清水貴之の発言 (本会議)

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○清水貴之君 日本維新の会・希望の党の清水貴之です。
 私は、会派を代表して、ただいま議題となりました児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律案について質問をいたします。
 昨年三月に目黒区で起きた虐待による死亡事案においては、亡くなった女児が両親に宛てた手紙が、良い子になるから許してほしいという痛ましいものであったこともあり、日本社会の中に親による子供の虐待という問題をクローズアップさせました。
 この事件をきっかけに国及び地方自治体において虐待への対策が検討されているさなかの今年一月に、野田市において虐待による死亡事案が起きました。
 両事案とも、虐待の発覚を恐れた親が転居したと思われること、転居前後の児童相談所間の連携の在り方が問われることとなりました。
 日本維新の会は、児童虐待を防止する観点から、児童福祉司等の設置基準の法定化や、児童養護施設及び里親への一時保護委託も含めた一時保護の受皿の整備、一時保護所内でのいじめ、虐待の防止など、保護を受ける子供の立場に立った修正を要求し、修正案として反映されたことについて一定の評価をしていますが、反映されなかった課題も残っていることを指摘した上で、質問に入ります。
 本改正案は、「児童の親権を行う者は、児童のしつけに際して、体罰を加えることその他民法第八百二十条の規定による監護及び教育に必要な範囲を超える行為により当該児童を懲戒してはならず、当該児童の親権の適切な行使に配慮しなければならない。」こととすることとしています。親権のある親による虐待を想定した法律案になっているわけです。しかし、実際の児童虐待は懲戒権を持っていない内縁の夫や親権者以外の同居人によって行われることも想定すべきと考えます。仮に、あの家庭では虐待しているのではないかということを近隣世帯の住民が疑いを持ったとしても、一般の家族と同じように暮らしていれば、その関係が内縁か、それとも法的なものかどうか、親権を持ち懲戒権を持つ親かどうかということは判別することはなかなかできません。
 そこで、総理に質問します。児童虐待の発生を防止するために、児童虐待罪の創設や厳罰化を進める必要があるのではないでしょうか。
 先ほど述べましたように、目黒区と野田市の両事案においては、転居前に対応していた児童相談所から転居地の児童相談所に適切に引き継がれなかった問題があります。担当していた児童相談所がどんなにその子供の情報を把握しても、転居で別の児童相談所の担当になった瞬間に、その子供に関しての情報を一から把握することになっていては、また重要な情報が引き継がれなければ、情報を把握することに時間が掛かってしまいます。そして、その子供への適切な対応を行うことを決めるにも時間が掛かってしまいます。その間にもまた虐待が起きてしまったことが今回の両事案です。
 この最初に対応した児童相談所が把握した情報を、素早く適切に次に対応する児童相談所に引き継がなければなりません。そのためには、個別に情報を引き継ぐよりも、児童相談所が把握した情報を統一した様式で集約し全国的にデータベース化して、児童相談所相互に情報の共有を進めることが必要であり、適切であると考えます。
 総理に伺います。児童相談所間の情報共有をどのように進めていくのでしょうか。具体的手法についてお答え願います。
 次に、児童相談所と警察の関係について伺います。
 児童相談所の業務として児童の安全確保が明文化されますが、それを実行する上では、地域との連携強化や警察との協力関係の強化が必要です。しかし、福祉分野においては、警察との連携を避ける傾向があり、また連携を行っても、児童相談所から警察に情報提供される対象が限られ、情報共有を行うか行わないかの切り分けが現場の属人的な判断に依存してしまうことで、漏れ落ちた案件が凄惨な事件にまで発展してしまうリスクを排除できません。
 児童相談所には強い権限がありますが、その上に警察の協力を加えることで、虐待する親の圧力に屈することなく強力に児童の生命を守ることができるようになります。児童相談所と警察が児童虐待の情報を全件共有することができれば、子供が虐待に遭っている事案が漏れ落ちることはありません。既に、大阪府、神戸市を始めとする幾つかの自治体では、児童相談所と警察の連携や児童虐待の全件共有を含む組織的連携が効果的に進んでいます。
 総理に伺います。児童相談所と警察が今後どのような方法で連携関係を築いていくのでしょうか。また、児童相談所と警察の児童虐待の全件共有についてどのようにお考えでしょうか。
 地域ぐるみ、社会ぐるみで子供を虐待から守る仕組みは更に推し進める必要があります。その中心に児童相談所がある以上は、児童相談所に業務が集中することは否めません。児童虐待を防止する観点からは、これまで以上にきめ細やかな対応が求められる反面、業務が集中し過ぎて本来求められる対応まで行えないおそれもあると考えられます。そこで、地域ぐるみ、社会ぐるみという視点からも、児童相談所の業務の一部について市町村や民間団体等への委託の推進が検討できると思います。
 総理に伺います。児童相談所の業務の一部について、市町村や民間団体等への委託を行い、児童相談所に業務が集中している状況を改善する方式についてはどのようにお考えでしょうか。
 地域ぐるみ、社会ぐるみで子供を虐待から守る仕組みを更に推し進める視点から、もう一点お伺いをします。
 千葉県野田市の児童虐待死亡事案においては、児童虐待だけではなく、父親から母親へのドメスティック・バイオレンスがあったことが明らかになっています。転居前の沖縄県糸満市から千葉県野田市にDVがある事実を引き継いでいましたが、野田市においてはその情報を児童相談所や警察などで構成される要保護児童対策地域協議会に伝えられなかったことが報道されています。
 児童虐待が疑われると同時にDVが行われているケースは、父親による児童虐待に対して母親による保護が期待できず、児童にとっては極めて深刻な状況になってしまいます。このような状況こそ行政が把握し、児童の命を守るため、最善の努力をする必要があります。
 要保護児童対策地域協議会は、児童相談所などの行政機関、学校、幼稚園、保育所などの関係機関、医師会、弁護士会などの関係団体などにより構成されています。その関係機関の一つである配偶者暴力相談支援センターは全国で二百八十七か所ありますが、同協議会に関わっているケースは九・二%しかありません。
 総理に伺います。配偶者暴力相談支援センターが構成員になっている要保護児童対策地域協議会が九・二%にすぎない現状をどのように考えていますか。
 児童虐待と配偶者暴力は、対策する機関が垣根を越えてお互いに協力することによって、より効果のある人命の保護と虐待の防止を実現するものと考えます。政府として、両機関を統合的に運用できる合同協議会の設置等について検討されているのでしょうか、御回答願います。
 子供には無限の可能性と明るい未来があります。児童虐待で子供の未来を奪うことはできません。社会全体で子供を守る仕組みをつくること、社会全体で子育て世代を支援していくことが豊かな未来につながると考えます。そのために、私たち日本維新の会は、子供を守る仕組みをつくることと子育て世帯に対する手厚い支援を行っていくことを主張いたしまして、私からの質問といたします。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕

発言情報

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発言者: 清水貴之

speaker_id: 28400

日付: 2019-06-05

院: 参議院

会議名: 本会議