浜地雅一の発言 (憲法審査会)

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○浜地委員 会長、御指名ありがとうございます。公明党の浜地雅一でございます。
 私からは、先週、複数の委員の先生方から言及がございました憲法裁判所について、私の意見を申し述べたいと思っております。
 先週の視察報告では、リトアニアでは、憲法裁判所が憲法保障機能として憲法の安定性に寄与している、そのように視察団の皆様方が伺ったと御発言がございました。また、ドイツのメラース教授から、憲法裁判所に対する強い信頼がうかがわれるとの発言があったことも御紹介をいただきまして、大変参考になりました。欧州各国では、憲法裁判所が憲法保障機能として定着しているということを実感をいたしました。
 一方で、エストニアには憲法裁判所はなく、最高裁の中の憲法審査部が、特定の事件を契機とせずに一般的な憲法判断をするとの御紹介もいただきました。
 当然でございますけれども、違憲審査制のあり方も、国の成り立ちや伝統によって異なることも改めて認識したところでございます。
 翻って、我が国においては、御承知のとおり、日本国憲法が採用する付随的違憲審査制に加えまして、司法消極主義、すなわち、裁判所が立法府の決定を過度に尊重し、違憲性が明白でない限り違憲判断を行わないという態度が基本原理となっておりますけれども、やはり、より国民の人権保障を強化ならしめるために、憲法裁判所の創設も一考に値するものと思います。
 しかし、憲法裁判所の創設を検討する際には、御案内のとおり、さまざまな論点がございます。
 その代表的なものは、裁判の政治化、つまり、国会での政争が裁判所に持ち込まれるのではないかというのがその代表例でございます。これは、司法権の独立との関係でも大変難しい問題があると思っています。
 また、先ほどもございましたが、人材の確保についても検討が必要です。
 周知のとおり、日本の最高裁は、民事、刑事の上告審としての機能が大部分であり、最高裁判事の多くは職業裁判官であります。
 これに対して、憲法裁判所を創設するとすれば、この裁判官には、法律的素養のみならず、大所高所から国家のあり方や行く末を見据えて判断できる素養が求められるわけでございますが、そのような人材をいかにして確保するのかは大きな問題です。
 さらに、先日の奥野幹事からもございましたが、人事の中立性の確保、これも鍵でございます。
 先ほど新藤筆頭幹事から御紹介ございましたが、ドイツでは、連邦議会と連邦参議院が八名ずつ、かつ特別多数で裁判官を選出するなど、各国で工夫があるようです。
 他方、現在の我が国がとる付随的違憲審査制を維持しつつその改善を図る方策も、さまざまな方面から提案されております。この考えは、非常に私個人としては参考になると思っております。
 例えば、以前、当時の憲法調査会に参考人として出席されました畑尻教授は、最高裁の中に憲法裁判を専門に扱う憲法部を創設するという案を提唱されました。これは、先般、視察団から御紹介のありましたエストニアの最高裁の憲法審査部と通ずる面もあると思います。
 また、当審査会に参考人として出席をされました笹田栄司教授は、特別高裁を創設しまして、最高裁の上告審機能をこの特別高裁に委ね、最高裁は違憲審査に集中するという案も提唱されております。また、さらに、笹田教授は、付随的違憲審査制のもとで、最高裁判所が連邦政府からの諮問、照会に対して憲法解釈等を審理し勧告的意見を出すという、カナダの参考意見制度も検討の余地があると述べられました。
 私は、これらは、現在の我が国の付随的審査制を前提に司法消極主義を修正するものとして、更に研究、検討すべき論点だと思っております。
 ただ、いずれにいたしましても、我が国の違憲審査制につきましては、現状の認識やその改善策についてさまざまな立場がございます。改善策の一つとして提唱されております憲法裁判所や憲法審査部の設置については、多岐にわたる論点、検討すべき課題がございますので、これからもこれらの点について皆様方と議論を深めてまいりたい、そのように思っております。
 以上でございます。

発言情報

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発言者: 浜地雅一

speaker_id: 20553

日付: 2019-11-14

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会