斉藤鉄夫の発言 (本会議)

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○斉藤鉄夫君 公明党の斉藤鉄夫です。
 私は、公明党を代表して、施政方針演説等政府四演説に対し、総理並びに関係大臣に質問します。(拍手)
 自公連立の第二次安倍政権が発足して七年。
 昨年は、十月の消費税率引上げに合わせて、公明党が導入を主張した軽減税率がスタートしました。先月実施した調査では、全体の約六割が評価すると回答するなど、順調に定着し始めていることがわかりました。
 また、長年訴えてきた教育の無償化も、今春には私立高校の無償化が実現するなど大きく前進しています。
 二〇二〇年度の税制改正では、公明党が粘り強く主張してきた未婚の一人親を寡婦控除の対象に加えることが決まりました。
 こうした成果を着実に生み出す自公政権は、唯一の安定した連立の枠組みとして揺るぎないものになっている、これは著名な政治学者の言葉ですけれども、そのように私たちも確信をいたします。
 一方で、予想を上回る速度で進む少子高齢化、年々激甚化する自然災害や厳しくなる安全保障環境など、解決すべき課題は山積しています。
 これらの難問克服には政治の安定が欠かせません。今こそ、自公連立政権が責任を持って、その知恵を結集し、全世代型社会保障の構築や持続可能な社会づくり、国際社会の平和と安定へ果敢に挑んでいかなければなりません。
 まずは、長期安定がゆえの緩みやおごりを排し、謙虚さと誠実さを持って政権運営に当たり、国民の信頼回復に努めるべきであると強調したい。
 公明党は、引き続き安倍政権を支え、国民に希望と安心をもたらすために、内外の諸課題に全力で取り組んでまいります。
 以下、質問いたします。
 初めに、防災、減災、復興について質問します。
 昨年は台風災害が相次ぎ、各地で甚大な被害が数多く発生しました。
 お亡くなりになられた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、被害に遭われた方々に対し、心よりお見舞いを申し上げます。
 被災地では、厳しい寒さの中、被災者の方々の健康状態が懸念されます。生活再建、農林漁業者や中小・小規模事業者などのなりわい再建への道のりは、いまだ厳しく険しい状況です。また、一昨年発生した豪雨、地震被害などにおいても復興途上であり、政府においては、一日も早く安心した暮らしを取り戻せるよう、きめ細やかな支援に全力を挙げていただきたい。
 公明党も、国と地方のネットワーク力を生かして、被災各地での数多くの声を取りまとめ、政府に対して二度にわたり政策提言を行ってまいりました。
 補正予算案を含む新たな経済対策には、被災河川等の改良復旧を進めるとともに、被災者の生活やなりわいの再建支援など、公明党の提言を踏まえた対策が随所に盛り込まれました。
 また、次の台風シーズンに向けた風水害対策の予算も大幅に拡充しました。これらの対策を進めるため、今国会で補正予算案と来年度予算案の早期成立と円滑な執行を強く求めます。
 加えて、二〇二〇年度は、防災・減災、国土強靱化のための三カ年緊急対策が最終年度を迎えますが、防災・減災対策は三年で終わるものではありません。インフラの老朽化対策も含めた二〇二一年度以降の緊急対策の拡充と継続を強く要請します。安倍総理に答弁を求めます。
 昨年の台風被害では、風水害特有のさまざまな課題や教訓が明らかとなりました。これらを徹底して検証し、今後の気候変動の影響による豪雨の増加等を踏まえたハード、ソフト一体の防災対策を総動員して進めていかなければなりません。
 河道掘削や堤防強化、浸水想定区域やハザードマップの策定、調節池の整備や既設ダムの機能強化、活用、市街地での内水氾濫対策など、総合的な治水対策をどのように進めていくのか。
 また、自治体、気象台、河川事務所などの関係者がしっかりと連携して、河川、気象情報の把握、発信、危険度分布の普及、避難情報の発令、住民避難につながる伝達なども一層の対策が必要です。赤羽国土交通大臣に答弁を求めます。
 二〇二〇年度は、東日本大震災の復興・創生期間の最終年度となる重要な節目を迎えます。
 本年、東京大会の聖火リレーは、かつて震災の原発事故対応の拠点基地にもなった福島のJヴィレッジからスタートし、全国各地をめぐります。野球・ソフトボール、サッカー競技の一部も東北の被災地で開催されます。
 本大会は、復興五輪として、スポーツを通じて被災地の方々を勇気づけ、全世界に対して、復興が進む姿を発信し、これまでの支援に対する感謝を伝える大きなチャンスです。何としても成功させなければなりません。
 昨年、政府は復興の基本方針を閣議決定し、復興庁の設置期間の十年間延長とともに、二〇二一年度以降の復興・創生期間後の取組や組織などの方針を明らかにしました。加えて、同期間後五年目となる二〇二五年度に組織のあり方や復興事業などが再検討されることとなりました。その際には、復興の進捗をよく見きわめながら、被災地の意向を十分に酌み取り、柔軟な対応を図らなければならないと考えます。
 また、被災地の方々が安心して将来に大きな希望を持って復興に取り組んでいけるように、今国会における必要な関連法案の提出、成立を急ぐとともに、必要十分な復興財源を確保すべきです。安倍総理の答弁を求めます。
 日本のみならず、毎年、世界各地で台風、大雨、熱波や寒波などが猛威を振るい、大規模な災害が相次いでいます。人々の生活や安全を脅かすだけでなく、世界じゅうで多くの命が奪われています。今後も、気候変動の影響で台風や集中豪雨などの自然災害は激甚化することが予想され、特に貧困層の人々に深刻な影響をもたらすことが懸念されます。
 昨年のCOP25で、グテーレス国連事務総長は、危険な地球温暖化を抑えられるか、今がまさに節目だと強調しました。地球温暖化がこのまま大きく進んでしまうかどうかの分水嶺に差しかかっています。国連事務総長が述べているように、気候変動を気候緊急事態と捉え、我が国も対策を加速化させなければなりません。その目標として、我が国は、脱炭素社会の構築に向けて、二〇五〇年を視野に、温室効果ガス、CO2の排出を吸収源も含めて実質ゼロにすることを目指すべきです。
 そのためには、温室効果ガス、CO2の最大の排出源である石炭火力発電所の新増設は禁止するなどの思い切った対策が必要ではないでしょうか。もちろん、エネルギーはあらゆる活動の基盤となるものであり、安定供給やコストの視点も欠かせません。この観点から、もう一度、CO2を出さない、若しくは低排出のいろいろなエネルギー源の組合せのベストミックスについて国民的理解を得る冷静な議論が必要と考えます。
 同時に、イノベーションも重要です。CO2の回収、貯蔵、光触媒等を活用したCO2を再利用するカーボンリサイクルの推進や蓄電技術のさらなる進展などを通じて、エネルギーの転換、脱炭素化を追求すべきです。その際、技術開発や基礎研究に携わる研究者が力を十分発揮し、この分野を目指す若者たちの能力を引き出せる環境を整えることも政治の大きな役割です。
 気候変動問題、脱炭素社会、そしてベストミックスについて、総理の見解を求めます。
 プラスチックは、生活に利便性と恩恵をもたらす一方で、海洋ごみ問題が一層深刻さを増しています。政府は、プラスチック資源循環戦略に基づき、資源、廃棄物制約や海洋ごみ等の幅広い課題に対する対策を講じていますが、発生を抑制する象徴的な取組として、本年七月から、レジ袋有料化が実施されます。消費者や事業者、特に中小零細企業の方々が混乱を生じないよう、周知徹底をお願いしたい。また、マイバッグ持参の習慣化などを通じてライフスタイルの変革を促すことも重要です。まずは、我々国会議員が率先して取り組み、国民的な運動へとつなげていくことを提案したいと思います。
 気候変動対策とレジ袋有料化の実施について、小泉環境大臣の見解を求めます。
 全世代型社会保障の構築について伺います。
 昨年十月からは幼児教育、保育が、本年四月からは、世帯の所得制限はありますが、私立高校や大学などが無償化され、全世代型社会保障への取組が大きく前進します。
 公明党は、さらに、年金、医療、介護なども含めた中間提言を取りまとめ、先月、政府に申し入れました。
 年金については、短時間労働者の社会保障を充実するため、厚生年金等の適用拡大が重要です。中小企業への影響に配慮し、一定の時間をかけ、段階的に対象を拡大し、あわせて支援策を充実すべきです。
 高齢期の長期化など、人生百年時代に対応する年金改革も不可欠です。個人の選択により七十五歳からの受給を可能とし、その分一月当たりの年金の増額や、一定の資金を得て働く高齢者の年金を一部停止する在職老齢年金制度の見直しなどを着実に進めていかなければなりません。
 また、働く意欲のある高齢者が能力を十分に発揮できるよう、七十歳までの就業機会の確保や、転職、副業、フリーランスなど働き方の多様化に対応し、労働法制も適切に見直す必要があります。
 人生百年時代に対応した年金改革と労働法制について、安倍総理の答弁を求めます。
 人生百年時代を見据えると、健康寿命の延伸が大きな課題です。そのために特に力強く進めるべきは、介護予防、健康づくりです。
 その重要な役割を担うのが、高齢者が地域で集まり、運動や会食、趣味などを楽しむ通いの場です。公明党は、二年前の代表質問で、その拡充を訴えました。当時、全国に七万カ所程度だった通いの場は、現在十万カ所を超え、着実に増加しています。今後は、通いの場をより魅力的なものにするとともに、地域づくりと重なる部分も多い通いの場の取組を他の地域支援事業とも連携して効果的に実施し、地域包括ケアシステムの深化、推進を図るべきと考えます。
 また、公明党は、認知症の人が安心して自分らしく暮らすことのできる地域づくりも進めてまいりました。中でも、認知症初期集中支援チームは、早期発見、早期対応の支援体制を包括的に行う極めて重要な施策の一つであり、地方議員とも連携しながら推進し、昨年、全ての市町村に設置されました。今後、社会から孤立している人たちへの対応も含め、適切な医療・介護サービス等に速やかにつなげるための取組を強化する必要があり、先進的な事例も踏まえたチームの質の向上が重要です。
 がん対策の強化も欠かせません。
 その柱の一つが、がんの痛みを取り除く緩和ケアの充実ですが、いまだ現場では浸透していません。昨年、私はこの場で、国立がんセンターの調査結果をもとに、終末期のがん患者の方の苦痛からの解放を訴えましたが、この一年、具体的な対応はなされていないと聞きます。早急な対応を求めます。また、がん教育については、その意義が正しく理解されていないため、自治体の取組に差が出ています。教育効果に地域格差が生じないよう、国の指導を徹底すべきです。また、医師等の外部講師の授業は、講師の確保が難しく、文科省と厚労省が連携して対応策を強化していただきたいと思います。
 介護予防、健康づくり、認知症施策の推進、がん対策の強化について、総理の見解を伺います。
 地方都市在住の七十五歳以上の高齢者は、半数以上が自家用車を主な交通手段としている一方、運転免許証の自主返納件数も増加傾向にあります。これを踏まえ、運転免許証を自主返納した高齢者が自家用車に頼らず快適に移動できる交通手段の確保が重要です。
 現在、政府は、高齢者の移動手段の確保に向けて地方交付税措置を講じるなど自治体の取組を後押ししていますが、今後、こうした施策を実施する自治体や事業者との連携を強化しつつ、積極的な支援を講じるべきです。あわせて、電動車椅子や電動アシスト自転車などの小型モビリティーの普及促進に向けた購入支援も必要と考えます。
 他方、高齢運転者の交通事故対策も急務です。
 公明党は、昨年四月に東京都豊島区で発生した高齢運転者による母子死亡事故などの痛ましい事故が相次いでいることを受け、安全運転機能を搭載したサポカー等の普及促進や購入支援の必要性を訴えてきました。その結果、サポカー補助金が本年度の補正予算案に一千百億円程度計上されています。こうした施策の推進によってサポカー等の普及を急速に進めるとともに、既販車に対する後づけ装置の導入支援も有効と考えます。赤羽国土交通大臣の答弁を求めます。
 少子化対策について伺います。
 少子化、人口減少は、想定を上回るペースで進んでいます。子供を産み育てやすい環境を一日も早く整備し、若い世代が結婚や出産の希望を実現できる社会をつくらなければなりません。
 公明党は、児童手当や出産育児一時金の創設、拡充を始め、育児休業制度の充実、待機児童対策、幼児教育の無償化、母子の孤立を防ぐ子育て世代包括支援センターの設置、不妊治療への支援などに一貫して取り組んでまいりました。また、非正規雇用の待遇改善や正社員化など若者の経済的基盤の安定化とともに、結婚や新婚生活への支援を進めてきました。
 少子化対策は待ったなしです。これまでの施策を強化し、必要な財源を確保しながら、若者や子育て世代への投資を大胆に行う必要があります。その支援策をパッケージとして、結婚、子育てを社会全体、ワンチームで応援するという力強いメッセージを明確に発信すべきです。
 少子化対策の抜本的な強化について、安倍総理の決意を伺います。
 世界経済フォーラムの二〇一九年報告書では、日本の男女格差が百五十三カ国中百二十一位という極めて残念な結果でした。スピード感ある対策が急務です。
 昨年成立した改正女性活躍推進法では、セクハラ、マタハラなどの対策強化に加え、女性の活躍に関する行動計画の策定義務づけの対象企業が従業員三百一人以上から百一人以上へ拡大されました。
 育児休業や残業時間などの目標と、それに対する計画や実施状況を企業が公表すれば、働く女性が出産や育児など人生のプランを描きやすくなり、就活女性の企業選びの目安となります。女性活躍の推進には、この裾野の拡大が重要ですが、中小企業にはノウハウが少なく、行動計画策定のサポートや財政的支援等が不可欠です。
 女性活躍の拡大は、多様性を認容する社会の一つの指標であり、地方議員を合わせて女性議員比率が三割を超える公明党が強力に推進する決意でございます。
 女性活躍の取組について、安倍総理の答弁を求めます。
 二〇二〇年度税制改正では、公明党の長年の主張が実り、未婚の一人親を寡婦控除の対象に加えることが決定しました。
 同じ一人親でも婚姻歴の有無によって税制上の差別があり、親の事情で子供たちへの支援に格差が生ずることは、到底容認できません。七年前、この問題を国会で取り上げて以来、公明党は一貫して子供の視点に立って制度の見直しに取り組んできました。
 二〇一三年に与党における検討をスタートさせ、地方議会では未婚の一人親を寡婦控除の対象とみなして保険料などを軽減するみなし適用を進めてきました。その後、各種事業でみなし適用が全国展開され、昨年は、低所得の未婚の一人親の住民税を非課税とすることが決定。そして、本年、全ての一人親家庭の子供に対して公平な税制が実現します。
 未婚の一人親にとっては、税負担の軽減に加え、奨学金など控除後の所得によって算定される支援格差が順次解消され、経済的負担の軽減が進みます。こうした措置ができる限り早く実施されるよう、政府の取組を求めます。
 また、公明党は、一人親家庭の生活を支える児童扶養手当についても、公的年金との併給制限の見直しや多子世帯への加算額の倍増、所得制限の引上げ、支給回数の見直しなど、制度の拡充を実現してきました。
 他方で、障害年金を受給する一人親については、児童扶養手当が支給されないという課題が残されており、公平性の観点から、併給を可能とすべきではないでしょうか。
 寡婦控除の新たな対象者への十分な周知徹底とプライバシーに配慮した制度設計を求めるとともに、一人親の児童扶養手当と障害年金の併給について、総理の答弁を求めます。
 日本経済は、堅調な内需に支えられ、緩やかに回復を続けています。
 心配された消費税率引上げによる影響も、軽減税率や二・三兆円の対策が功を奏し、駆け込み需要、反動減を小幅に抑え、景気の腰折れを防ぐことに成功しました。
 特に、軽減税率については、昨年十二月に我が党が民間調査会社に委託して行った全国一万人電話調査によれば、約六割の方が評価すると回答し、全ての年代において、評価するが上回りました。その理由として最も多かったのは、食品の税率が据え置かれて安心だからです。軽減税率は、その目的どおり、国民の日々の生活に大きな安心感を与え、痛税感を和らげています。
 力強い日本経済の実現に向け、本年は、引き続き、消費税率引上げによる消費マインドに留意しつつ、特に災害からの復旧復興、生活、なりわいの再建を急ぐとともに、海外経済による下振れリスクに対し、機動的かつ万全な対応が求められます。総合経済対策の迅速かつ着実な実行によって、厳しい中でも果敢にリスクをとって挑戦する方々をしっかり支え、経済好循環のさらなる拡大を実現しなければなりません。
 日本経済の屋台骨を支える中小・小規模事業者の生産性向上と賃上げへの支援が極めて重要です。
 公明党は、ものづくり補助金や業務改善助成金など、生産性向上を後押しする施策を強力に進めてきました。今後は、時間外労働の上限規制や被用者保険の適用拡大なども見据え、事業者が設備投資や従業員の賃上げに果敢に取り組めるよう、各種補助金や助成金の拡充、価格転嫁対策を含めた下請取引のさらなる改善を行わなければなりません。
 他方、事業承継も緊急の課題です。公明党は、個人保証を不要にする新たな信用保証制度の構築に取り組んできました。今後は、これに加えて、全国に設置されている事業引継ぎ支援センターの機能強化を進めるなど、後継者未定の事業者が円滑に技術や雇用を次世代に引き継げるよう、第三者への承継支援を抜本的に講じるべきです。
 中小・小規模事業者支援について、総理の答弁を求めます。
 農林水産業の活性化について質問をいたします。
 日米貿易協定が発効し、TPP11協定等とあわせ、世界の国内総生産の約六割を占める巨大な自由貿易圏が誕生しました。新たな市場拡大の好機となり、農林水産物・食品の輸出額アップと所得の増大が見込まれます。世界的な和食ブームや東京大会なども追い風に、高品質な日本ブランドが世界へ広がることが期待されます。
 しかし、農林漁業者は、高齢化と担い手不足という難題に直面しています。需要拡大に対応した生産基盤の安定には、規模拡大だけではなく、その悩みを抱える家族経営など中小規模の生産者への支援も重要です。
 国内で、豚やイノシシの病気であるCSF、豚熱が猛威を振るっています。早期終息のため、引き続き、飼養衛生管理の徹底や野生イノシシ対策の強化、被害を受けた方の早期経営再建に向けた対策を講じた上で、風評被害防止策にもしっかり取り組む必要があります。
 一方、効果的なワクチンがないASF、アフリカ豚熱の感染が中国や韓国などのアジア地域で拡大しています。対岸の火事とせずに、水際対策の強化と、万が一の場合には、予防的殺処分を万全の体制で実施すべきです。その際には、農家全体への理解を得るよう努めていただきたい。
 農林水産業の活性化やCSF、ASF対策について、安倍総理に見解を求めます。
 中国の武漢市において、新型のコロナウイルスが原因と見られる肺炎発症が相次ぎ、世界的な感染拡大が懸念されています。今月十六日には、このウイルスの感染者が国内で初めて確認されました。
 中国では今月下旬から春節の長期休暇に入ることから、多くの中国人観光客の訪日が予想されます。そのため、まずは、検疫所における健康状態の確認など、水際対策の徹底に万全を尽くすようお願いしたい。
 あわせて、国際的な連携強化により、人から人への感染があり得るのかどうか、感染ルートなどを早期に解明し、それに基づいた対応策を講じなければなりません。
 さらなる感染拡大の防止に向けて、関係省庁が緊密に連携し、万全を期すとともに、国民に対して迅速かつ的確な情報発信に努めていただきたい。
 新型コロナウイルスの感染拡大防止に向けた対策強化について、総理の見解を伺います。
 昨年末から、アメリカとイランが互いに軍事攻撃を行うなど、中東情勢は高い緊張状態となっています。ひとまず最悪の事態は免れましたが、引き続き注視が必要な状況です。そのような中で、総理がサウジアラビアなど中東三カ国を訪問され、地域情勢などについて意見交換し、日本の取組への理解を深めてこられたことを高く評価します。
 中東地域は、日本の原油輸入量の約九割を占めるエネルギー供給源であり、国際社会の平和と安定にとっても極めて重要な地域です。海上封鎖されるようなことがあれば、我が国経済にとって重大な危機です。それを防ぐためにも、米国と同盟関係を結び、イランとも友好関係にある我が国は、緊張緩和と地域の安定を目指し、最大限の外交努力を尽くさなければならないと考えます。
 日本関係船舶が昨年六月に攻撃を受けるなどの事件が相次いだことを受けて、中東地域における日本関係船舶の安全確保に必要な情報収集態勢強化のため、日本独自の取組として、自衛隊が派遣されます。
 日本関係船舶の安全確保に役立てるため、周辺地域で幅広い情報を集める必要があります。現地周辺で活動中の米国など、各国軍からの情報収集も重要です。しかし、派遣の必要性や目的、なぜ自衛隊派遣なのか、そして、緊張状態の続く中東地域で自衛隊の安全が確保できるのかなど、国民に十分に理解されているとは言えません。政府には丁寧な説明を求めたい。
 今回の派遣の根拠は防衛省設置法の調査研究であり、本来は防衛大臣の命令で実施できるものです。しかし、公明党の主張により、中東地域への派遣という重要性や特殊性を考慮し、閣議決定としたのを始め、派遣期間を一年間に限定し、延長などの際には新たな閣議決定や国会報告を義務づけるなど、しっかりと民主的な歯どめをかけることができました。
 中東情勢への対応と同地域への自衛隊派遣について、総理の答弁を求めます。
 次に、核軍縮への取組について伺います。
 ことしは、広島、長崎への原爆投下から七十五年という節目を迎えます。当事者である日本は、核兵器のない世界の実現へ、主導的役割が求められています。一方で、昨今の核軍縮、核不拡散を取り巻く情勢は、北朝鮮の核・ミサイル問題や、核兵器保有国と非保有国の見解に大きな溝があるなど、困難な状況にあります。
 こうした中、ことし四月から五月にかけて、核兵器不拡散条約、NPTの運用検討会議がニューヨークの国連本部で開催されます。今回は、NPT発効五十年であり、日本として取り組んできた、核兵器保有国と非保有国の橋渡し役を担う賢人会議の実施や、国連総会で採択された核兵器のない世界に向けた決議の提出などが実るよう、積極的な行動が求められていると思います。
 核軍縮の進展に向けた総理の決意を伺います。
 今、広島に残る最大級の被爆建物である旧陸軍被服支廠の解体をめぐって大きな議論となっています。
 平和学習などに活用されてきた同建物ですが、劣化が進み、地震による倒壊の危険性があります。そこで、広島県は、所有する三棟について、巨額の費用がかかる保存、耐震改修はせず、二棟を解体、撤去、一棟を外観保存するとの原案を示していますが、全てを残してこそ、被爆の実相を後世に伝える訴求力があると確信いたします。
 敷地内の他の一棟は、国の所有です。そこで、国として、積極的に県と話し合い、貴重な被爆遺構保存に向けた支援策を打ち出していただきたい。自治体任せではなく、国がリーダーシップを発揮し、核兵器の非人道性や戦争の悲劇、愚かさを伝える平和学習拠点として活用することで、唯一の戦争被爆国である日本の姿勢を国内外に発信すべきではないでしょうか。総理の見解を伺います。
 最後に一言申し上げます。
 昨年十一月、結党五十五年を迎えた公明党は、「大衆とともに」の結党の精神を堅持し、地方と国のネットワークの力で、生活者の声を政治に反映してきました。
 昨年は、全国規模の調査を二回実施し、政策提言するなど、その姿勢は全く変わっていません。本年も、「小さな声を、聴く力」をより一層実践していきたいと決意しております。
 これからも公明党は、国民のニーズを的確に捉え、内外の難題解決へ全力を挙げていくことをお誓いし、代表質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
    〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕

発言情報

speech_id: 120105254X00320200123_003

発言者: 斉藤鉄夫

speaker_id: 16806

日付: 2020-01-23

院: 衆議院

会議名: 本会議