討を要するとされました。一方で、職場におけるセクシュアルハラスメントは、労働者の尊厳や人格を傷つけ、職場環境を悪化させるものであり、あってはならないものです。
政府提出法案では、セクハラ対策の実効性の更なる向上を図るため、国、事業主及び労働者の責務として、セクハラは行ってはならないものであり、他の労働者に対する言動に注意を払うよう努めるべきであることを明確化するほか、労働者が事業主にセクハラの相談を行ったことを理由とした不利益取扱いの禁止等を行っており、これによりセクハラのない職場づくりを一層推進してまいります。
セクハラの加害者側企業による被害者側企業への協力の努力義務についてお尋ねがありました。
本法案においては、事業主に対し、他社からセクハラ防止に関する雇用管理上の措置の実施について必要な協力を求められた場合に、これに応じる努力義務を設けております。この措置に含まれる具体的な対応については、当該事案の状況等によって様々なものが考えられます。セクハラ行為の事実確認のほか、再発防止策として加害者側企業にセクハラを止めるように求めることも含まれ得ると考えています。
厚生労働大臣が加害側の企業に指導等を行う仕組みなどを盛り込むことについてお尋ねがありました。
政府提出法案においては、先ほども述べたとおり、事業主に対し、他社からセクハラ防止に関する雇用管理上の措置の実施について必要な協力を求められた場合に、これに応じる努力義務を設けております。一方で、被害者側の企業が加害者側企業に求める協力内容は事案の状況によっても異なることなどから、加害者側企業に特定の措置を講ずる義務を課すこと等については慎重な検討が必要と考えています。また、政府提出法案においては、関係者の責務として、他社の労働者も含め、その言動に注意を払うよう努めるべき旨の規定を盛り込んでいます。
これらを踏まえ、他社の労働者も含め、セクハラ防止に真摯に取り組むべきことについてセクハラ指針で明確化を図り、企業におけるセクハラ防止対策が円滑に進むよう努力してまいります。
取引先等からのパワーハラスメントについてお尋ねがありました。
取引先等からのパワーハラスメントは、社外の相手との関係で起きる問題であり、その対応業務には、一定程度のクレーム対応が内在していることもあることから、どこからが迷惑行為に当たるかといった判断が社内のパワハラ以上に難しいものがあります。また、再発防止まで含めた一連の措置を課すことも難しい面があるため、今回、措置義務の対象には含めないこととしております。
一方で、取引先等からの行為についても、労働者に大きなストレスを与える悪質なケースもあり、安全配慮義務の観点からも、労働者のケアなど必要な対応を企業に促していくことは重要です。このため、パワハラ防止措置に関する指針において相談対応などの望ましい取組を明示し、積極的な周知啓発を行っていきます。
また、本法案においては、取引先間でのハラスメントの防止に資するよう、事業主の責務として、自社の労働者が他社を含めた他の労働者に対してパワハラを行わないように研修等の必要な配慮を行うよう努めるべきことを規定するとともに、労働者の責務として、他社を含めた他の労働者に対する言動に注意を払うよう努めるべきであることも規定しているところであり、こうした責務規定の趣旨も指針に記載し、取引先も含めたハラスメントの防止に関する社会的機運の醸成に努めてまいります。
就活生やフリーランスなどに対するハラスメント防止措置についてお尋ねがありました。
職場におけるハラスメントは、被害者の尊厳や人格を傷つける、あってはならないものであり、これは被害者が誰であっても同様であると認識しています。
本法案では、労働者に対するハラスメントを行ってはならないことや他の労働者に対する言動に注意を払うよう努めるべきことを、国、事業主及び労働者の責務として明確化しています。男女雇用機会均等法等は労働法制であるため、対象は労働者に限っていますが、就活生やフリーランスなど労働者以外の者に対する言動にも同様に注意を払うことが当然望まれます。
さらに、事業主は、ハラスメント防止のための措置義務として、ハラスメントがあってはならない旨の方針等の明確化と周知啓発といった予防措置を講じることとされています。その際、被害者が自社の労働者以外の者の場合でも同様にあってはならない旨を企業が併せて示すようになれば、予防の観点からの対応は相当程度前進するものと考えています。
こうした責務規定の趣旨や措置義務の予防措置に関する企業の対応を促すことができるよう、指針の内容について労働政策審議会においてしっかりと議論を行ってまいります。
悪質クレームの実態についてお尋ねがありました。
昨年、労働政策審議会で職場のパワーハラスメント防止対策の議論を行った際には、顧客からの著しい迷惑行為の実態を把握するため、中小企業団体、業界団体、産業別労働組合や個別の企業、労働組合に御協力をお願いし、パワーハラスメントや顧客からの著しい迷惑行為についてヒアリングを実施しました。その結果、運輸業、小売業、宿泊業などのサービス業、介護業で顧客からの迷惑行為が多く見られたほか、中小企業では取引先からの迷惑行為が多くあることなどが明らかになりました。また、UAゼンセンにおいて行われた御指摘のような悪質クレームに関するアンケート調査の結果についてもお聞きしているところです。
こうした実態を踏まえると、社外の者からの著しい迷惑行為については労働者に大きなストレスを与える悪質なケースもあり、安全配慮義務の観点からも、労働者のケアなど必要な対応を企業に促していくことが重要と考えています。このため、パワハラ防止措置に関する指針において相談対応などの望ましい取組を明示し、カスタマーハラスメントに対する社会の認識を高めていくための啓発等にも積極的に取り組んでまいります。
顧客や取引先からの著しい迷惑行為に関するヒアリング調査についてお尋ねがありました。
昨年、労働政策審議会で職場のパワーハラスメント防止対策の議論を行った際には、顧客からの著しい迷惑行為の実態を把握するため、中小企業団体、業界団体、産業別労働組合や個別の企業、労働組合に御協力をお願いし、パワーハラスメントや顧客からの著しい迷惑行為についてヒアリングを実施しました。
昨年十月時点でヒアリングを実施した四十六の企業や団体の中には、御指摘の小売業四社と宿泊業、飲食サービス業一社のほか、運輸業が二社、不動産業が一社、その他サービス業三社、医療・福祉業三社など、比較的顧客と接することの多い業種、業態が含まれていると考えています。こうしたヒアリング結果も踏まえつつ、審議会において必要な対応について議論が行われたところです。
悪質クレームに関する大規模な調査の実施についてお尋ねがありました。
UAゼンセンが行った労働者等に対する悪質クレームに関する調査の結果については、昨年、労働政策審議会で職場のパワーハラスメント防止対策の議論を行った際に労働側委員から御紹介いただいています。
また、先ほども申し上げたように、企業における顧客からの著しい迷惑行為への対応状況について、中小企業団体、業界団体、産業別労働組合や個別の企業、労働組合に御協力をお願いし、ヒアリング調査を実施し、労働政策審議会で資料として配付しています。
このため、厚生労働省としては、悪質クレーム等の実態も踏まえて必要な対応について議論してきたと考えており、悪質クレームについての新たな調査を行うことは現時点では考えておりません。
また、御指摘の議員立法につきましては、未提出のものであり、コメントは差し控えさせていただきますが、厚生労働省としては、今後、パワハラ防止措置に関する指針において、顧客等からの迷惑行為に関する企業の望ましい取組を明示し、周知啓発に取り組むこととしており、まずはこうした対策に取り組むこととしております。(拍手)
〔国務大臣片山さつき君登壇、拍手〕