枝野幸男の発言 (国家基本政策委員会合同審査会)
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○枝野幸男君 るるお話をいただきましたが、私の問いかけには正面から答えていただいたと思っておりません。
今回の報告書そのものは、一つの仮定なりモデルを前提として、二千万円というのは、あるモデルに当てはまる人にとっては老後必要な金額ということかもしれませんが、今回のことを契機にして、従来から、それは例えばこの二千万円のケースで想定されている二十万円弱の年金、国民年金の方はとてもこんな金額の年金を受け取っていませんし受け取ることもありません、そうした皆さんたちは、従来から、この年金だけでは老後食べていけないということを意識をしている、あるいは、この年金だけでは食べていけないという中で暮らしておられる。
それから、厚生年金などで一定の年金額を受け取っている皆さんにとっても、既に高齢者になっていらっしゃる皆さんは、今、例えば数百万の貯蓄しかないけれども、今さらふやせと言われても困るけれども、さあ、どうしようかという不安の中に過ごしておられる。
そこにこうした報告書が出てきたことに対して、じゃ、その貯蓄がない人たちはどうしたらいいんだろうかということに対しての答えの前に、その報告書自体がなかったことにしてしまうという姿勢は、これはやはり高齢者の抱えていらっしゃる不安に対して正面から受けとめているということにはならないというふうに思っています。
年金制度については、確かにこれを改革しようと思えば長期的な期間が必要になります。現に、年金を受け取っていらっしゃる方の年金を大幅に上げるということは、現実的になかなか難しいことであるということをよくわかっています。
ただ、やれることがあるのに、僕はやれていないというふうに思っています。
それは、もちろん年金生活者の中にも、まさに多種多様でありますから、それこそ国民年金で食べていくことも今できていないというような方にとっては、年六万円とはいえども、私はそのこと自体は評価をしたいと思いますが、そうした方々を含めて、一定程度の年金を受け取っていらっしゃる方を含めて多くの皆さんの抱えている課題は、健康な間は何とかなるかもしれない、ただ、最大の不安は病気になったときの医療費であり、あるいはそのことによって介護が必要になったときの介護、あるいは、更に年齢を重ねたことによって、病気でなくてもやはり介護の必要度というのは高まっていきます。
今、健康だからこの年金で何とかやりくりしているけれども、病気になったり介護が必要になったときというものの不安が大変大きい、これに私は向かい合う姿勢が今求められているというふうに思っております。低年金であっても資産がなくても、万一のときに一定の医療や介護が受けられる安心、このことこそが、私は、多くの高齢者の皆さん、あるいは間もなく高齢者になる皆さんが求めていることだと考えています。
私どもは、そのための総合合算制度を早期に導入するべきであるということを主張をしています。制度ごとに、例えば、医療費の自己負担あるいは介護費用の自己負担などを計算するのではなくて、家計単位で、医療、介護、保育、障害者福祉に関するトータルの金額について自己負担に上限をかける、当然のことながら、年金を始めとする所得に応じて上限をかける、こうした制度をしっかりと導入することによって、年金が低い方でもその範囲で一定の医療や介護が受けられるという安心、これがつくれれば、もちろん年金の額が大きくふえていくことが一番いいことかもしれませんが、それは困難であるということは私もよく承知しています、そうした中で高齢者の皆さんの安心を高めることにつながるんだと、私たちは国民の皆さんに提案をさせていただきたいというふうに思っております。
その前提として、そもそも質、量ともに医療や介護のサービスが不足をしているこの大きな要因は低賃金による人手不足の慢性化であります、介護・医療従事者の賃金を抜本的に底上げをしていくということ、こうした形で、病気になったり介護が必要になったときでも一定の医療や介護が受けられるようなサービスの質、量の安定と、それから、そのときにかかる自己負担の所得に応じた低廉化というものを進めていくべきだと思っています。
ちなみに、医療、介護のサービスを提供している賃金の底上げに係る費用は、直接には、まず一次的に現役世代の皆さんの所得の底上げということに回っていきます。高齢者の皆さんにとってだけではなくて、現役世代の賃金の底上げ、雇用の拡大ということにつながっていくというふうに考えています。
私どもは、今こそこの総合合算制度と、そして医療、介護の質、量ともに、賃金の底上げによる充実というものを進めていくべきだと思っていますが、総理の御見解をお伺いします。