笠井亮の発言 (本会議)
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○笠井亮君 私は、日本共産党を代表して、日米貿易協定、デジタル貿易協定について、安倍総理に質問いたします。(拍手)
まず、台風十五号、十九号による災害で亡くなられた方々に心からのお悔やみを、被災された皆さんにお見舞いを申し上げます。
今なお数多くの方が、浸水した住宅や避難所などでの生活を余儀なくされています。総理、生活改善は急務です。被災者が安心して過ごせるよう、集中的な対策を求めます。
さらに、被災者の生活となりわいの再建のために、住宅の確保、農林水産業者の経営再建と再開までの収入補填、中小・小規模事業者へのグループ補助など直接支援を速やかに実施することを強く求めます。
日米貿易協定について伺います。
本協定は、交渉開始からわずか五カ月、交渉内容も経過も国会や国民に一切知らせず、前代未聞のスピードで合意、署名したものです。
安倍総理は、この協定を、日米双方にとってウイン・ウインの中身になったと誇っています。しかし、その内容は、秘密交渉によって、日本側が一方的に譲歩したものではありませんか。
トランプ大統領が、日米首脳会談や署名式に米国の農業団体の代表らを同席させ、米国の農家、牧場主らにとって巨大な勝利だと手放しで評価したことに、まさに象徴的に示されているではありませんか。総理は、巨大な勝利の中身をどう認識していますか。本協定が国民に何をもたらすのか、明確にお答えください。
日本農業新聞の調査では、日本農業への影響が強まるが七八・九%にも達しています。政府が、日本への影響について試算もなく協定を締結したことは重大です。これまでの自由化協定と相まって、どれだけ農林水産物の生産減少をもたらすことになるか。農林水産業や地域経済への深刻な打撃を何ら考慮しなかったのですか。
米国側は、日本は米国産農産物の輸入で七十二億ドル、七千八百億円もの市場を開放したとしています。総理、これは事実ですか。この額は、現行の輸入額の六割にも相当するものです。国会にその詳細を報告すべきです。
現に、総理がこの間推し進めてきたTPP、TPP11、日欧EPAは、どれも日本側の関税、非関税措置を縮小させ、農産物の市場開放、自由化を一層もたらすものでした。
本協定では、牛肉や豚肉などの畜産物の関税が大幅に引き下げられます。その上、米国産トウモロコシの大量輸入まで表明したことは、まさに、トランプ大統領が掲げるアメリカ・ファースト、バイ・アメリカンに迎合した政治姿勢そのものではありませんか。
更に重大なのは、米国側への特恵的待遇と再交渉規定が盛り込まれていることです。
米国側がこれらを盾に、米の無税輸入枠の設定など、さらなる市場開放を強く求めてきた場合、総理は断れますか。米は完全に守ったどころか、応じざるを得ないのではありませんか。
再交渉には終わりがありません。セーフガード措置も事実上無力化させられ、結局、日本が米国に対し、あらゆる分野にわたる譲歩を迫られることになるのではありませんか。
本協定の問題点は、農産物の際限ない市場開放にとどまりません。
日米共同声明では、関税や他の貿易上の制約、サービス貿易や投資に係る障壁、その他の課題についての交渉を開始する意図であると宣言されました。米国側の次の具体的な要求は何ですか。昨年十二月の米USTRの二十二項目の市場開放要求に基づいた交渉を進めるということではありませんか。明確な答弁を求めます。
その先取りとも言えるのが、突如締結されたデジタル貿易協定です。
トランプ大統領が四百億ドルの重要な勝利とあけすけに語っているとおり、米IT企業を保護するための協定にほかなりません。
総理、個人情報保護や中小企業の利益よりも、GAFAに代表される米国の巨大プラットフォーマーの利益を優先し、ビッグデータを制約なくビジネスに活用させようとするものではありませんか。アメリカ型のルール設定が先行することによって、政府が検討しているプラットフォーマー規制の選択肢を狭めることはないと言えますか。
本協定のどこが物品協定、TAGですか。まさにFTA交渉そのものです。独占的利益を得ようとする米国の多国籍IT企業を背景にしたトランプ大統領の要求を丸のみしたものではありませんか。答弁を求めます。
災害が多発する今、国土保全など多面的機能を持つ農林水産業を衰退へと追いやり、食料自給率を更に低下させる亡国の道を進んではなりません。食料主権、経済主権を破壊する日米貿易協定、デジタル貿易協定の国会承認は断じて認められません。
日米FTA交渉は直ちに中止することを強く求めて、私の質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕