中西健治の発言 (財政金融委員会)

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○中西健治君 今おっしゃられたこと、お配りいたしました資料の一ページ、これがコーポレートガバナンス・コードの基本原則でありますけれども、株主以外の部分については、株主以外のステークホルダーとの適切な協働に努めるべきと、ふんわりと書かれております。それに対して、基本原則の一では、株主の権利、平等性の確保ということはしっかり書き込まれているということでありますので、このコーポレートガバナンス・コードは非常に役に立っていると思いますけれども、あくまで株主の権利の保護を目的としたものであるということがお分かりいただけると思います。
 従業員の声を取締役会に届かせる仕組みを考えるに当たって、まず個々の企業経営と日本経済全体との関係についてちょっと頭を整理してみたいと思います。
 デフレの時代には、コストをカットして投資を極力抑えることが正しい経営戦略であります。人件費を単純にコストと考える発想には全く賛成できないものでありますけれども、そう考えてしまった経営者が人件費の削減に至ったことは、利益云々の前に、会社を存続させたい、企業を存続させたい、そして雇用を守っていきたいと、こういう観点からも合理的な部分があったということは認めるべきであろうというふうに思っています。
 ただ、個々の企業として合理的な行動が、経済学で言う合成の誤謬を引き起こし、日本経済全体にとっては悪い結果、つまり、需要不足を引き起こしてデフレを更に深刻化させてしまったこともまた事実であろうと思います。
 しかし、異次元と称される大規模な金融緩和政策が維持される中、機動的な財政出動が行われるなど正しいマクロ経済政策が実行され、デフレからは脱却しつつあると、こういう状況になってまいりました。こうしたデフレから脱却しつつあるという状況の中でコストカット経営をして現預金をため込んでいる、これはいかがなものかと思います。大きな疑問があります。
 個々の企業が賃上げをすることによって個人消費という巨大な需要が拡大する、つまり、日本経済をデフレから確実に脱却させるためには賃上げが必要不可欠であると思います。そのためには従業員の声が経営側に届く必要があります。
 そこで、今日の質疑では幾つかのポイントについて提言をしたいと思っているわけでありますが、その一つ目として、賃上げについてはコーポレートガバナンス・コードの改訂をお考えいただけないかというふうに思います。それは、コーポレートガバナンス・コードの中に、従業員との対話を担当し、他の一般の業務を執行しない取締役を置くなどといった文言を入れて、ステークホルダーとしての従業員の権利を明示してはどうかという提言でございます。
 これは、他国を私はいろいろ見てみましたけれども、企業組織の在り方というのは国によって異なっていますから、そのまま他国の制度が参考になると言えるわけではありませんが、例えばドイツでは、二〇〇四年のいわゆる三分の一参加法により、労働者代表には企業の監査役会の三分の一を占める権利があると定められております。また、昨年改訂されたイギリスのコーポレートガバナンス・コードでは、従業員代表の取締役招聘が三つの選択肢内の一つとして明記をされております。
 自由民主党の議員がこういう提案をするのは難があるかもしれませんけれども、是非検討を進めていただきたいと思います。麻生大臣に見解をお伺いします。

発言情報

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発言者: 中西健治

speaker_id: 16245

日付: 2019-11-07

院: 参議院

会議名: 財政金融委員会