田村まみの発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○田村まみ君 立憲・国民.新緑風会・社民の田村まみです。
私は、会派を代表して、ただいま議題となりました会社法の一部を改正する法律案及び会社法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案に関して質問をする前に、一言申し上げます。
会社法は、会社のガバナンスに係る重要な法案です。どんな組織にもガバナンスが求められますが、現在、真実が一向に明らかになっていない桜を見る会。二〇一四年の予算が一千七百六十六万円に対し支出が三千五万、予算執行率一七〇%、これも異常ですが、今年は予算が結局変わらず一千七百六十万に対して支出が五千五百十八万で、予算執行率が三〇〇%を上回るものになっています。
招待客の選定も不透明で、反社会的勢力や、安倍総理の名前の入った招待状を勧誘に使っていたマルチ商法の会社の会長が招待されていたなど、誰が呼んだかの問題、これも問題ですが、それ以上に、チェック機能が全くない。政府はガバナンス機能なしと言われても反論できないのではないでしょうか。
数百人も安倍総理の後援会の方々が、もし招待されている理由すら不十分なのであるならば、税金の私物化、利益供与で公職選挙法の違反のおそれもあります。私は関与していないと総理が言えば、関与を示す文書は出すなというメッセージとなって、証拠隠し、証拠隠滅をしてもおとがめなし。これまで行われてきた数々の公文書改ざん、隠蔽、破棄。特に今回のシュレッダーを理由にした弁解は、聞いている方が恥ずかしくなる内容です。
そして、その文書がなければ、私たち国会議員も政府をチェックできないんです。政府に対する国民のガバナンスが全く機能しない異常事態がつくり出されているのです。是非、誠実に真摯に、事実、文書を出すことで真実を明らかにしていただきたいのです。
改めて、会社法について、法務大臣に質問をさせていただきます。
七月まで民間企業の従業員だった私は、会社が持続的、継続的な発展をしていく、その必要なことの一つに、お客様、生活の暮らしを豊かにし、その結果、利益が出て、従業員の雇用が守られ、株主の配当、投資につながる、このサイクルが適正に回ること、これが会社のあらゆるステークホルダーに資すると考えていました。
そして、会社のコーポレートガバナンスを高めるためには、今回の会社法の改正だけではなく、例えば、社内での自浄能力を高めるために労働組合があり、その組合員が本来のチェック機能を果たすことを尊重するなど、あらゆる方面から会社がどうあるべきかをチェックするべきだと考えております。
それらを踏まえ、質問をしてまいりますので、よろしくお願いいたします。
両法律案は、衆議院において修正が行われ、本院に送付されてまいりました。
この修正は、法律案から、不当な目的等による議案の提案を制限する規定の新設に係る部分を削るものです。株主提案権の目的による制限の規定とは、専ら人の名誉を侵害し、人を侮辱し、若しくは困惑させ、又は自己若しくは第三者の不正な利益を図る目的などでの議案の提出はできないとするものでしたが、これらの基準は権利の濫用に該当する場合を明確にしたものとは言い難く、また主観的な判断で株主の議案の提出を拒絶し得ることは問題であり、更に検討が必要であると思われますので、本規定を削除する修正に賛成いたします。
そもそも株主提案権は、昭和五十六年の商法改正において新設されたものであり、株主の意思を株主総会に表明する権利を保障することにより経営者やほかの株主とのコミュニケーションを良くして、形骸化した株主総会の活性化を図ることをその趣旨とするものです。この趣旨に鑑み、今後、政府として、株主提案権及びその行使においてどのような検討を行っていくつもりなのか、大臣にお伺いします。
検討が十分でないのは、株主提案権だけではありません。
社外取締役については、今回、上場会社等について設置が義務付けられることとなります。平成二十六年の会社法改正の附則で、法施行後二年で社外取締役の選任状況等を勘案して検討し、必要があると認めるときには社外取締役を置くとの義務付け等の所要の措置を講ずるものと規定されており、今回それは、それに沿って社外取締役の設置義務の規定を設けるものとしたものだと思われます。
しかし、検討を行う場である法制審議会の部会では、社外取締役の選任のプラス影響は示されず、むしろマイナス影響の可能性が示されたほか、委員からも、十分な実態の検証を経ないでの法改正には反対である旨の意見も多く出されていました。
社外取締役の設置の義務化をするのであれば、企業にとって明確なメリットがなければなりません。これまでの実績として、企業にどのようなメリットがあったのか、そのメリットを享受した割合も含めて、大臣、御答弁ください。
このような分析が十分されていない中で、もう一点大事な点は、社外取締役の能力です。
社外取締役の機能として、経営者又は支配株主と少数株主との間の利益相反の監督を行うことが挙げられています。本来はこのようなことが実践できる人が選ばれなければなりませんが、経営者が知り合いを社外取締役として招くことも珍しくないと言われているだけではなく、一人で何社も掛け持ちをされている方も散見されます。また、官僚の天下り先になっているという指摘もあります。この点から考えると、本当に企業の利益、そしてそこに働く従業員の利益につながるのか、疑問があります。
社外取締役制度の設置の義務化を進めていくのであれば、社外取締役制度の監督機能、能力を高めるべきだと考えます。有能な人材がいなければ、義務化することにより、むしろ企業に不利益が及ぶ場合もあります。優秀な社外取締役の人材はどの程度いらっしゃるのでしょうか。また、その数が十分でないときは、どのように人材を育成していくおつもりなのでしょうか。大臣、明確にお答えください。
また、EUでは、ドイツ、フランス、オランダ、ノルウェー、スウェーデンを始め十三か国に取締役会レベルでの従業員代表役員の選任を規定しています。
ドイツでは、一般に、従業員数が五百人を超える会社では監査役の三分の一、二千人を超える会社では半数が従業員代表となっています。イギリスでは、二〇一八年七月にコーポレートガバナンス・コードを改訂し、従業員の声を反映するために、従業員代表の取締役招聘、従業員に諮問する正式な会議の設置、従業員との対話を担当する非業務執行取締役の配置等の手法を取ることが規定されています。
多様なステークホルダーの声を反映しガバナンスを強化するために、こうした海外の事例も参考に、当面、社外取締役設置の実質義務付けとなっている会社を対象に、従業員から選出する取締役の設置など、取締役会に従業員の意見を反映する仕組みの導入を検討することが必要だと考えますが、大臣のお考えをお伺いします。
次に、取締役の報酬について伺います。
日産のゴーン事件は、我が国の社会に大きな衝撃を与えたとともに、我が国の会社法制についても大きな課題を投げかけました。その一つが、役員報酬の高額化で、特に、株式や新株予約権による報酬、いわゆるインセンティブ報酬が問題となっております。
今回、インセンティブ報酬に関する規定が設けられることになりますが、今までの金銭以外の報酬の規定を具体化したものであり、インセンティブ報酬を付与しやすくするための改正であると言えます。
インセンティブ報酬の高額化に対しては社会的に批判が強くなっております。インセンティブ報酬の過度の高額化の抑制のためにどのような方策を取っているのでしょうか。大臣にお尋ねします。
あわせて、今回の役員報酬の一任を規定することが議論され、再一任には株主総会の決議を要するとする案には、パブリックコメントでの支持も多かったようですが、改正案に再一任についての規定は設けられなかったことは大きな問題です。コーポレートガバナンス上、問題のある役員報酬の再一任を規定する規定を設けなかった理由について、大臣にお尋ねします。
このように、役員報酬が増えていく、そして株主配当も増えていく中で、労働分配率は引き下げられています。我が国の経済を良くしていくためには、家計第一、GDPの六〇%を占める個人消費を伸ばしていく必要があります。そのためには、労働者の賃金を引き上げていかなければならず、そのためにも役員報酬や株主配当を見直す必要があると思います。
そこでお伺いしますが、企業の労働分配率はどの程度まで引き上げるべきでしょうか。大臣、明確にお答えください。
次に、会社補償契約及び役員等賠償責任保険契約についてお尋ねします。
今回の改正案では、いわゆるDアンドO保険について規定が新設されることになりました。会社法上、これらは利益相反取引に該当するか、又は該当する可能性が高いものですが、取締役会が決議をすれば、これらは利益相反取引にならないとするものです。
本来、取締役が負わなければならない責任を取締役会の決議によって会社に負わせることができるとするのはいかなる理由に基づくものでしょうか。
しかも、会社補償もDアンドO保険も、実務上問題なく運用されており、会社法に規定を設ける必要がないとの声が経済界からも上がっておるにもかかわらず、利益相反の観点から問題があるこの制度をわざわざ現場の声を無視してまで会社法に盛り込むのはなぜでしょうか。
法務大臣、会社補償やDアンドO保険の意義、問題点、実務等についての検討が不十分なのではないか、御見解をお伺いします。
次に、株主総会資料の電子提供についてお伺いします。
御高齢者を始めインターネットを利用することが困難な株主も相当いらっしゃると思われます。今回の改正では、そういった株主の利益の保護のため、書面交付請求を求めることとされています。
しかし、現在の書面交付請求の規定は、一度書面交付請求をすればその後はずっと株主総会資料が送付されるという仕組みにはなっておらず、会社は一年ごとに書面交付請求を終了する旨の通告をすることができます。株主はそれに異議を述べないと交付請求は効力を失うことになっていきます。これは、効力を失わせる規定を置かないと、請求をする者が増える一方の、一定の理由があるものであり、合理性があると考えます。
しかし、毎年異議を述べないと書面交付されないというのは、会社の都合を重視して、株主の保護を軽んずるものではないでしょうか。いわゆるデジタルデバイドが生じないようにするために書面交付請求の有効期間を延長すべきであると考えますが、大臣のお考えをお伺いします。
最後に、会社とは一体誰のものでしょうか。
アメリカは資本家のものであるという考え方が主流だと思います。昔の日本はその対極で、企業の経営者も含めて働く人のものという意識が強かったと思います。ヨーロッパはその中間で、株主のものであり、また労働者のものであり、そして地域社会のものであると考えられています。我が国は単純にアメリカ型を目指すべきではないと私は考えています。八割中産階級で幸せだったという時代を考えると、もう少し昔の日本の企業風土を取り戻すべきだと思います。
会社は誰のものであるべきなのか、この点に関して大臣の明確な答弁をお願いして、私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔国務大臣森まさこ君登壇、拍手〕