萩生田光一の発言 (文部科学委員会)
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○萩生田国務大臣 皆様、おはようございます。
このたび、文部科学大臣並びに教育再生担当大臣を拝命いたしました萩生田光一でございます。
橘委員長始め理事、委員の皆様方の御指導、御鞭撻を賜りますように、心からよろしくお願い申し上げたいと思います。
第二百回国会において各般の課題を御審議いただくに当たり、一言御挨拶を申し上げます。
冒頭、今般の台風第十五号及び第十九号によりお亡くなりになられた方々に、衷心より哀悼の意を表しますとともに、被災された方々に対し、心よりお見舞いを申し上げます。文部科学省としても、関係地方公共団体ともよく連携し、被災地に寄り添いながら、被災地の支援に全力を尽くしてまいります。
現在、文部科学省は、昨年の幹部職員の逮捕事案等により失われた信頼を回復する途上にあります。本年三月に策定した文部科学省創生実行計画に基づき、若手や中堅職員の声もよく聞きながら、スピード感を持って政策立案できる組織体制を目指した文部科学省改革を推進してまいります。
先日、吉野彰旭化成株式会社名誉フェローのノーベル化学賞の受賞が決定いたしました。今回の受賞は、日本人研究者が高い研究水準を有することを改めて世界に示すものであるとともに、長きにわたって、国を挙げて基礎研究から応用研究に至るまで幅広い科学技術・学術政策を強力に推進してきた成果のたまものです。吉野先生は、科学者を目指したきっかけは小学生のころの担任の先生から勧められた科学の本であった旨を述べておられます。子供たちが、多様な経験を通じて、さまざまなことに興味を抱き、将来目指す道を見つけることができるような環境をつくっていくことの重要性を改めて感じました。
安倍内閣においては、人生百年時代やソサエティー五・〇の到来を見据えた経済社会を大胆に構想する中で、一億総活躍の旗を更に高く掲げ、日本を誰にでもチャンスがあふれる国へと変えていくため、内閣一丸となって人づくり革命を断行し、生産性革命を実現することを最大の使命としています。文部科学省が担う教育再生、科学技術イノベーション、スポーツ、文化の振興は、人づくり革命や生産性革命において中核を担うものです。
こうした基本認識のもと、何よりもまず、家庭の経済事情に左右されることなく、誰もが希望する質の高い教育を受けられるよう、幼児期から高等教育段階までの切れ目のない形での教育の無償化、負担軽減の施策を着実に実施してまいります。
幼児教育については、今月から全面的な無償化措置を実施したところです。その上で、今般の無償化措置の対象とならない、いわゆる幼児教育類似施設についても、地域や保護者のニーズに応えて重要な役割を果たしていると地方公共団体が認めるものに対しては、関係府省と連携しつつ、国と地方が協力した支援のあり方について検討を行ってまいります。
高等教育については、二〇二〇年度から、真に支援が必要な低所得者世帯に対して、授業料及び入学金の減免制度の創設と給付型奨学金の拡充を行います。新制度の円滑な実施に向けて、必要な準備を加速させます。
さらに、二〇二〇年度から、年収五百九十万円未満世帯を対象とした私立高等学校授業料の実質無償化を実現します。また、高校生等の奨学給付金の充実にも取り組みます。
これらの施策を通じて、家庭の経済事情にかかわらず、子供たちがみずから希望する進路に挑戦できる社会の実現を目指します。
安倍内閣が働き方改革を実行する中で、世界からも評価の高い我が国の学校教育を持続可能なものとしていくためには、来年四月に迫った新学習指導要領を円滑に実施するとともに、教師が子供たちの指導に使命感を持ってより専念できるよう、学校における働き方改革を強力に推進することが必要です。
先日、学校における働き方改革の先進事例を視察し、学校における働き方改革は特効薬のない総力戦であると実感しました。文部科学省が学校と社会の連携の起点、つなぎ役としての役割を前面に立って果たすとともに、勤務時間管理の徹底や学校及び教師が担う業務の明確化、適正化、小学校における質の高い英語教育のための専科指導等に必要な教職員定数の改善充実、学校の運営体制の強化、部活動指導員やスクールサポートスタッフ等の専門スタッフや外部人材の配置拡充などの一体的な推進を図ります。また、学校における働き方改革の取組の一環として、今国会において所要の法案を提出いたしましたので、速やかな御審議をお願い申し上げます。
これに加え、急激な社会的な変化が進む中で、これからの時代に応じた教育課程や教職員配置、教師の養成、採用、研修や教員免許制度等の初等中等教育のあり方について、総合的に検討を進めてまいります。
ソサエティー五・〇の時代に必要となる資質、能力を育成、深化するためには、ICTを基盤としたさまざまな先端技術を効果的に活用することが必要不可欠です。令和の時代の新しい学校像として、最終的に児童生徒一人一人がそれぞれ端末を持ち、ICTを十分活用することのできる環境を達成するため、学校におけるICT環境整備を強力に進め、多様な子供たちを誰一人取り残すことのない、公正に個別最適化された学びを実現してまいります。
少子高齢化やグローバル化が進展する社会において、ソサエティー五・〇に向けた人材育成やイノベーション創出の基盤となる大学等の改革が急務です。高等教育の無償化、負担軽減の実施に当たっては、高等教育の質の向上及び教育研究基盤の強化を図ることが必要です。先般改正された学校教育法や研究力向上改革二〇一九等に基づき、高等教育、研究機関の取組や成果に応じた手厚い支援と厳格な評価を徹底することにより、教育、研究、ガバナンスの一体的改革を推進してまいります。
科学技術イノベーションについては、特に諸外国に比べ研究力が相対的に低下傾向にある現状を一刻も早く打破するため、研究人材、研究資金、研究環境の改革を大学改革と一体的に進め、絶えずイノベーションを生み続ける社会の実現に全力で取り組んでまいります。
現在、我が国でラグビーワールドカップが開催され、全国各地で熱戦が展開されています。来年は東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。国民に夢や感動を与えてくれるこれらの大会の成功に向けた取組を着実に進めてまいります。
また、世界じゅうから注目が集まるこの機に、日本博を始めとした文化プログラムを全国で展開するとともに、日本遺産等のさまざまな文化資源の活用や文化観光拠点の支援等を通じて、伝統文化から現代芸術まで幅広い文化による国づくりをオール・ジャパンで推進し、日本文化の魅力を世界に積極的に発信します。
東日本大震災や近年相次ぐ災害については、先日、文部科学大臣就任以降に初めて福島県や千葉県南部を訪問し、復興に向けた決意を改めて強くしたところです。就学支援、児童生徒の心のケア、学習や学校再開への支援等を始め、復興を支える教育、人材育成、大学、研究機関による地域再生への貢献、学校施設や文化財の復旧など、被災者の心に寄り添った復興を更に加速します。廃炉に関する研究開発や人材育成、原子力損害賠償に着実に取り組みます。さらに、原発事故の避難者を始めとする被災した児童生徒に対するいじめについては、関係機関とも連携して必要な取組を行ってまいります。
教育再生は、安倍内閣の最重要課題の一つです。教育再生実行会議のこれまでの提言を踏まえ、子供たちの個性を伸ばし、多様な価値に対応できるよう、義務教育における基礎、基本の習得の上に、子供たちの個性を伸ばす多様性のある教育の実現に向けて必要な施策を推進します。また、これまでの提言の進捗についてしっかりとフォローアップを行ってまいります。
質の高い幼児教育の提供、地域と学校の連携、協働の推進、特別の教科道徳の実施、ハンセン病に対する差別、偏見の根絶など人権教育の充実、いじめや不登校への対応、SNS相談体制の構築、フリースクールなど多様な場で学ぶ子供への支援、夜間中学の設置促進、充実、家庭教育支援の充実、読書・体験機会の提供の推進、登下校時の子供たちの安全確保対策も含めた学校安全の推進などにしっかりと取り組みます。
児童生徒の自殺予防の取組やインターネットを通じたトラブル等を回避するための取組、スクールカウンセラー等の配置拡充などに取り組みます。
児童虐待により子供が亡くなることはまことに痛ましく、あってはならないことです。悲劇を繰り返さないよう、文部科学省としても、厚生労働省等の関係府省庁と緊密な連携を図りながら、スクールソーシャルワーカー等の重点配置など児童虐待の防止にしっかりと取り組んでまいります。
また、指導体制の充実を通じた学力課題解消へ向けた取組や、福祉機関との連携強化、地域における学習支援など、子供の貧困対策を推進します。
今後更に加速していくグローバル社会を見据え、外国語教育や在外教育施設における教育、留学生交流、日本型教育の海外展開、ユネスコが主導する持続可能な開発のための教育等の活動、いわゆるESDや国際バカロレアなどを推進します。また、外国人に対する日本語教育、外国人児童生徒等への教育の充実、大学等における留学生への支援やその在籍管理の徹底等にしっかりと取り組んでまいります。今般文部科学省が初めて行った調査により判明した義務教育段階の外国人の子供たちの不就学等の状況を踏まえ、就学状況の把握や就学促進のための取組を進めてまいります。
学校施設は、子供たちの学習、生活の場であり、災害時に避難所となるなど、国土強靱化の観点からも重要な施設です。このため、非構造部材を含めた早期の耐震化の完了を目指すとともに、老朽化した学校施設の長寿命化対策、防災機能の強化等を推進します。また、ブロック塀の安全対策、公立小中学校等への空調設置等に取り組みます。
高等教育については、多様な卒業者が大学等で修得した知識、技能を社会で活用できるよう、教育の質の保証と情報公表、多様で柔軟な教育体制の構築、多様な学生の受入れ促進等を通じて、教育の質を向上してまいります。リカレント教育については、抜本的に拡充し、生涯にわたって学び続け、チャレンジし続けられる機会の確保を目指してまいります。
グローバル人材の養成、指定国立大学法人による国際競争力の強化、地方創生を担う人材育成、専門職大学等の充実、専修学校等における教育の充実に向けた取組を推進いたします。このためにも、国立大学法人運営費交付金や施設整備費補助金、私学助成など、基盤的経費を安定的に確保するとともに、経営力強化、連携統合の促進や財政支援のめり張り化を通じて、強靱な大学への転換を促してまいります。
国立大学は社会変革を先導し、社会や地域から支えられる存在になることが重要です。先般改正された国立大学法人法や国立大学改革方針の方向性を踏まえ、国立大学の改革を支援してまいります。
また、高等専門学校は、創設以来約六十年にわたり、五年一貫の実践的技術者育成を行っており、産業界や諸外国からも高い評価を受けています。高等専門学校の機能の高度化、日本型高等専門学校の海外展開と国際化の一体的推進、技術者教育の基盤となる学修環境の整備に努めてまいります。
さらに、高等学校教育、大学教育及び大学入学者選抜を一体的に改革する高大接続改革に取り組みます。二〇二〇年度から導入を予定している大学入学共通テスト及び大学入試英語成績提供システムについては、受験生や高校関係者の不安の解消に向けて全力で取り組んでまいります。また、大学入学者選抜の公正な実施に向けた必要な対応を行ってまいります。
法科大学院については、先般改正された法科大学院の教育と司法試験等との連携等に関する法律等に基づき、法務省等の関係機関と連携して、法科大学院教育の改善充実に取り組みます。
障害者が一生を通じてみずからの可能性を追求できるよう、福祉部局等と連携した切れ目のない支援体制の構築や、障害のある子供の自立と社会参加に向けた特別支援教育の充実、障害者の生涯にわたる多様な学習活動の充実に取り組みます。
これらの教育再生に向けた取組を着実に実現するため、第三期教育振興基本計画に基づく施策を実行するとともに、必要な財源を確保しつつ、教育投資の充実に努めてまいります。
我が国が将来にわたって成長と繁栄を遂げるためのかなめは、科学技術イノベーションです。国連が定めたSDGsの達成に科学技術イノベーションが果たす役割が極めて大きいことは、国際社会の共通認識です。我が国の科学技術イノベーションの中核を担う文部科学省として、第五期科学技術基本計画に基づき、世界で最もイノベーションに適した国を目指します。基本計画で掲げる政府研究開発投資目標の達成に向け、科学技術予算の確保に努めます。
我が国の研究力の向上に向けては、優秀な若手研究者へのポストの重点化や多様なキャリアパスの確保などの研究人材改革、若手研究者への重点支援や新興・融合領域への取組強化などの研究資金改革、研究設備等の共用促進や研究支援体制の強化などの研究環境改革を総合的に進めます。
持続的なイノベーションの創出には、その源となる学術研究、基礎研究が極めて重要であり、科研費の充実を図るなど、これを強力に推進します。また、将来を担う人材の育成や女性研究者の支援等に取り組みます。次世代放射光施設など物質科学等を支える最先端の研究基盤を始めとする大型研究施設等の整備、共用を促進するとともに、光・量子技術等の新たな価値創造のコアとなる分野の研究開発を進めます。加えて、特定国立研究開発法人を始めとする国立研究開発法人を中核として、世界最高水準の研究活動を進めます。
人材、知識、資金の好循環システムの構築に向けて、大学等のマネジメント機能強化や産学官共創の場の構築によるオープンイノベーション、地域のイノベーション創出、ムーンショット型研究開発などハイリスク、ハイインパクトな研究開発を進めるとともに、すぐれた人材が長期間にわたり集中して研究に打ち込める環境を整備し、破壊的イノベーションにつながる成果の創出を目指す創発的研究の場の形成にも取り組みます。また、科学技術の戦略的な国際展開を図ります。
ソサエティー五・〇の到来を見据え、人工知能、ビッグデータ等の研究開発、活用やスーパーコンピューター「富岳」の開発などの情報科学技術の推進、我が国が強みを持つ再生医療や感染症等のライフサイエンス、ナノテクノロジー・材料等の研究開発を進めます。また、地震、津波、火山、豪雨等の防災・減災に関する研究開発、環境・エネルギーに関する研究開発、ITER計画等の核融合研究などを進めます。
さらに、二〇二〇年度に初号機打ち上げを目指すH3ロケットの開発や、同年度に地球への帰還が予定されている「はやぶさ2」に代表される宇宙探査、今般我が国が参画することを決定した月周回有人拠点、ゲートウェイを含む月探査の推進など、国内外で大きな期待と関心が寄せられている宇宙・航空分野の研究開発や、海洋・極域、原子力に関する研究開発など、国主導で取り組むべき基幹技術を推進します。
「もんじゅ」については、廃止措置計画等に基づき、地元の声にしっかりと向き合いながら、安全、着実かつ計画的に廃止措置を進めてまいります。
スポーツには、体を動かし楽しむだけではなく、人を夢中にさせ感動させる力があります。また、文化は、我が国のアイデンティティーを形成する源であり、世界に誇る重要な資源です。
第二期スポーツ基本計画を着実に実行し、全ての人々がスポーツを、する、見る、支える機会を確保し、スポーツ立国の実現を目指します。国際競技力向上やドーピング対策、新国立競技場の着実な整備など、東京オリンピック・パラリンピック等に向けた取組を強力に進めることはもとより、次世代に誇れるレガシーを創出する視点で、アスリートのセカンドキャリア形成支援、スポーツを通じた健康増進、国際交流・協力や地域活性化、大学スポーツの振興、スポーツの成長産業化、障害者スポーツの振興、学校体育の充実等に取り組みます。
また、スポーツ活動が公正かつ適切に実施されるよう、スポーツ団体に対し、先般新たに策定したガバナンスコードの遵守を促しつつ、スポーツインテグリティーの確保に努めてまいります。
文化芸術は、無限の可能性を秘めています。文化庁の京都への移転を見据え、地方創生や観光などの関連分野とも連携しながら、文化行政を総合的に推進し、文化による本質的、社会的、経済的価値の創出を強力に実行するとともに、文化芸術基本法に基づき策定した文化芸術推進基本計画や文化経済戦略を着実に実行し、文化芸術立国の実現に取り組んでまいります。
インターネットにおける著作権侵害の被害拡大の防止等を図るため、国民の皆様の声を丁寧に伺いながら、法整備を行うための準備を進めてまいります。
私としては、令和という新しい時代を迎え、改めて、国家百年の計に立って、文部科学行政全般にわたり、信頼の回復に努めつつ、人づくりを始めとした諸課題の解決に着実に取り組む考えです。
引き続き、関係各位の御指導、御鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げたいと思います。
ありがとうございました。(拍手)