石上俊雄の発言 (本会議)

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石上俊雄君 国民民主党・新緑風会の石上俊雄でございます。
 会派を代表して、ただいま議題となりました障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案について質問を行います。
 まず冒頭、昨日、神奈川県川崎市において連続殺傷事件が発生し、近くの学校に通う小学生など十六人が負傷、小学生お一人を含む二名の方がお亡くなりになるという痛ましい惨事となりました。犠牲となられた方々に心よりお悔やみ申し上げ、被害に遭われた全ての方にお見舞いを申し上げます。子供たちの未来を守るために、全国の小中学校での登下校時における安全の確保、事件の迅速な全容解明を強く強く求めてまいります。
 そして、もう一件、本題に入る前にこれも言っておきたい。
 今回のトランプ大統領訪日に際しての、安倍総理を中心とする、選挙を意識してかどうかは知りませんが、メディア対策の過剰演出、そして、やったふり外交。本当にうんざりです。ゴルフも相撲も炉端焼きも、交渉相手を攻め落とす外交上の舞台装置なのでしょうが、貿易交渉の行方がこれだけの日米間の中心的課題となっている今、共同声明は出さない、それでいて先方にはツイッターで、日本との貿易交渉で大きな進展を得つつある、特に農業と牛肉の分野だ、多くの成果は七月の選挙後まで待つ、大きな数字を期待しているとつぶやかれ、一体これは何ですか。何か密約でもしたんですか。
 一刻も早く予算委員会を開催し、トランプ大統領との会談がどのような方向になったのか国民の前で明らかにする責務があると申し上げ、以下、法案に対しての質問をさせていただきます。
 日本における法定雇用率は、昨年四月に〇・二%引き上げられ、現在、国及び地方公共団体において二・五%、都道府県等の教育委員会において二・四%、民間企業において二・二%となっております。本年四月九日に公表された平成三十年障害者雇用状況の集計結果によれば、民間企業に雇用されている障害者は十五年連続で過去最高を記録しております。
 平成三十年の障害者雇用状況について、法定雇用率の引上げ等による影響はどの程度あるのか、厚生労働大臣にその分析についてお伺いします。
 このように、民間企業が障害者雇用に取り組み、障害者雇用の機運が社会的に大きく高まっているさなか、よもやあろうことか、昨年の八月、国及び地方公共団体における多くの機関が長年にわたって障害者雇用数を水増し計上していた問題が判明しました。障害者の方々や家族を始め国民に与えた怒り、不信感の大きさは計り知れません。
 厚生労働省におかれましては、二度と同様の問題は発生させないという猛省と決意の上で本案を提出されたと理解しておりますが、厚生労働大臣に本法案が規定する主な再発防止策について御説明願うとともに、再発防止に向けた大臣の強い決意をお聞かせください。
 日本と同様に障害者雇用率制度、障害者雇用納付金制度を採用しているフランスでは法定雇用率が六・〇%、ドイツでは法定雇用率が五・〇%となっており、日本を大きく上回っております。対象となる障害者に違いが見られるなど、制度上において単純な比較は困難ですが、日本の法定雇用率は低いとの意見を持っている方もいます。
 一方、昨年七月三十日に公表された今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会の報告書にもあるように、法定雇用率は、労働市場全体における障害者の労働者や失業者の割合を導き出す計算式の結果に応じて決めるという、障害者雇用の進展状況と法定雇用率の見直しの動きが相互に連動する仕組みであり、企業が障害者を雇用すれば雇用するほど法定雇用率が上昇していく仕組みとなっています。研究会の報告では、今後も過去にない頻度で連続して法定雇用率が上昇していく可能性があるとしていますが、受入れ側である企業の対応が追い付かない懸念もあります。
 現在の法定雇用率についての評価、計算方法の妥当性及び見直しの必要性について、厚生労働大臣の見解をお伺いします。
 常用労働者百名以上を雇用する事業主におきましては、法定雇用率が未達成の場合、障害者雇用納付金を徴収されます。一方、国及び地方公共団体においては、これまでそれに該当するものがありませんでした。フランスやドイツにおいては、公務部門においても、法定雇用率が未達成の場合、納付金を納付する必要があります。
 本年三月十九日、公務部門における障害者雇用に関する関係閣僚会議は、「「公務部門における障害者雇用に関する基本方針」に基づく対策の更なる充実・強化について」において、各府省等において法定雇用率が未達成の場合に、法定雇用者数に不足する障害者数一名につき年六十万円を翌年度の庁費の算定上減額することとしました。
 これまで日本ではなぜ公務部門において障害者雇用納付金を納付する必要がないとの考えに基づいてきたのか、厚生労働大臣にお伺いします。
 また、翌年度の庁費を減額することとした理由、減額された庁費分はほかの費用ではなく障害者雇用のための費用として使われるのか、減額された組織内において使うこととなるのかについて、厚生労働大臣及び財務大臣に御説明を願います。
 民間企業全体における障害者の実雇用率が二・〇五%である一方、従業員が四十五・五人から百人未満の企業で一・六八%、百人から三百人未満の企業で一・九一%となっており、大企業と比較して、中小企業の障害者雇用は少しずつ進展しているものの遅れている状況にあります。また、従業員が四十五・五人以上の企業において、障害者を全く雇用していない、いわゆる障害者雇用ゼロ企業は昨年六月時点で三万社を超えておりますが、そのほとんどが中小企業であります。
 改正案では、障害者雇用の促進等に関する取組が優良な中小企業主に対する認定制度を創設することとしております。そこで、厚生労働大臣にお伺いします。
 中小企業が認定を受けることで具体的にどのようなメリットが得られるのでしょうか。
 また、認定制度は社会的に広く浸透しなければ高い効果が望めないと考えます。認定制度の対象を中小企業に限定することで、かえって社会全体への認知度が低くなるおそれがあると思われますが、なぜ中小企業に限定しているのか、理由を御説明願います。
 あわせて、今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会の報告にもありますように、障害者雇用に取り組む企業の設備の整備等に対する政策金融における低利融資の実現、公共調達における積極的評価といったメリットを新たに付与することは、より強力なインセンティブになり得ると考えますが、御見解をお伺いします。
 さらに、中高年齢層の障害者について、今後の障害者雇用促進制度の在り方に関する研究会の報告書でも指摘されますように、特に知的障害者や精神障害者の雇用が若年層と比較して限定的となっています。また、障害者は、加齢に伴って体力に課題が出るケースも多いとされ、比較的引退時期が早くなっています。報告書では、体力等が低下するよりできる限り事前の段階から、本人の希望や適性等を踏まえ、体力等の制約の下でできる仕事への移行を目指すこと、配置転換も視野に入れた職業訓練の促進等によるキャリア形成の促進を図ることが重要と指摘しています。
 公務部門における障害者雇用数の水増し計上問題を受け、新たに障害者を四千名雇用することとし、既にそのうち三分の二の雇用が行われたと承知しておりますが、そのうち中高年齢層の障害者はどの程度いらっしゃるのでしょうか。厚生労働大臣にお伺いします。
 また、公務部門においては、中高年齢層の障害者、特に知的障害者、精神障害者の方々の雇用を促進し、できる限り長く働いていただける環境整備を率先して行うことにより、社会に広く啓発していく必要があると考えますが、厚生労働大臣の見解をお伺いします。
 今回の改正は、不適切水増し問題の影響もあって、その再発防止策が中心となっております。一方で、自宅や就労施設等での障害者の就業機会の確保、通勤支援の在り方、除外率についての議論など、障害者雇用について多くの重要な課題が積み残されてしまったことは誠に遺憾であると言わざるを得ません。
 また、一番憂慮されるべきは、国、地方公共団体が、水増し計上問題によって障害者の方々の雇用の機会を奪い、障害者の方々、民間企業を始めとする国民の信頼を失ってしまったことにあります。一度失った信頼を再び得るための道のりは容易ではありません。
 私たち国民民主党は、綱領に掲げる「誰もが排除されることなく、互いに認めあえる共生社会」の実現のため、障害者雇用対策に全力で取り組んでいくことをお約束申し上げ、私の質問とさせていただきます。
 どうも御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔国務大臣根本匠君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 石上俊雄

speaker_id: 25164

日付: 2019-05-29

院: 参議院

会議名: 本会議