辰巳孝太郎の発言 (本会議)

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○辰巳孝太郎君 私は、日本共産党を代表して、金子原二郎予算委員長解任決議案に賛成の立場で討論をいたします。
 金子委員長は、二〇一七年の通常国会において予算委員長に就任をされました。まさに森友事件が起こった年に予算委員長という重責を担われたわけであります。
 その年の三月には、予算委員会として国有地売却の経緯、適正性についての調査を会計検査院に求め、森友事件の真相解明への姿勢を示しました。
 また、八億円値引きの根拠となった工事事業者作成の報告書に虚偽が発見された際、国交省は事業者に直接確認しようとせず事態の幕引きを図ろうとしました。しかし、委員長は国交省に直接指示を出し、その結果、事業者からは試掘写真のデータなどが提出されました。このデータによって地中深くのごみの捏造がより決定的となったのです。
 そして、昨年の総予算審査が終わる直前の三月二十八日には、採決が行われるが、国政上の諸課題がこれだけ山積している状況にあるので、予算委員会は総予算の審査が終了したら終わりということは、私としては全く考えておりませんと発言し、その後の予算委員会の開催につながったわけであります。
 今年の通常国会では、厚生労働省の毎月勤労統計不正が明らかになりました。二〇一八年の東京の大規模事業所の不正調査がこっそり補正されていたことに加え、統計委員会の承認を得ず、ベンチマーク更新の遡及補正がされないまま統計方法の変更がされ、賃金の急上昇を招いた問題です。
 この賃金上昇に官邸が関与していた疑惑は払拭されておりません。だからこそ、委員長は、今年の締めくくり総括質疑の前日にも、総予算審査が終わっても委員会を開くことはできるので協議をしていただきたいとまで述べていたのです。
 その後も、採算が取れないと凍結されていたにもかかわらず、安倍総理と麻生大臣のそれぞれの選挙区を結ぶ道路建設を進めようとする、いわゆるそんたく道路問題など、露骨な利益誘導の政治が明らかになり、予算委員会の開催の必要はより一層高まりました。
 ところが、その後も与党は予算委員会の開催に応じることはなく、時間だけが過ぎていきました。その結果、我々野党は、四月の十二日、参議院規則第三十八条二項の規則に基づき、委員の三分の一以上をもって予算委員会の開会要求を委員長に行うに至ったのであります。
 ところが、金子委員長の対応は信じ難いものでした。委員長は、予算委員会を開催したとしても自民党が出席しないと言っているので、委員会は開催しないという姿勢に終始したのであります。
 そもそも、委員会の開会は委員長の権限であり、参議院規則第三十八条二項は委員の要求権を定めたものであります。委員長は、与党がどういう態度を示そうが、委員の三分の一以上の要求があれば、それに応じて委員会を招集し、実際に開会しなければならないのです。そうでなければ、重大な法令違反です。委員長は、官邸と与党の言いなりになり、理由にならない理由で参議院規則に背き、その職責を果たそうとしなかったのであります。その結果、このような形で解任決議を提出する事態に至ったことは、誠に残念でなりません。
 与党、金子委員長の姿勢は、行政監視機能の強化について、参議院改革協議会において与野党が何度も議論を重ね一致した結論の中身とも矛盾します。
 当協議会において、自民党の議員からは、行政監視機能を強化するためには、行政監視委員会のみならず、参議院全体として真摯に取り組む必要がある、行政の活動は国会の開会、閉会にとどまらず常時行われていることに鑑み、これを監視する参議院の活動も一年を通して常時行われるべきとの発言がありました。
 また、公明党の議員からも、なぜ今参議院で行政監視機能の強化に取り組むのか、官僚の天下りや行政文書の取扱いなどに対して国民の目は厳しい、立法府からの行政監視が今こそ求められている、行政を常時監視することが重要であるとの発言もありました。
 政権全体に関わる大問題が起きているときに総理出席の予算委員会を開いてただすことは、行政監視にとっても最も重要なことであります。当協議会における議論と結論に責任を持つならば、与党は予算委員会の開催に合意するのは当然ではありませんか。与党諸君の言行不一致も甚だしいと言わなければなりません。
 予算委員会開催要求後も、議論すべき国政の課題は積み上がっていきました。
 いつの間にか全島どころか二島返還すら危ぶまれるようになってきた北方領土問題、農産物貿易などで日本が米国に大幅譲歩を約束した疑念が出ている日米交渉など、これらは、外交演説すらなく、国会に全く説明がないじゃありませんか。
 それだけではありません。米中貿易摩擦による日本経済への影響、景気動向指数において六年二か月ぶりに悪化の指標が出たにもかかわらず強行しようとする消費税増税など、予算委員会を開いてたださなければならない諸課題が山積しています。
 参議院選挙が間近に迫った今、国政の争点を国民に示した上で国民からの審判を得る責任が国会にはあるのではないですか。
 六月に入ってからも重要な三つの政治課題が浮上をしました。
 一つは年金問題です。
 老後二千万円の蓄えが必要とした金融庁の審議会報告書を、麻生金融大臣が、政府のスタンスと異なる、あるいは誤解と不安を広げるなどとして受取を拒否してきた問題であります。
 政権の姿勢に対して、納得できないとする国民が七割にも上ります。事実を隠蔽し、ごまかすために報告書を受け取らないという対応を取ることこそが、不安と不信を広げていると言わなければなりません。
 また、報告書に関する質問主意書に対して、答弁できないという驚愕の閣議決定がなされました。金融庁のホームページにも掲載されている公文書を答弁できないとは、一体どこまで国会と国民を愚弄しているのでしょうか。
 結局、百年安心の年金は、制度維持の話であって、国民に百年安心できる水準の年金を保障するものではないということが浮き彫りになったのです。年金の現状から目を背けることなく、国民の老後を支える年金制度とするためにどうするか、徹底議論が予算委員会で必要ではありませんか。
 二つ目は、陸上配備型迎撃ミサイルシステム、イージス・アショアの問題であります。
 この配備先を決める調査が大変ずさんなものであったことが分かりました。高さと距離の縮尺が異なることに気付かず、仰角を誤ったという信じ難いものであります。また、新屋に配備するには津波対策が必要であるにもかかわらず、それを隠蔽していたことも明らかになりました。
 政府は、新屋が適地であるという根拠が崩れた後も新屋配備の姿勢を崩さず、それが地元の方々や国民に、新屋ありきではないかという不信を抱かせています。調査がいいかげんなものであっても、地元の合意が得られなくても、アメリカの意向に沿って配備を強行する政府の姿勢は、全く許されるものではなく、徹底な議論が必要であります。
 三つ目は、国家戦略特区ワーキンググループをめぐる疑惑です。
 ワーキンググループ座長代理の原英史氏と深い関係にある特区ビジネスコンサルティングが、原氏の指南も受けて特区提案をし、コンサル料も受け取っていた問題で、この提案ヒアリングそのものが隠蔽されていたことが野党の追及で明らかになりました。
 加計学園をめぐる問題で、安倍総理はワーキンググループについて、透明性の高い仕組み、全て議論はオープンと答弁していましたが、全くのうそっぱち、真っ黒闇のブラックボックスではありませんか。疑惑の解明と国家戦略特区の在り方そのものについて徹底した議論が、これも予算委員会で必要であります。
 これら多岐にわたる問題を議論するのは、総理も含め各大臣が出席する予算委員会しかありません。官邸と与党が予算委員会の開催に合意しないのは、これらの議論から逃げるためであることは明らかではありませんか。
 そして、金子委員長が予算委員会の招集を拒否し続けることは、国民の知る権利を阻害するものであり、言論の、良識の府たる参議院の権威を失墜させるものにほかなりません。
 官邸と与党の忠実なしもべでしかない金子委員長には公正中立たる委員長の職責は到底果たせないということを述べて、私の委員長解任決議案への賛成討論といたします。(拍手)

発言情報

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発言者: 辰巳孝太郎

speaker_id: 29585

日付: 2019-06-21

院: 参議院

会議名: 本会議