泉健太の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○泉健太君 戦後民主主義を体現する国会は、第二百回を迎えました。歴史を紡いでこられた歴代の議員、職員、そして全国民の皆様に深く感謝を申し上げ、国権の最高機関、唯一の立法機関として国会が今後も民主的に機能するよう、皆様とともに全力を尽くしてまいります。
ただいまより、共同会派、立憲民主・国民・社保・無所属フォーラムを代表し、国民民主党、泉健太が、総理の所信表明演説に対し質問をさせていただきます。(拍手)
まず冒頭、地元、京都伏見で起きた京都アニメーション放火事件で亡くなられた方々に心から哀悼の誠をささげ、被害に遭われた皆様にお見舞いを申し上げます。全国、全世界から寄せられたメッセージ、また御支援に深く感謝をし、党派を超えて取り組んだ京都アニメーションへの公的寄附窓口の設置も、関係省庁の迅速な御調整に心から感謝を申し上げます。
それでは、質問に入ります。
まず、台風十五号です。被災された全ての皆様に改めてお見舞いを申し上げます。
昨日、枝野代表も触れましたが、やはり政府の初動には問題がありました。
八月の台風十号では、首相は上陸前に関係閣僚会議を開催しています。しかし、今回の十五号では、上陸前夜の九月八日夜に非常に強い台風に発達していたにもかかわらず、関係閣僚会議も非常災害対策本部も開催されませんでした。
総理、それでも官邸や各省の想定と初動に問題がなかったということでしょうか。
しかも、長期の停電については、政府で検証が行われているはずです。初動に問題があったからこそ検証されているのではないでしょうか。
そこで、提案をいたします。
検証を踏まえ、被害想定地域の代替電源・通信の事前確保マニュアルをぜひ策定していただきたい、そう考えますが、総理の御見解をお願いいたします。
続いて、豚コレラ対策です。これも政府の対応は問題です。
豚コレラ発生は昨年九月。しかし、政府はワクチン使用の判断をためらい、その間に野生イノシシが感染を拡大させ、今や感染は十一府県に上りました。
初動で有効な手を打たず、感染を拡大させた政府の対応は、極めて問題ではないでしょうか。発生のたびに接種推奨地域を追加する対策では不十分です。
総理、感染拡大を防ぐために、希望する養豚業者には予防的なワクチン使用を認める考えがあるか、お答えください。
今、さらに、有効なワクチンも治療法もないアフリカ豚コレラも、中国、韓国など隣国にまで迫っています。
国民民主党の対策本部は、ことし三月、羽田空港の検疫所を視察し、その結果をもとに、検疫官や探知犬の体制強化、持込禁止肉製品を所持する人物の入国拒否を可能とする議員立法を提出いたしました。
総理、野党のこの案にこそ耳を傾けていただきたいと思います。政府の指針を見直す今こそ、法改正で水際対策を強化すべきです。御所見を伺います。
農業も重要課題です。
まず、農家の担い手、後継者不足ですが、安倍政権が再スタートをした二〇一二年から五年間で、農業就業人口は約七十万人減少しております。耕地面積は約十万ヘクタール減少しています。そして、食料自給率もカロリーベースで三九%から三七%へと減少しています。
総理、日本を取り戻すというのなら、食料自給率を上げるべきではないですか。改めて、二〇二五年、四五%の目標にどう取り組むのか、お答えください。
枝野代表も述べましたが、私たちは、農業者戸別所得補償制度を提出し、農業を守るために成立を訴えています。
次に、軽減税率とポイント還元です。
総理、そして財務大臣、軽減税率とポイント還元は、ややこし過ぎます。
私も、先日、スーパーで買物をし、キャッシュレス決済をいたしました。でも、還元はゼロでした。その店で私のカードは対象外だったようです。
もうもはや、どのカードやどのアプリが使えるのか、どの店が還元対象なのか、どのように還元されるのか、還元率は何%なのか、どの店がお得なのか、ほとんどわからない。皆さん、おわかりでしょうか。これが多くの国民の実感ですよ。
総理、ぜひ御自身でお店を回っていただいて、この複雑なポイント還元制をぜひ体験してください。そして、このややこしい制度の改善をぜひとも経産省にも指示をしていただきたいと思います。いかがでしょうか。
さらに、全国の事業者からは困惑の声が出ています。
還元対象店になるには、九月六日までに申請すれば大丈夫と言われていた。申請をしたのに十月一日時点で利用できない事業者が、何と八万軒もあります。これは問題です。顧客の減少にかかわる深刻な問題だと私は考えます。
総理、政府はこの責任をどうとるのか、御答弁ください。
そして、経産省のホームページで公開されている還元対象店舗検索情報も大混乱です。場所を間違える、還元率を間違える。私も、地元京都の業者からは幾つも相談を受けています。
全国の事業主の皆さん、公開されているそのお店の店舗情報に間違いがないか、ぜひ一度御確認ください。知らぬ間に顧客が逃げていってしまっているかもしれません。
経産省、現時点で把握しているこの誤掲載の件数は何件なのか、そして、被害を受けた事業者への対応はどうされるのか、菅原大臣に答弁を求めます。
そもそも、アベノミクス開始からもう七年目。総理、物価上昇率二%の達成はどうなったんでしょうか。
日銀は、ことし七月、二〇二一年度時点でも物価上昇率二%は達成できない見通しとの展望レポートを発表しています。二年で達成するはずのこの目標が、九年後にも達成できないことになります。総理、この二%目標や金融緩和の方針を変えるつもりはありますか。また、今年度は補正予算を組むつもりでしょうか。お答えください。
総理、私たち野党は、国民生活の立場から、冷静に経済を分析し、今の経済情勢では消費税率一〇%引上げを凍結すべきと訴えてまいりました。
昨年度の名目経済成長率はたった〇・五%です。名目の家計最終消費支出の前年比は、ことし一―三月期でマイナス〇・二%、四―六月期で〇・七%にすぎません。大きな駆け込み需要も起こらず、消費マインドは弱いままです。
緊縮ではなく財政出動を、その声もある中で、今回のタイミングを誤った消費税率引上げは、景気を腰折れさせ、経済活動を停滞させ、逆に税収を減らす可能性すらあるのではないでしょうか。それこそ本末転倒です。私たち野党の言うように、まずは家計を温め、そして国民の消費をふやすべきです。
社会保障の充実を図り、税制も大きく見直して所得再配分を強化し、貧困や格差を解消に向かわせる。特に、介護や保育に代表される、老後や子育てなどの暮らしの安心にかかわる人件費を厚くして人手不足を解消し、将来不安を小さくする。希望する非正規労働者をできるだけ早く正規雇用に転換しつつ、実質賃金を引き上げる。これこそが、これからの時代の最も効果的な消費拡大策であり、経済対策です。
私たちは、介護、保育従事者の処遇改善、また、中小企業における正社員雇用の際の社会保険料軽減などを提案してまいりました。
まずは可処分所得をふやし、消費を回復させる家計第一の経済政策を優先させませんか。総理の見解を伺います。
また、総理、消費税については今後十年くらいは上げる必要はないと発言されましたが、これは財政的にでしょうか、それとも政治的にでしょうか。根拠を教えてください。また、法人税や高所得者の所得税、金融所得課税などの引上げには賛成でしょうか、反対でしょうか。お答えください。
続いて、年金です。
国民年金だけでは生活できない、この基本的な事実に国会が向き合うべきです。
総理、財政検証において、実質賃金上昇率が全ケースにおいて過去三十年の平均値を上回る設定になっています。これは正直、甘い前提だとは思いませんか。
私たちは、やはり、政権の意向や経済目標の影響を受けずに、客観的な数字から年金の財政検証を行うべきだと考えます。総理、国民民主党は、国会に年金の財政検証も行える新たな組織を設置すべきだと提案しています。ぜひ御所見をお願いいたします。
今月からの老齢年金生活者支援給付金について、今のままでは、低年金者対策なのに、保険料の納付期間に連動して給付額が少なくなります。これでは不十分です。総理、対象者全てに月五千円以上の給付を行うべきと提案しますが、いかがでしょうか。
先日、政府には全世代型社会保障検討会議が発足をいたしました。ただ、全世代型といいながら、会議のメンバーに若い世代と労働者の代表が入っていません。総理、これ、多分問題だと思います。若い世代と労働者の代表もメンバーに入れるべきではないでしょうか。お答えください。
待機児童ゼロは二〇二〇年度末、介護離職ゼロは二〇二〇年代初頭が政府の目標です。しかし、待機児童は、ことし四月時点で一万六千七百七十二人。民間団体の調査では、潜在的待機児童はその八倍もいると言われています。介護離職件数も、ほぼ横ばいのままです。
総理、それぞれの目標というのは、見込みがあって責任の伴う目標であるべきだと思います。本当に達成できるのでしょうか。そして、達成できなかったときの責任のとり方も含め、お答えをいただきたいと思います。
さて、男性育休です。
政治家は、自身の育休は自身で判断できます。しかし、一般の国民には、会社の許可、職場の理解、所得の減少という厳しいハードルが残っています。
そこで、総理、育児休業給付金を、今受けている賃金と比べて実質一〇〇%給付に引き上げる、こういった、意識改革だけではない、国民の育休制度の改善に取り組むのが優先ではないでしょうか。その決意をお答えいただきたいと思います。
先日、厚生労働省は、再編統合の議論が必要と、全国四百二十四の公立・公的病院の名前を公表いたしました。突然の発表に地方は驚き、不安が広がっています。
地域医療が単に効率化されて、医療機関の遠方化、空洞化が進めば、かつての救急車のたらい回し問題が再発しかねません。住民の意向や地域の実情を十分に踏まえて、各病院がみずから検討する手法をとるべきではないでしょうか。総理の御所見をお願いいたします。
また、今回共同会派に合流した社会保障を立て直す国民会議は、医療を治療中心から予防中心に転換する、医療の民主化改革を訴えています。全ての国民がかかりつけ医を持ち、相談や予防医療を受けられる日本版家庭医制度の導入についての総理の見解をお聞かせください。
許されない暴力について、数点伺います。
まず、児童虐待。
しつけと称した虐待を防ぐ一つの方策に、民法八百二十二条の懲戒権の見直しがあります。通常国会で成立した児童虐待防止対策強化法では、懲戒権見直しの期限が法律の施行後二年をめどとされていますが、対応の前倒しが必要だと考えます。総理、懲戒権の見直しは一刻も早く必要ではないでしょうか。お答えください。
続いて、性犯罪についてです。
現在、同意なき性交にもかかわらず、暴行、脅迫、そして抗拒不能という要件を満たしていないという理由で、理不尽さを感じるような無罪判決が出されることがあります。イギリスやドイツ、カナダ、米国の一部の州では、同意なき性交を全てレイプとして刑事罰の対象としています。
訴えたくても、処罰が期待できないため、泣き寝入りさせられている被害者がいます。国会がその声に向き合うときが来ているのではないでしょうか。総理、来年の刑法改正の見直しで、この要件のあり方を抜本的に見直すことを提案いたします。
あおり運転について。
現行の道交法では、あおり運転自体を取り締まる規定がありません。あおり運転は、生命に危険を及ぼす悪質な行為であり、道交法の改正と罰則強化を検討すべきと提案しますが、総理の御見解をお願いいたします。
過労死防止についても伺います。
働き方への意識や医学的知見も進歩する中、労災請求件数は増加しています。脳・心臓疾患の認定基準がもう十八年間も改定されていません。総理、ぜひ実態に即した新基準に変更しませんか。お答えをいただきたいと思います。
続いて、外交、安全保障です。まず、日米関係。
米国からの兵器取得額は、今年度、何と七千億円。民主党政権時の五倍以上です。
総理、これが、日本を取り戻すなのでしょうか。国内の防衛産業からは疲弊と失望の声が上がっています。防衛装備品は国内調達率をふやすべきではないでしょうか。お答えください。
また、七月にボルトン元大統領補佐官が来日した際、在日米軍駐留経費の大幅な負担増を求めたと言われています。増額を要求されたんでしょうか。また、総理はさらなる増額が必要だと考えますでしょうか。お答えください。
北朝鮮のミサイル問題ですが、最近発射がふえている理由の一つは、トランプ大統領の、アメリカの領土に脅威が届かなければ問題ないとの態度にあるのではないでしょうか。総理、トランプ大統領に態度を変えるよう要求するべきではないでしょうか。お答えください。
また、北朝鮮の大和堆での違法操業については、きのうの衝突事案だけではなく、八月に海保の巡視船が北朝鮮の船から小銃を向けられる事案もあったはずです。政府は北朝鮮政府に対し、今後、これまで以上に厳格に対応すると通告するべきです。
続いて、譲歩続きの日米貿易協定についてです。
今回、日本は、自動車分野で一ミリも獲得できず、逆に、農業で米国にTPP同様の市場アクセス権を与えました。これが、日本を取り戻すとは思えません。まるで、日本を売り渡すではないでしょうか。
ガットにおけるFTAとは、実質上の全ての貿易で自由化することであり、九割の関税撤廃率が必要とされています。政府はアメリカの関税撤廃率を九二%としていますが、今回据え置かれた、輸出の三割を占める自動車と自動車部品を撤廃対象としてカウントするのはルール違反ではないでしょうか。総理、自動車・自動車部品を除いた実際の関税撤廃率の数値をお答えください。
また、WTO違反を回避しようと、附属文書には期限を設けず、さらなる交渉で撤廃と書き込むのはこそくです。今後のあしき前例となるでしょう。自由貿易に水を差す今回の協定は、少なくとも国会での連合審査が不可欠です。
その審議に向けて、私たちは、政府の通商交渉の情報提供を促進する法案を提出いたしました。他の野党とともに、いつまでも黒塗りだらけの交渉文書の公開を強く求めてまいります。
ホルムズ海峡について。
米国、中東の双方と友好関係を続けていることに日本外交の価値があります。有志連合への参加には慎重であるべきです。
二〇一五年の安保法案の審議では、ホルムズ海峡が機雷で封鎖される事態があれば存立危機事態に当たることもあり得るとの政府答弁がありました。
総理、米軍がイランと交戦状態になり、ホルムズ海峡が紛争で長期間通航不能になった場合、それは存立危機事態に該当し、自衛隊が防衛出動する可能性は法理上あり得るのか、お答えください。
総理、北方領土の旧島民は泣いています。官邸の意向で、北方領土返せも言えなくなった、外交青書から、北方四島は日本に帰属するの文字も削除された、返還運動が消滅すると嘆いていますよ。
なのに、プーチン大統領からは厳しい言葉が相次ぎ、ロシアの北方四島開発もどんどん進んでいます。
野党も、総理の対ロ外交を見守ってきたつもりです。しかし、このままでは、北方領土交渉でも、日本を取り戻すどころか、日本を売り渡すになりかねません。総理、改めて二島返還に確信があるのですか。お答えください。
続いて、辺野古問題です。
地下四十メートルに軟弱地盤が見つかり、当初予定の基地建設費三千五百億円はどれほど膨らむとお考えでしょうか。私たち野党は、日米の再協議、そして移転計画の見直しを強く要求いたします。
そして、日米地位協定は、いまだ米軍の治外法権の状態です。
総理、国民を第一に考えるなら、米軍に航空法などの国内法を原則遵守させる、訓練の事前通告制は義務づけるなど、他国で実現しているような地位協定の見直しを与野党一致して進めようではありませんか。これは提案です。ぜひお答えください。
国民投票法についてです。
国民民主党は既に法案を提出していますが、放送広告、ネット広告の規制、国民投票運動の資金の透明化の確保などを盛り込む必要があると考えます。総理、CM規制や資金の透明性確保の必要性について御見解をお願いいたします。
国民の知る権利の確保は重要です。
私たちは、決裁文書の改ざん禁止と改ざんなどの違反行為への罰則規定を設けた公文書改ざん防止法案や、開示情報規定を拡大した情報公開法改正案なども立法し、既に国会に提出いたしましたが、これも審議をされておりません。
国民の皆様、野党が何でも反対というのは事実ではありません。そして、批判ばかりでもありません。
私たち野党は、今御紹介をさせていただいたとおり、かなり多くの議員立法を提出しています。ですが、議論されないことが多い。それが今の国会であります。
この数年間、国民の皆様は、与野党はけんかばかりと感じていたかもしれません。しかし、実は野党は、毎年、政府提案の法案であっても七、八割の法案には賛成をし、二、三割の法案にのみ反対をしております。野党は、その法案が国民のためになるかどうかをしっかり審査し、賛成すべきは賛成する姿勢で活動しております。これからもその姿勢で活動をしてまいります。
新会派に集う私たちは、誰よりも、国民の目線で行政監視をしっかり行い、政府の誤りを正し、時には代替案を提示して、国民の皆様に建設的な役割を果たしていきたいとお約束をしたいと思います。
そして、野党の私たちこそが、真に国民の多様性と自由を尊重し、助け合いと支え合いの中で、国民一人一人が生活に希望の持てる、令和新時代の社会像を国民の皆様にお届けしてまいります。ぜひともこの新会派に、国民の皆様の御期待とお声をお寄せください。
このことを皆様にお訴え申し上げ、そして、お聞きいただいた全ての皆様に心から感謝を申し上げ、新会派を代表して、私、泉健太の質問とさせていただきます。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕