森まさこの発言 (本会議)

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○国務大臣(森まさこ君) 田村まみ議員にお答えをいたします。
 まず、株主提案権及びその行使に関する今後の検討方針についてお尋ねがありました。
 御指摘のとおり、株主提案権の制度は、経営者と株主との間、又は株主相互間のコミュニケーションを図り、株式会社をより開かれたものとする目的で導入されたものと承知しております。株主提案権のこのような趣旨を踏まえ、また、裁判例の集積や株主総会における運用状況等も踏まえて、引き続き必要な検討をしてまいりたいと考えております。
 次に、社外取締役の選任が企業に与えるメリットについてお尋ねがありました。
 社外取締役の選任が企業価値に与える効果については、実証実験によってはいまだ一貫した結論が得られていない状況にありますが、もっとも、業務執行を行う取締役を監督することなど、社外取締役に期待される役割の内容に照らすと、社外取締役の選任による効果は、企業価値の向上を示す指標の数値等に直ちに表れるとは限らず、これを定量的に示すことはその性質上困難な面があると考えられます。
 他方で、定性的には、社外取締役は、業務執行を行う取締役から独立した立場にあることから、その監督をより適切に行うことを期待することができるものと考えております。
 次に、社外取締役の人材についてお尋ねがありました。
 上場会社における独立社外取締役の内訳としては、他の会社の出身者が約六割を占め、弁護士及び公認会計士がこれに次ぐ割合を占めていると認識をしております。社外取締役の人材育成については、関係団体において各種の取組が進められており、法務省としても、関係省庁と連携して、必要な協力をしていきたいと考えております。
 次に、従業員から選出する取締役の設置等についてお尋ねがありました。
 このような仕組みの導入については、従業員という特定のステークホルダーを代表する立場にある者を取締役に選任することによって、他のステークホルダーとの利益相反が生ずるおそれがあることなどから、慎重な検討が必要であると考えております。取締役会に従業員の意見を反映する仕組みについては、関係省庁とも連携し、各方面での議論を注視してまいりたいと考えております。
 次に、インセンティブ報酬が過度に高額化することを抑制する方策についてお尋ねがありました。
 改正法案においては、報酬の決定手続の透明性を高める観点から、上場会社等において、定款又は株主総会の決議により取締役の個人別の報酬の内容が定められない場合には、取締役会は、取締役の個人別の報酬の内容について決定方針を定めなければならないこととし、さらに、法務省令の改正により決定方針の概要を開示させることを予定しております。
 また、取締役の報酬として当該株式会社の株式等を付与する場合には、定款又は株主総会の決議によって当該株式の数の上限等を定めることとし、この場合についても、報酬決定手続の透明性を高めることとしております。
 次に、役員報酬の決定の再一任についてお尋ねがありました。
 改正法案においては、上場会社等の取締役会に取締役の個人別の報酬等の決定方針を定めさせることとし、さらに、法務省令の改正により決定方針の概要や再一任に関する事項を開示させることを予定しており、これらにより、再一任を含め、取締役の報酬等の決定手続の透明性を高めることとしております。
 これらを踏まえて、改正法案においては、株主総会の決議を要することとする等の再一任を規制する規定を置くこととはしておりません。
 次に、労働者の賃金の引上げについてお尋ねがありました。
 会社が上げた利益の分配の仕方には、御指摘のとおり、役員報酬や株主還元、従業員の賃金など様々なものが存在しております。あるべき労働分配率については、利益の分配の仕方については、基本的には、会社法に定める規律の範囲内で、それぞれの会社において事業環境や事業計画等を踏まえて判断されるべきものであると考えております。
 次に、会社補償やDアンドO保険によって取締役の責任を軽減させることができる理由についてお尋ねがありました。
 会社補償やDアンドO保険には、役員等として優秀な人材を確保するとともに、役員等の職務の執行が萎縮することがないように適切なインセンティブを付与するという意義が認められます。そして、利益相反の問題や役員等の職務の執行の適正性への影響など、懸念される弊害については、改正法案において、利益相反取引に準じた手続規定を設けることなどにより対処することとしており、これらの制度によって会社が費用等を負担することも許容されると考えております。
 次に、会社補償及びDアンドO保険に関する規定を設ける理由についてお尋ねがありました。
 先ほどお答えしたとおり、会社補償及びDアンドO保険には、役員等に対して適切なインセンティブを付与するという意義等が認められます。他方で、会社補償及びDアンドO保険の内容によっては、役員等の職務の執行の適正性が損なわれるおそれがあります。そこで、改正法案においては、会社補償及びDアンドO保険に関する契約を締結するために必要な手続規定等を設け、これらの制度が適切に運用されるよう対処することとしております。
 次に、書面交付請求の有効期間についてお尋ねがありました。
 御指摘のような規律にしたのは、書面交付請求の累積により電子提供制度の意義が減殺されてしまうおそれがあることや、各会社が年に一回定時株主総会を開催していることなどを踏まえたものでございますが、他方で、株主が書面交付の終了の通知に対して異議を述べることは、株主にとって必ずしも大きな負担ではないと考えられます。したがって、改正法案の書面交付請求の制度に関する規律は適切なものであると考えております。
 最後に、会社の在り方についてお尋ねがありました。
 株式会社について言えば、一般に、株式会社は資本の出資者である株主が所有するものであると理解されていると承知しておりますが、なお株式会社には、株主以外にも、従業員、顧客、取引先等の多様なステークホルダーが存在しております。株式会社が持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を達成すれば、それらのステークホルダーの利益にもつながるものと考えております。(拍手)
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発言情報

speech_id: 120015254X00720191127_010

発言者: 森まさこ

speaker_id: 7644

日付: 2019-11-27

院: 参議院

会議名: 本会議