森まさこの発言 (本会議)

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○国務大臣(森まさこ君) 山添拓議員にお答え申し上げます。
 まず、企業における不祥事と改正法案との関係についてお尋ねがありました。
 改正法案の内容は、法制審議会において取りまとめられた要綱を踏まえたものであり、企業における特定の具体的事案に対応すること自体を目的としたものではありませんが、改正法案の提出に至るまでの過程では、企業で不祥事が生じていること等も踏まえた議論がされたものと理解しております。
 次に、社外取締役の不祥事の抑止についてお尋ねがありました。
 企業の不正を防止し、その業務の適正を確保するための体制を整備するに当たっては、法制度を整えるだけでは不十分であり、法制度の趣旨に即してこれを実質的に機能させることが重要であると考えております。
 また、社外取締役による監督の実効性を高めるためには、期待される役割を適切に遂行することができる知見と経験を兼ね備えた者を社外取締役に選任することや、社外取締役の機能が発揮しやすい環境を整備するなどの運用面での取組が重要であると考えております。
 次に、社外取締役の役割についてお尋ねがありました。
 まず、個別の事案に関する事柄についてはお答えを差し控えさせていただきますが、その上で、一般論として申し上げますと、社外取締役には、少数株主を含む全ての株主に共通する株主の共同の利益を代弁する立場にある者として、業務執行者から独立した立場で会社経営の監督を行い、また、経営者あるいは支配株主と少数株主との利益相反の監督を行うという役割を果たすことが期待されているものと考えております。
 次に、潜在的な株主提案権の濫用事案についてお尋ねがありました。
 株主提案権の濫用事案については、裁判等となり、法律雑誌等に公刊されているもののほか、潜在的な事案があるものと考えております。現に経済界からは、株主提案権が濫用的に行使されている事例があり、対応に苦慮しているという指摘がされております。
 これらの事案についても、民法の権利濫用法理によって規制することは可能であると考えられますが、個別具体的な事案において、取締役等が当該提案権の行使が権利の濫用であると判断することは困難な面があると考えております。
 次に、議決権行使書面の閲覧等に関する規律の見直しについてお尋ねがありました。
 議決権行使書面については、株主名簿と同様に、株主の住所等が記載されていることが多く、株主名簿の閲覧等をすることができない場合に、その代わりとして議決権行使書面の閲覧等の請求がされているのではないかとの指摘がされております。
 株主の住所等がそのプライバシーに属する事柄である等を踏まえると、議決権行使書面の閲覧等についても、株主の権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で閲覧等の請求がされた場合など、株主名簿の閲覧等の拒絶事由に当たるような状況がある場合には、これを拒絶することができることを明確化することが相当であると考えております。
 なお、議決権行使書面の閲覧等の在り方については、実務における運用状況や各方面での議論の状況を注視し、必要な検討をしてまいりたいと考えております。
 次に、取締役の個人別の報酬額の開示についてお尋ねがありました。
 我が国における取締役の報酬等の額は欧米と比べれば低い水準にあるとされており、取締役の個人別の報酬等の内容を開示させる意義は必ずしも大きくないと考えられることや、取締役のプライバシーに関する事柄であることなどを考慮し、法制審議会会社法制部会で取りまとめられた要綱においては、取締役の個人別の報酬等の内容について開示を義務付けることとはされなかったものと承知しております。
 もっとも、取締役の報酬に関する開示の在り方については、改正法案が成立した場合には、その施行状況等も注視した上で、今後とも、関係省庁と連携して、必要な検討をしてまいりたいと考えております。
 次に、会社補償及び会社役員賠償責任保険に関する規律についてお尋ねがありました。
 会社補償及びDアンドO保険については、その構造上、役員と会社との利益が相反する側面があること等に鑑み、利益相反取引規制との関係を整理し、規律を明確化する必要があるとの指摘が学界等からされてきました。
 そこで、法制審議会での議論も踏まえ、改正法案においてこれらに関する規律を設けることとしました。
 また、改正法案において、会社補償及び会社役員賠償責任保険に関する規律を設けることで、会社補償やDアンドO保険の適正な運用が確保されれば、役員等が萎縮することなく果断な経営判断を適切に行っていくことができることとなり、役員等や株式会社の利益となるものと考えております。
 最後に、株式会社の所有者についてお尋ねがありました。
 一般に、株式会社は資本の出資者である株主が所有するものであると理解されていると承知しておりますが、そして、株式の利益に資するよう、株式会社が持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現することが期待されております。
 株式会社の企業価値が向上を達成すれば、従業員その他のステークホルダーの利益にもつながるものと考えております。(拍手)
   〔国務大臣菅義偉君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 120015254X00720191127_016

発言者: 森まさこ

speaker_id: 7644

日付: 2019-11-27

院: 参議院

会議名: 本会議