浅田均の発言 (本会議)
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○浅田均君 日本維新の会、浅田均です。
私は、我が党を代表して、日米貿易協定及び日米デジタル貿易協定の締結について承認を求めるの件について、賛成の立場から討論いたします。
日本維新の会は、自由貿易圏の拡大が、人口減少に直面する我が国の経済を持続可能にし、成長させる大きな原動力となるのと同時に、圏内の安全保障にも資するものと考えます。十九世紀にリカードが唱えた比較優位の原理は、今なお妥当性を持ちます。我が党は、そういう意味から、この二つの協定は国益にかなうという観点から議論してきました。
世界のGDPの三割を占める日米両国が自由貿易推進の枠組みを築く意義は小さくありません。保護主義的な通商政策に傾きつつある米国を巨大な自由貿易圏に呼び戻す流れがつくられるとしたら、それは評価に値いたします。また、米中間の貿易摩擦が周辺国に影を落とす中、強固な同盟関係で結ばれる日米の通商関係の安定がもたらす効果も大きいと考えられます。
しかし、方向性、総論は了としても、各論となると問題があるのも事実です。
日米貿易協定について、日本が、米国の抜けたTPPの水準まで農産品の関税で譲歩したのに対し、米国は、TPPで約束していた自動車、自動車部品の関税撤廃を先送りしました。自動車産業保護を訴えるトランプ政権が日本の筋書どおりに関税撤廃に応じるか、なおも不透明であり、また、米国側が追加課税の措置に踏み切る懸念は拭えません。日本が自動車、自動車部品の関税撤廃に向けて温存すべきだった農産品カードを先に切ってしまったことが首を絞める要因になる可能性は否定できません。
また、政府は、本来目指している米国のTPP復帰の道は残されている旨強調していますが、今回の協定が発効すれば米国がTPPに戻るメリットが小さくなるのは自明の理であり、牽強付会と言わざるを得ません。
一方、日米デジタル貿易協定についても、宿題は多くあります。
二十一世紀の石油と呼ばれるデータの流通が国境をまたいで急速に拡大する中、将来を見据えると、物品やサービス貿易よりもデジタル貿易の方がはるかに重要となると考えられます。我が国においても、個人情報や知的財産などのデータを適切に保護しつつ、自由なデータ流通の実現により新たなビジネスモデル創出の土壌をつくることや生産性の向上に取り組むのは急務です。
また、デジタル世界の現実は、私たちの知る現実のはるか遠くにあり、デジタル世界の現実にルールが追い付いていません。そこで、日米が手を組み、高い水準のルール作りを主導できるなら、国内にデータを囲い込もうとする中国などに対抗していく意義は非常に大きいものと考えます。
問題は、世界各国の思惑が複雑に交錯する中で、今回の協定が名実共にデジタル貿易ルールのデファクトスタンダードになり得るかという点です。この点こそが、この協定を評価する基準になると考えます。
今回の協定には、米国のGAFAなど巨大プラットフォーマーやIT産業にとって有利な条項がTPPを強化する形で定められました。日本のプラットフォーマーの取引規模や技術、蓄積、人材などは、どれを取っても米国、そしてもう一つのデジタル大国、中国に大きく後れを取っています。
こうした中、今回の協定が定めるルールで我が国のデジタル経済の成長を軌道に乗せるためには、国内の規制緩和が不可欠であるということも強く主張しておきたいと思います。
さらに、AI化することにより、今や政治や社会を大きく誘導することも可能にする膨大な個人データの管理、規制の標準化が何よりも求められます。
以上、二つの協定について、課題を挙げれば切りがありませんが、我が国の国益にかなう自由貿易の維持発展に向けての土台となるものであります。必要なのは、これまでの通商交渉における反省や教訓を生かし、これからの実を取ることです。
日米貿易協定の次の交渉ステージは発効後四か月で始まり、双方の交渉により合意の上に分野が決まるとのことです。今回交渉した物品分野から知的財産やサービス、金融などへの分野へと交渉範囲が広がることが予想されます。米国は更に強気の姿勢で交渉に臨んでくるのは不可避です。積み残しとなっている自動車、自動車部品の関税撤廃時期を確定することも併せ、交渉は一筋縄ではいかないでしょう。政府に対しては、したたかで粘り強い交渉を切に希望いたします。
日米デジタル貿易協定におきましても、プラットフォーマーに対する中小規模事業者との取引の透明化など競争環境の整備や、データ利用と保護のバランスを十分に踏まえた個人情報取扱いの在り方の策定、経済のデジタル化に対応した国際課税ルールの見直しなどを遅滞なく着実に進め、我が国がデジタル貿易ルールの構築でデファクトスタンダードを確立し、世界を牽引していくことを強く求めて、賛成討論を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)