杉本和巳の発言 (本会議)
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○杉本和巳君 維新の杉本和巳です。(拍手)
まずもって、台風十五号、十九号でお亡くなりになられた方々の御冥福を衷心よりお祈りし、また、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。
私は、我が党を代表して、議題の件について質問させていただきます。
維新は、結党以来、責任政党として、自由貿易圏の拡大を支持する立場から、アジア太平洋地域の多角的経済的連携協定、TPPや日・EU・EPAにも一貫して賛成してまいりました。我が国の経済成長への原動力になることのみならず、安全保障体制の強化のためにも欠かせない、極めて重要な協定と考えるからです。
今回の日米間の貿易協定については、アメリカ・ファーストを掲げ、TPPから離脱したトランプ政権が、自国の主張を通しやすい二国間協議に持ち込んだ経緯があります。しかし、世界のGDPの三割を占める日米両国が自由貿易推進の枠組みを築く意義は、小さくはありません。米中間の貿易摩擦が周辺国にも影を落とす中、日米の通商関係が安定をもたらす効果は大きいと考えられます。
そこで、総理に質問いたします。
日本外交の基軸である日米同盟を強化していく上で、安全保障問題と通商問題は表裏一体、車の両輪と確信していますが、どう認識されていますか。
また、米国第一主義を掲げるトランプ大統領は保護主義的な傾向の通商政策を展開しており、自由で公平な通商秩序構築への阻害要因になっているとも解されます。日本に対して、在日米軍駐留経費問題にもリンケージさせるなどの揺さぶりの発言もありました。こうしたトランプ政権の姿勢をどう捉えていらっしゃいますか。
日本政府は、米国のTPP復帰の可能性を探りつつ、米国抜きのTPP11、日・EU・EPAの発効にこぎつけました。そして、年内妥結を目指す日本、中国、韓国やインド、ASEANなど十六カ国によるRCEPの交渉に鋭意取り組んでいます。
自由貿易の維持拡大は、長期的には各国共通の利益であります。安倍総理は、さきの所信表明演説で、自由貿易の旗手として、自由で公正なルールに基づく経済圏を世界へ広げていくと言われました。
総理にお尋ねします。
難航しているとされるRCEPの合意に向けて、日本が具体的にどのように主導的な役割を果たしていくお考えですか。また、自由貿易圏を一層拡大していくためには米国のTPP復帰が最善の道だと認識していますが、総理はどう捉えていらっしゃいますか。
平成十八年二月二十七日の衆議院農林水産委員会で、今は亡き中川昭一農林水産大臣が、WTOのドーハ・ラウンドをめぐって、「この分野だけは決めるけれどもこの分野は決めない、いわゆるアーリーハーベストはやらないという大原則があります。」と答弁されておられます。
総理にお伺いします。
米国側は、ライトハイザー通商代表が昨年十月に議会に交渉開始を通告した書簡にも、インステージズ、つまり段階的に日本との交渉を追求する旨記されていました。
今回の協定は、故中川大臣が述べられた大原則との整合として、アーリーハーベストになっていないと言えるのでしょうか。
また、トランプ大統領も包括的協定という表現をたびたび用いていますが、今後の米国との協議の射程、着地点はいかにお考えでしょうか。答弁をお願いします。
今回の協定では、日本から輸出する自動車や部品の関税撤廃が先送りされ、協定締結中に米国は日本車への制裁関税や数量規制を発動しないことが、協定に反する行動をとらないとの表現で共同声明に盛り込まれました。発動されれば日本の自動車メーカーに深刻な打撃を与えることは不可避であり、ひとまず日本は最悪の事態を回避することができました。
外務大臣に質問します。
日本が農産物の輸入で譲歩する以上、米国も自動車関税をなくすのが筋です。しかし、自動車産業保護を訴えるトランプ政権が積極的に関税撤廃に向けた協議に応じる保証はありません。
米国側は追加関税の措置はとらないと言い切れますか。また、関税撤廃の実現に向け、日本はこの事態をいかに打開していくおつもりですか。
他方、日本が重視する米の米国からの無関税輸入枠が設定されなかったことは評価できます。
一方で、米国は、世界に誇る日本産の米の大きな市場になる可能性を十分に秘めています。農水省によりますと、米国は、二〇一八年の国、地域別の日本の米輸出先として、香港、シンガポールに次いで世界第三位であります。ただし、輸出額は、香港の三分の一弱の、わずか四億円にすぎません。
そこで、農林水産大臣にお尋ねします。
日本産の米の市場として、米国をどう捉えていらっしゃいますか。また、米国への輸出をどのように推進していく御予定ですか。御所見をお聞かせください。
最後に、日米間のデジタル貿易協定について、外務大臣に質問します。
トランプ大統領は、この協定がもたらす経済効果を四百億ドルと言及しました。日本政府としてはどのくらいの規模と試算されていますか。答弁をお願いいたします。
外交交渉は、ラグビーのようなノーサイドはなく、攻守のせめぎ合いとも解していますが、維新は、責任政党として、引き続き、具体的な問題を現実的かつ合理的に解決することを活動原則とし、国家及び国民の利益に資する外交、通商政策の実現に努めていくことを改めて表明し、質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕