赤羽一嘉の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○国務大臣(赤羽一嘉君) 矢上雅義議員にお答えいたします。
まず、地域公共交通に関する現状認識と本法案の提出に至る基本的な考え方についてお尋ねがありました。
現在、多くの地域で、人口減少の本格化に伴い、バスを始めとする公共交通サービスの需要の縮小や経営の悪化、運転者不足の深刻化など、厳しい状況に直面しています。
他方、高齢者の運転免許の返納が年々増加し、受皿としての移動手段を確保することがますます重要な課題になっております。
このような状況に対し、国土交通省として、まずはバス、タクシーの労働力の確保とサービスの維持や改善を図りながら、過疎地などについては、スクールバスや福祉車両等の地域の輸送資源を総動員して移動ニーズに対応すること、その際、MaaS、AIによる配車、自動運転などの最新技術も最大限活用し、生産性を向上しつつ、地域の高齢者はもとより、外国人旅行者も含めた幅広い利用者に使いやすいサービスが提供されることが必要であると考えております。
このため、本法案において、地域における移動ニーズに対し、きめ細やかに対応できる立場にある市町村等が中心となってこうした取組を進めるよう促すとともに、国として財政面やノウハウ面でしっかり支援していきたいと考えております。
次に、本法案と独占禁止法特例法案との関係についてお尋ねがございました。
地方都市などのバス交通については、取り巻く環境の厳しさから、地域内の事業者同士が連携し、サービスの改善や効率性の向上に取り組みたいとの御要望が多く寄せられております。
しかしながら、現行の独占禁止法では、矢上議員の御指摘のとおり、複数のバス事業者間でダイヤ、運賃の調整などを行うことはカルテル規制に抵触するおそれがあることから、このたび、独占禁止法特例法案において、一定の場合にこれを適用除外とすることとしております。
国土交通省におきましては、この特例法案と連動し、市町村等が策定する計画のもとで、バス事業者が共同で等間隔運行や定額制乗り放題運賃などに取り組む場合、その手続を簡素化する制度を創設することとしております。
両法案の制度を一体的に活用し、地方都市のバス交通の利便性向上と運行効率化を図ってまいります。
次に、今後のディマンド交通への支援についてお尋ねがございました。
国土交通省では、これまで、ディマンド交通については、数値目標を定めた上で、国費補助による支援などを行って導入を促進してきたところです。
本法案におきましては、路線バスの維持が困難となった場合などにおいて、市町村等が、関係者と協議し、地域の実情に応じたディマンド交通などの移動手段を導入しやすくする制度を盛り込んでおるところでございます。
地域における協議に際しては、地方運輸局等を通じ、ディマンド交通のメリットを周知し、更に普及が進むよう支援していきたいと考えております。
自家用有償旅客運送の実施の円滑化の措置の内容及びその効果並びにライドシェアの導入につながるおそれについてお尋ねがございました。
自家用有償旅客運送制度について、本法案においては、第一に、市町村等が交通事業者に運行管理、車両整備等を委託するインセンティブを拡大するなど、交通事業者のノウハウを活用して、より効率的な運送を促すこと、第二に、地域住民に加え、観光客を含む来訪者についても広く輸送の対象にすることなどの措置を講じているところです。
これにより、市町村等の業務負担の軽減、観光客の移動ニーズに応えられることが期待されます。
なお、ライドシェアは、自家用車のドライバーのみが運送責任を負う形態を前提としており、安全の確保などの問題があるため、国土交通省としては認めるわけにはいかないと考えており、この考えは従来から全く変わっておりません。
一方、自家用有償旅客運送は、道路運送法による登録を受け、市町村等が、運行管理等の措置や事故の際の賠償等を行う体制を整備し、利用者の安全、安心を確保することとしており、ライドシェアとは全く異なるものと認識をしております。
したがいまして、自家用有償旅客運送の実施の円滑化がライドシェアの導入につながるとは考えておりません。
次に、新たなテクノロジーを踏まえた上での地域の移動手段の確保及び充実に向けた決意についてお尋ねがございました。
過疎地等においては、将来的には自動運転による移動サービスの提供が効果的な対策になると考えられる一方で、これが本格的に普及するまでの間は、AIによる配車やMaaSなどを最大限活用し、交通サービスをより使いやすくしていかなければならないと考えております。
このような考えに基づき、本法案におきましては、地域の実情に応じ、AI配車のディマンド交通を導入しやすくする制度や、MaaSのプロジェクトごとに地域の幅広い関係者が連携して事業に取り組める制度を盛り込んだところでございます。
これらの制度を的確に運用し、みずからの運転に頼らずに暮らせる社会の実現に努めてまいります。
最後に、新型コロナウイルス感染症により交通分野で生じた影響への対策についてお尋ねがございました。
地域公共交通の各業界では、二月以後、利用者数や予約が大幅に減少し、事業経営に極めて深刻な影響が生じております。また、物流業界においても、輸出入関係などの運送の減少により、今後の見通しを不安視する声が出ております。
昨日、私自身も、第四回新型コロナウイルス感染症の実体経済への影響に関する集中ヒアリングに出席したところでございますが、業界の代表者からは、雇用調整助成金の助成率の引上げや日数の延長などの雇用確保対策のさらなる強化、既往債務の返済猶予など柔軟な資金繰り対策の実行、手続の簡素化及び迅速化、また、公租公課や公共料金の支払い猶予や減免措置並びに事態収束後を見据えた大規模な需要喚起策の実施などについて、切実な御意見や御要望が出されました。
国土交通省といたしまして、政府全体の早期収束に向けた取組の中で、所管業界の状況をきめ細かく把握しつつ、御要望に全力でお応えし、内外の経済の動向や国民生活への影響等についてしっかり見きわめ、反転攻勢に向けた効果的な施策が講じられるよう、必要な対応について万全を期してまいります。
以上でございます。(拍手)
〔国務大臣麻生太郎君登壇〕