小川勝也の発言 (本会議)
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○小川勝也君 立憲民主党・民友会・希望の会の小川勝也です。
ただいま議題となりました国有林野の管理経営に関する法律等の一部を改正する法律案に対し、会派を代表し、農林水産大臣に質問いたします。
JR北海道の路線維持問題はまだ議論の真っ最中ですが、北海道開拓は、新しい大地であったにもかかわらず鉄道の敷設は意外と早く、その理由は、豊富な木材資源を本州に運ぶためだったとも言われています。私に物心が付いた頃、昭和四十年代半ばの記憶は、駅裏の貯木場に積まれた木材、いろいろな合板、割り箸、折り箱の各工場からの白煙でした。
質問準備のため林野庁からいただいた資料を見ますと、昭和四十五年に木材の自給率は五〇%を割り、昭和四十八年に木材が暴騰し、緩やかに外材に依存しつつ今日を迎えていることが分かります。昭和三十六年に木材の増産計画が策定され、昭和四十年代までにたくさん切り、たくさん植え、今、そのときの木がまさに伐期を迎え、この法改正案が提出となったのはほぼ必然と言えるでしょう。
平成七年に国会の議論に参加をさせていただき、平成八年の行革の議論から平成十年の国有林野事業の抜本改革へ。一般会計化を悲願としていましたが、その悲願達成までは平成二十五年までの十五年の時間を要しました。
現地視察に伺うと、間伐、除伐が施されず光が入らない国有林を見せられ、山地災害が起こるたびに山の手入れ不足を指摘され、人員を減らされ続け、間伐予算もままならず、つらい日々を思い出すと、今回の林野庁の威風堂々たる法案提出は隔世の感があり、正直うれしい気持ちでいっぱいです。しかしながら、時代の流れの中でも忘れてはいけないこと、乗り越えなければならない幾つかの課題を厳しく指摘をさせていただきたいと存じます。
まず、第一に指摘しなければならないのは、樹木採取権の設定の最長五十年という驚くべき長さです。樹木の成長に五十年掛かるのはよく承知しておりますし、雇用や高額機械の投資のために長い方がいいという説明は理解いたしますが、余りにも常軌を逸しています。五十年の信用がある企業は特定の大企業だけに限定されるのではないでしょうか。常識の範囲で審査、延長を繰り返すことで何が不自由なのか、納得し難い年限の長さです。分かりやすく説明してください。
この法律は、林業を成長産業にという未来投資会議からの提案を林政審議会を通して出してきました。昨今の悪法は、もうけしか考えない官邸系審議会のよこしまをそのまま法案に出してくることがしばしばあり、それよりはいいということでしょう。言うまでもなく、国有林はもうけの材料ではなく、水源の涵養等を始めとする森林の多面的機能をしっかり守ることが必要です。そして、伐採後、植林すれば、その後手入れをしっかりするという条件はあるものの、五十年、六十年後に木材利用が可能で、その恵みは国民全体で分かち合いつつ、そして少し多めに山元に利益をということだろうというふうに思います。未来投資会議での議論、林政審議会での議論を吉川大臣に御紹介いただいた上で、大臣の考える国有林の役割について御答弁をいただきたいと思います。
この法改正の肝は、山元をどう元気にできるかということだと思います。五十年、六十年前に栄えた山元にはかつてのにぎわいはありません。国有林の近くで素材生産を続けてきた会社が多数存在します。大企業ではなく、これらの地場企業が人を雇用し、機械に投資し、頑張る姿をこの法案はいかに担保していますか、お答えください。
平成の大部分、非地元の中堅企業が国有林の仕事を受注し、地元企業が下請に甘んじざるを得ないという話を何度となく聞いてきました。工夫と対策はありますか、お答えください。
冒頭お話をさせていただいたとおり、昭和五十年代以降、我が国の林業は停滞期にあり、先進国の林業に大きく水を空けられました。その要因は、道、機械、労働安全衛生にあります。特に、素材生産、搬出の効率化を進めるに当たって、高性能林業機械の導入は不可欠であります。国産の高性能林業機械の開発は進んでおらず、また外国製機械は高額であるため、その導入は中小企業にとって高いハードルとなっています。グループ化、組合化などにより中小事業者が高性能機械にアクセスできるような、そんな配慮が必要と考えますが、この点についての答弁を求めます。
また、価格のみならずメンテナンスの面からも、国産の林業機械の開発も求められています。取組はいかがでしょうか。
林道、作業道、路網整備について伺います。
オーストリア、ドイツなどの林業先進国に比べ、我が国は台風、モンスーン地域にあり、林道、作業道などのコストがかなり違うことを理解しております。しかしながら、搬出コストを下げるには道幅が広い方が有利で、スピードを上げるには、クローラーといいますけれども、キャタピラのようなものからホイール、タイヤ型の機械が使えるような道が必要になってきます。さらに、機械が普及すればするほど森林管理署に道をもっと整備してほしいという要求が高まってくることが予想されます。これまでの路網の整備状況とこれからの課題について認識を伺います。
林業を活性化させる上での最大の課題は人手不足です。各地に林業大学校的な人材育成機関が設立されてきました。大変喜ばしいことです。しかしながら、造林、植林、地ごしらえ、下草刈りの作業は大変厳しく、機械化が遅れれば有為な人材を失うおそれがあります。また、他の流通、運輸分野の人手不足は深刻です。中でも、最も危険で熟練の技が必要な木材の搬出の人材をどう確保するのか、この問題は極めて深刻です。伐採と集材の機械化はある程度進んできましたが、困難を要する植林等の分野への機械化と人材不足への取組を伺います。
また、製材所の分布は最盛期と比べるべくもなく、山元から消費地までに必要な加工所がないケースも多数あります。言うまでもなく、効率的な流通を考えれば、山元から消費地までの適切な場所に製材や加工の工場の立地が不可欠です。流通、加工分野への取組の遅れについてはどう挽回するおつもりでしょうか、お答え願います。
CLT建築もやっと市民権を得て、公共建築物を木材でという法律もでき、若干の高コストではありますが、木造建築への関心は高まっています。しかしながら、平成十年の建築基準法改正以降、木造建築のバリューが下がり、設計技術者、それを教える立場の人が非常に減っているという調査もあります。木造建築の増加を妨げるこれらの困難に対する今後の取組についてもお伺いいたします。
私は、常々、林業政策の目標を、国産材で戸建て住宅を建ててもらえるようにすることと訴えてまいりました。顧客も国産材の住宅に高い関心を持っていると言われていますし、大手ハウスメーカーの方々も、品質、ロットがそろい、価格差が微少であれば輸入材から変更したいという声も多数聞いてまいりました。人工林の五十分の一は利用可能ということであれば、今後、人口減少で住宅着工件数は減少傾向にあるとはいえ、付加価値を国内へという意味では最大の効果が期待できると考えます。この目標に向けての大臣の決意を伺います。
最後に、国有林のあるべき姿について伺います。
今、伐期が来たから現世代が利益を得る、ひたすらもうけの材料にする、この考え方は間違っていると思います。改めて国有林の役割の確認を大臣にただし、さらに、国有林の将来に向けてのあるべき姿を吉川大臣に伺います。
この法案をもって所属する農林水産委員会の閣法審議は終わります。何を慌てているのか、今週の木曜日、すなわちあしたと来週の火曜日までの審議はもう決まっています。
解散風が吹こうとしています。解散があろうが、ダブル選挙になろうが、参議院選挙単独になろうが、予算委員会を開かない、この政府・与党の暴挙は許すことができません。逃げ切ろうという暴挙は絶対に許されません。政府・与党は予算委員会を開催すべきということを強く訴えまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣吉川貴盛君登壇、拍手〕