落合貴之の発言 (本会議)

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○落合貴之君 立憲民主党の落合貴之でございます。
 本日は、会派を代表し、質問をさせていただきます。(拍手)
 今、会社法改正案の趣旨説明がございました。会社法は、会社のガバナンスを適正なものにする上で重要な法律です。どんな組織にも適正なガバナンスが求められます。しかし、先週の国会では、内閣のトップ、総理大臣が、公的行事を私物化しているのではないかという問題が出てきました。
 取り上げられた桜を見る会は、各界で功労、功績のあった人たちを慰労し、懇親することを目的に、全額公費で、毎年四月に新宿御苑で開かれます。会費は無料で、たる酒その他アルコール、オードブル、お菓子、お土産が振る舞われ、芸能人、著名人に会うこともできます。
 長年行われてきた行事ですが、一万人前後だった参加者は、安倍内閣のもとでふえ続け、ことしは一万八千二百人。予算の三倍の支出もされております。
 そして、調べによると、安倍総理の地元後援会の関係者が数百人規模で招待されているということです。また、首相動静によれば、この三年間、桜を見る会の前日、ホテルニューオータニなどで安倍晋三後援会・桜を見る会前夜祭に総理御夫妻も出席し、また、ある参加者によれば、ことしの前夜祭の参加数は八百五十人、翌朝、貸切りバス十七台で新宿御苑に移動。開門していない朝八時前に特別に入れてもらい、総理は後援会関係者たちと記念撮影をしたとのことです。
 違法性も疑われかねない点は、一、その数百人の安倍後援会の方々がもし招待される理由が不十分なのであれば、公職選挙法違反のおそれがあること。しかも、メロンによる買収疑惑で辞任した大臣もいらっしゃいますが、メロンは自分のお金ですが、今回は公金です。
 二、前夜祭も、有名なホテルにもかかわらず、参加費が五千円であったとの証言がありますし、山口県からのツアー全体も含め、差額を補填していたら、それも公選法違反のおそれとなること。
 三、全国の功労、功績のある方をねぎらう会なのに、功労、功績のある方が総理の選挙区に密集しており、招待者の選定は、総理の事務所がリストを取りまとめたとしか思えないこと。これは、公金の目的外使用に当たるのではないでしょうか。
 前夜祭会場にも、送迎バスにも、安倍晋三後援会と表示があるにもかかわらず、収支報告書には不記載であること。これは、政治資金規正法に抵触するのではないでしょうか。
 疑惑を払拭するために、総理はしっかり説明をするべきです。
 まず、候補者選定の公平性が損なわれているのではないでしょうか。園遊会の招待名簿は三十年間保存で限定されているのに、桜を見る会については即破棄されているのはなぜでしょうか。官房長官、お答えください。
 また、数百人規模の後援会旅行に桜を見る会を利用することは、公費の私物化と言われても仕方ないと思いますが、いかがでしょうか。
 また、数百人の安倍総理後援会の参加者がどのような功労や功績があったと把握されていますでしょうか。
 さらに、選挙区の支援者を大勢招待し、無料で飲み食いさせることは、公職選挙法違反ではないでしょうか。一般的な見解で結構ですので、お答えください。
 では、法案の中身につきまして、具体的に質問させていただきます。
 まず、そもそも、会社とは何のためにあるのでしょうか。
 私は、就職した際、会社のステークホルダーとは、お客様と株主と従業員であると教えられました。伝統的な日本の企業ではこのようなことを新入社員に教えてきました。会社は、誰か一部の人だけのためにあるのではなく、公の器、公器である。会社が公器でなければ、社会は成り立たない。これが、日本人の共通の認識でありました。
 世界を見ると、特に八〇年代以降、金融資本主義が勃興し、それに合わせたコーポレートガバナンス改革が行われ、我が国も特に一九九〇年代以降、その影響はじわじわと押し寄せてまいりました。
 私の手元に、財務省の法人企業統計からとった数字があります。一九九七年を基準とすると、二〇一八年の時点で、企業の売上高、従業員給与、設備投資は、一倍前後で、残念ながら低迷をしています。しかし、一方で、配当金だけは六・二倍にも膨れ上がっています。
 この二十年間で、世界の経済、日本の経済は変質をしてしまいました。社会の公器であった会社は、バランスが崩れ、どんどん投資家、投機家のものになってしまっています。世界の富は、特にこの十年で極端に一部の人たちに偏重し、その偏在ぶりは誰もが認識するようになりました。アメリカでも、ウォールストリートへの不信が巻き起こり、トランプ現象のきっかけとなりました。そして、イギリスでもブレグジット論争が。フランスでも黄色いベスト運動が。金融資本主義、従来型のグローバリズムは、今、岐路を迎えています。
 世界各国が次のあり方を模索している中、我が国は、何年おくれて、この時代に合わなくなってきた制度を取り入れようとしているのでしょうか。政権は、時代認識を間違えています。
 まず、社外取締役についてです。
 この法案で、社外取締役の義務化が規定されています。この数年で社外取締役の導入比率は急上昇し、既に一部上場企業においては九九・九%が社外取締役を置いています。その社外取締役設置を法律で義務づける必要はあるのでしょうか。
 そもそも、九九・九%の企業が社外取締役を置いた結果、コーポレートガバナンスは適正になったのでしょうか。
 不正会計で揺れた東芝は、社外取締役を複数置き、コーポレートガバナンスの優等生と評価されていた企業でした。関西電力は、社外取締役だけでなく、監査役会も設置していても、今回の問題が起きています。
 そして、何のために働く社外取締役なのかわからない方が各企業にふえてまいりました。
 例えば、簡易保険の問題で揺れる日本郵政。ある社外取締役の職歴を追ってみますと、一九九二年に米国通商代表部の日本部長になり、その後、アメリカンファミリー生命保険の日本における役職を歴任した現在のアフラック生命株式会社代表取締役会長が、日本郵政の社外取締役を務めています。日本の市場開放を第一線で求めてきた責任者が、公の役割を果たしている日本郵政の社外取締役についている。これは何のためのコーポレートガバナンス改革なんでしょうか。日本を売り渡す政策もいいかげんにしてもらいたい。改革は、真に国民のためにやるべきです。
 社外取締役が、投資家、投機家の立場に立ち過ぎ、会社の健全な成長を阻害しているという指摘は海外でも散見され、懸念が出始めています。義務化の前に、社外取締役制度自体を検証するべきときが今やってきているのではないでしょうか。
 欧米でも、ベンチャー企業が活躍しにくい環境になってきたと言われています。ベンチャーに中長期的な観点から投資をするよりも、既に成功していて成長が目に見えている企業を買った方が短期で成果が出ていい。安易なMアンドAが中長期的な投資を阻害し、イノベーションや適正な競争を阻害しているという議論も起こっています。実際に、GAFAと呼ばれるデジタル企業がライバルになり得る会社を次々と買収していることへの議論も始まっています。
 その中で、今回の改正では、MアンドAにおける株式交付制度を導入し、株主価値の大きい企業がMアンドAをやりやすくする法改正が行われます。経済の中長期的な成長を担う産業がなかなか生まれないことが我が国の問題となっている中で、この株式交付制度の創設は果たして適正なんでしょうか。
 株主提案権の行使を制限するための措置も提起されています。
 株主総会にて、理解に苦しむ提案が多数出される事例が見られることは確かです。しかし、株主提案を受ける上場会社は年間数十社にすぎません。一部の事例であるにもかかわらず、今回、不当な目的等による株主提案を拒絶することができる基準に、経営者を困惑させるという文言が入るなど、基準が極めて曖昧です。経営者の都合や現状維持を望む大株主の都合がこれでは通ってしまう。これは、コーポレートガバナンス弱体化政策ではないでしょうか。
 提案数の制限ならわかります。しかし、提案の中身を提案される側が判断し、その提案を拒否することができるようにすることが、真っ当な改革なんでしょうか。
 また、今回の法改正で、会社の役員等の責任を追及する訴えが提起された場合等に、株式会社が費用や賠償金を補償する規定を置くことができるようになります。これでは、何のために役員がいるのかわからなくなります。責任があるから高いお給料をもらうのではないですか。この改正は、経営陣のモラルや責任感の低下を誘引するのではないでしょうか。
 また、今回の改正で議題になっていない部分も、手当てが必要な問題があります。
 近年、自社株買いの急増が海外でも問題になり、我が国でもふえ始めています。会社の内部留保を自社の株を買うことにつぎ込む、それにより株価は上がる。配当金とは別の形での既存株主への還元策です。
 これは、自社の株を持っている役員にもノーリスクでリターンが多大にある。従業員の働いた成果である利益をこのような株主還元に使ってしまうことにブレーキがかからない。この問題に手当てをしなくていいのでしょうか。
 また、今の会社法は、株主や役員の利益を向上させるインセンティブは担保されていますが、従業員のお給料を上げるインセンティブがないという問題点もあります。海外ではこの議論が始まっています。この大きな問題に政府は対処しなくていいのでしょうか。これこそ喫緊の課題なのではないでしょうか。
 このように、投資家、投機家の力の拡大に偏り過ぎている一昔前の改革案ばかり。そして、今の重要な問題についてはしっかり議論を進めていない今の政府の現状。これでは、この国はよくなりません。このままでいいんでしょうか。このままでは、日本の富はどんどん海外に流出するのではないでしょうか。これにしっかりと手当てを当てるべきです。
 二〇二四年に紙幣が刷新されることになりました。最も高額である一万円札の図柄は、渋沢栄一となります。日本資本主義の父であり、日本の多くの企業の設立と育成にかかわりました。経済活動とともに、道徳や社会のあるべき姿を考え、行動することを大切にしてきたその渋沢の精神、この精神が我が国の経済基盤をつくったことを我々は今忘れてはなりません。
 世界の今の金融資本主義の潮流を日本が率先して変えていく、世界の正しいあり方に日本が率先して答えを出していく、この必要性を強調し、質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
    〔国務大臣森まさこ君登壇〕

発言情報

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発言者: 落合貴之

speaker_id: 15768

日付: 2019-11-12

院: 衆議院

会議名: 本会議