齋藤健の発言 (憲法審査会)

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○齋藤(健)委員 佐藤会長、ありがとうございます。
 海外調査を踏まえての自由討議ということでありますので、私からは、教育に関して行われましたドイツにおける直近の基本法改正につきまして、感じることを申し上げたいと思っています。
 先日の御報告や御発言の中で、ドイツでは六十三回もの基本法改正が行われていること、そして、それだけ多くの改正が行われた背景というものには、まず第一に、与野党間の妥協に代表される政治のあり方、足して二で割るというよりも足して倍にするような妥協のあり方でありましたけれども、そういったものが一つ。
 それから、もう一つの背景といたしましては、連邦制における連邦と州の関係というものが挙げられて、六十三回の改正のほとんどは、連邦制からくる連邦と州の権限配分の見直しなどの技術的な改正であった、こういうお話がございました。
 直近の六十三回目の基本法改正につきましても、デジタル教育を含む教育インフラの向上のために連邦から州への財政支援を可能にする、そういう内容であったということで、いわばドイツが連邦制をとっているがために必要となった改正でありまして、我が国では予算措置で実現可能ではないか、そういう御指摘もあったところでございます。
 ドイツにおける教育行政、デジタル教育などについて調べてみますと、ドイツでは、二〇〇六年の連邦制度改革により地方分権の徹底が図られることになりまして、教育分野における連邦政府による財政的な関与が弱まったということがございました。その結果として、ドイツ各州で教育格差が想定以上に広がりまして、学校のデジタル環境にも大きな差が出ている、そういう見方もあるようでございます。
 また、近年、IT技術ですとかICT技術の進展を背景といたしまして、それらを活用したデジタル教育というものが諸外国で取り入れられるようになってきている。デジタル教育には、単に知識や技能を習得するということだけではありませんで、児童の思考力ですとか判断力ですとか表現力の育成、あるいは主体的に学習に取り組む態度の涵養、そういった教育の質の向上、効率化も大いに期待されるところで、私は非常に重要なテーマだと思っております。
 ドイツにおける今般の基本法改正は、このような各州での教育格差を是正するとともに、デジタル教育のためのインフラを強化していくことによって、子供たちに良質な教育環境の提供を目指すというものでありまして、確かに、基本法の改正内容そのものは連邦と州の役割分担を見直すという技術的な改正に見えるかもしれませんけれども、その背景をよく見てみますと、ドイツという国家レベルにおける教育の理想像をいかに実現していくかということが改正の背景に、私は、厳然と存在しているんじゃないかというふうに思っています。
 翻って我が国を見てみますと、直面する少子高齢化ですとかグローバル化、もっと言えば、生産年齢の急速な、人口などに対応していくためには、ICT技術などを活用して教育の質の充実というものを図っていくことが非常に重要な課題だと思っております。つまり、国家百年の計であります教育の重要性ということにつきまして、国民全体が意識をしっかり共有していくということが今後の日本にとって不可欠ではないかと考えております。
 一方、我が国の憲法におきましては、教育を受ける権利、あるいは無償の義務教育について、こういったことは規定をされているわけでありますけれども、教育の重要性をうたう理念のようなもの、こういったものは書かれておりません。我が国は、資源も食料もエネルギーも輸入に頼らなくちゃいけない資源小国でありますが、唯一の資源が人材ということでありますので、そういった我が国の国のあり方を考えてみますと、ドイツにおいて教育の理想像を実現するような改正がなされたということは、まさに参考になることではないかなというふうに強く感じた次第であります。国の根本法規に、我が国の場合特に、このようなことがなくていいのかという思いを強くしたという私の感想を申し上げまして、意見とさせていただきます。
 ちょっと短かったかもしれませんが、以上です。

発言情報

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発言者: 齋藤健

speaker_id: 14267

日付: 2019-11-28

院: 衆議院

会議名: 憲法審査会