川田龍平の発言 (本会議)

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○川田龍平君 川田龍平です。
 質問に先立ちまして、昨日の川崎の痛ましい事件により亡くなられた方の御冥福をお祈りするとともに、被害者の方へお悔やみと、被害の一日も早い回復を祈ります。
 また、昨日の、障害者を含む多くの被害者に不妊手術を強いた旧優生保護法は、個人の尊厳の尊重や幸福追求権を保障した憲法十三条に違反するとした一審判決が仙台地裁で出されました。
 子供を産み育てるかどうかを意思決定する権利、性と生殖に関する権利、リプロダクティブヘルス・ライツを明確に認めた判決でありますが、国内ではリプロダクティブライツをめぐる法的議論の蓄積が少ないため立法措置を怠った国会の責任を問わないとしたことについて、私は、議論を深められず立法できなかった立法者の責任を自覚するとともに、除斥によって賠償について認めなかったことは大変残念でなりません。引き続き、立法者としての責任を果たしたいと思います。
 以下、立憲民主党・民友会・希望の会を代表して質問いたします。
 我が国は、二〇一四年、世界に向かって非常に大切な意思表示をしました。全ての障害者が人権や基本的自由を完全に享有するための措置並びに障害者の固有の尊厳の尊重について定めた障害者の権利に関する条約に批准したのです。障害を理由とするあらゆる差別の禁止や合理的配慮を提供する、そうした社会を世界のほかの国々と共に目指しますというすばらしい表明でした。
 それだけに、昨年問題となった各省庁や地方自治体における障害者雇用水増し問題は、国際社会を始め、多くの日本国民や企業の人事担当者、そして何よりも当事者である障害者の人たちを大きく失望させました。私自身も障害を持つ当事者の一人ですが、立法府にいる一人の人間として、これは我が国にとって非常に危機的な状況だという前提で質問いたします。
 まず、省庁における障害者雇用の現状についてお伺いいたします。
 先日、第一回障害者選考試験が行われました。応募者数は八千七百十二人のうち、合格者数は七百五十四人です。本年度の障害者選考試験の予定数は六月に公示するとのことですが、この試験では何人程度の合格者を予定しているのでしょうか。
 受験資格を見てみますと、身体障害者手帳等、療育手帳等、精神障害者保健福祉手帳のいずれかを所持する障害者の方となっています。しかしながら、手帳を所持されていない又は所持できない障害者の方もたくさんいらっしゃいます。国家公務員として働くことを望む全ての障害者の方が受験できるように、障害者手帳の有無に限定することなく、受験資格をひとしく与えるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 また、第一回の試験合格者のうち、採用辞退者の人数と、その理由をお聞かせください。
 合格者の職務内容は、定型的な事務をその職務とする係員ですが、今後、能力、適性に応じた職務内容の変更や昇進なども視野に当然入っていると理解してよろしいでしょうか。
 そして、今回の試験は一般職対象ですが、以前の上級職、国家Ⅰ種である総合職の方はいかがでしょうか。昨年度の総合職試験において、障害者の方の応募人数と採用者の人数をお聞かせください。
 今回の合格者数を見ると、精神障害者、身体障害者がほとんどを占めており、知的障害者の合格者は全合格者の〇・四%とごく少数に限られております。受験申込者数のうち知的障害者の比率が三・四%にすぎないこともあり、今後の対応についてお伺いいたします。
 受験に際して、受験者個々人により、障害の程度、その他の事情が異なっているため、各々の障害者に合理的な配慮がなされるべきであると考えますが、実際にはそのような合理的配慮はなされたのでしょうか。
 次に、中小企業における障害者雇用についてお伺いいたします。
 障害者雇用は、単純に募集、採用すればおしまいではなく、障害者の方々が働きやすい環境を整え、その職場に定着していただかなければなりません。しかしながら、省庁や大企業と違って社員数の少ない中小企業では、一人一人の業務範囲が広い一方で、障害のある方を採用しても、物理的にお願いできる仕事が限られることも出てきてしまいます。
 この問題を解決するためには採用段階での調整が不可欠ですが、ハローワーク等で障害者の方の求職についてどのようなマッチングを行っているのでしょうか。
 もう一つ、国のやり方で中小企業の障害者雇用を阻んでいる最大の問題があります。中小企業にとっての死活問題である財源の問題です。
 現在の日本で中小企業が置かれている状況は非常に厳しいため、障害者雇用を希望しても、経営上難しい企業に対しては国が助成を行っています。ここまではいいのですが、問題は、この助成金の財源に法定雇用率が達成できなかった企業から集めた納付金を充てていることです。
 中小企業に法定雇用率を達成しろと言いながら、経営が苦しくて達成できない企業から納付金を取り立てて更に経営を圧迫させられれば、障害者の採用はますます遠のきます。この財源設定自体が非現実的で、本末転倒ではないでしょうか。
 本来のゴールは、我が国が障害を持つ国民にひとしく就労の機会がある社会になることです。そうであるならば、中小企業に身を切らせるのではなく、全ての企業が法定雇用率を達成できるよう、まずは国が安定した財源を別途確保する制度に再構築すべきと考えますが、厚生労働大臣の考えをお聞かせください。
 また、採用された障害者の方々が職場に長期間定着できるような制度設計も必要です。企業側も短期より長期間勤められる人材を求めていますが、障害者の方々の場合は、健常者と心身の条件が違うため、それを理由に仕事が長続きしないケースが多々あります。これは、障害者本人の自信喪失というだけでなく、社会にとっても損失となり、早急にフォロー体制を整備しなければなりません。
 例えば、障害を持つ従業員のメンタル面をケアするカウンセラー雇用を併せて義務付け、その費用は国が助成するという体制を構築してはいかがでしょうか。
 続いて、法定雇用率を算定する際の障害者の定義についてお伺いいたします。
 この度の水増し問題で、障害者手帳を所持していない難病の一つである1型糖尿病の患者の方がカウントされておりました。
 1型糖尿病のような難病の方や、発達障害、軽度の知的障害や、軽度の難聴などの聴覚障害の方たちの中には、障害者手帳を取得したくても取得できない方がたくさんいらっしゃいます。障害者手帳を持てない障害者の方々は、社会生活と機能上の障害の関係によって、手帳を持つ障害者と同じように働きづらさ、生活しづらさを抱えています。しかし、手帳がないために社会的配慮の外にいます。
 障害者権利条約や障害者基本法における障害者の定義は、身体、精神、知的障害のみならず、社会生活上の障壁を持つ者としています。しかしながら、現在、我が国の障害者認定制度は、医学的な見地や機能障害の程度を判断基準としているために、同じ状況で苦しんでいるにもかかわらず、手帳を持たないために、ハンディを考慮した障害者枠で求職することができません。
 障害者雇用水増しも大きな問題ですが、もう一つ、今の社会の状況と大きくずれてしまっているこの問題、障害者雇用促進法上の法定雇用率の障害者の定義についても見直しが必要だと考えます。障害者基本法及び障害者雇用促進法の障害者の定義や、障害者雇用に関する支援策、そして障害者手帳を所持していなくても利用できるものもあることを踏まえて、手帳を持つ者のみを対象とする現行法を、手帳を持っていなくても、障害により就労が困難だったり支援を必要としている障害者も含めるべきではないでしょうか。
 障害者手帳を取得できない障害者も合理的配慮を受けながら働くことができ、職場に定着できるようにすることは、全ての障害者が人権や基本的自由を完全に享有するとしている障害者権利条約に沿うものであって、また、少子高齢化が進み、人口減少が現実化する我が国の経済活性化にもつながるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。
 続いて、障害者活躍推進計画について質問いたします。
 今回の法改正に当たり、まず前提として、私がこの議場で何度も繰り返し訴えている最も重要な要素が抜け落ちています。障害者権利条約のスローガンを御存じでしょうか。私たちのことを私たち抜きで決めないでほしい、その言葉です。
 今回の法改正で、行政に障害者活躍推進計画の作成、公表の義務化とともに計画の策定をさせるのですが、策定に関与する人員について特に記載がありませんが、なぜ肝腎の当事者である障害者がメンバーに入っていないのでしょうか。今この国の多くの問題の根本は、法律を作る際に、その法律によって最も大きく影響を受ける当事者がメンバーから外されていることです。これは、障害者雇用のみならず、農業、医療、食、教育、全ての分野において言える最大の問題の一つだと考えます。
 障害者活躍推進計画の策定に当事者を入れるよう強く求めますが、厚生大臣、いかがでしょうか。
 また、年一回の計画内容を公表する際、差別禁止指針及び合理的配慮指針を基準とし、各自治体が定めている受験資格や採用試験の実施方法、採用後の労働環境等の実態を調査し、その結果公表と改善策についてを盛り込むべきと考えますが、いかがでしょうか。
 障害者の雇用促進から得られるメリットは、大切な社会の一員としての障害者のモチベーション向上や経済活性化だけではありません。全ての国民を同じ命として尊重し、平等に扱い、多様性と共生の中で誰もが生きていてよかったと思える幸福な社会に日本がなること、そういう社会を共につくろうという国際社会のコンセンサス、障害者権利条約を尊重する国として世界に胸を張っていくために、日本が今内側から変わるべきときだということです。
 そのことを障害を持つ当事者の一人として強く主張して、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣根本匠君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 川田龍平

speaker_id: 22154

日付: 2019-05-29

院: 参議院

会議名: 本会議