岩井茂樹の発言 (決算委員会)

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○岩井茂樹君 ただいまの説明で、繰越額が多いことが、予算執行上使い切れていないというわけではないということは理解が少しできました。
 ただ、懸念されるのは、中長期的な建設業の担い手の確保という点でありまして、お配りの資料一を見ていただければと思うんですけれども、我が国の建設業の就業者数は平成九年、一九九七年の六百八十五万人をピークに、二〇〇〇年代にかけて減少が続き、二〇一〇年以降は約五百万人で推移をしている状況です。
 一方、建設投資は平成四年、一九九二年度の八十四兆円をピークに、二〇一〇年度まで減少傾向が続き、その後は、東日本大震災の復興需要とか民間投資の回復により幾分増加の傾向にあります。
 これから先の仕事が見通せれば、建設業の担い手を確保していくことはなかなか難しいわけでありまして、現場の声を伺うと、地方公共団体からは、限られた予算の中では簡単に職員、特に技術系の職員ですけれども、そういう者を増やせない。業界側からは、公共事業が減らされるか分からない中では計画的に社員を雇用したり建設機械等の購入をしたりすることができない、先々の見通しすら立てられない、そのような意見が聞かれます。
 このような状況が生まれた理由は、社会資本整備重点計画を眺めると何となく私は分かるような気がしていまして、そもそも社会資本整備重点計画というのは、事業を重点的、効果的かつ効率的に推進するために策定をされたものであります。今まで第一次から第四次まで策定をされておりますけれども、中身がだんだん変わってきているのではないかなと、こういうふうに感じています。
 第一次の計画の目的には明記されていなかった言葉が、なぜか第二次、第三次、新しい枕言葉として入ってきています。その言葉は、「限られた財源の中で」という言葉です。第四次に至ると、この言葉はなくなっているんですけれども、その代わりに、「「経済・財政再生計画」を踏まえ、社会資本整備についても経済再生と財政健全化に貢献していくことが求められる。」と明記されています。
 いや、ちょっと待ってください。社会資本整備が経済再生と財政健全化に貢献しなくてはならない、確かにそういう面もあるんですけど、私はこの言葉に非常に違和感を覚えています。
 国土交通省の仕事は、水害、地震、火山災害等の災害などから国民の生命、財産、生活を守ることであります。財源が足りないからといって、この責務を捨てるわけにはいかない。ましてや、なぜ社会資本整備が経済再生と財政健全化に貢献しなくてはならないのか。
 確かに、インフラの整備に関して重点的、効果的かつ効率的に進めることは重要な視点です。しかし、国土交通省の皆さんの最優先にしなくてはならないことは、財政健全化ではなく、国民の生命と財産、そして生活を守ることではないでしょうか。公共事業をめぐる環境が厳しくなっている理由、それは、財政健全化というところを考え過ぎて社会資本整備を抑制し過ぎ、建設業の就業者数を激減させ、地域の安心、安全を守る防人でもある地方の建設産業の足腰を決定的に弱めてしまったのではないでしょうか。
 一方、近年、気候変動による災害が激甚化、頻発化することに対応ができなくなってきている、これが実際問題、真実ではないでしょうか。もし経済や財政健全化を意識し過ぎて必要な社会資本整備が行えないようになっているのであれば、それは考え方を変えていただかなければなりません。忘れてならないのは、人が減ったとしても災害は減りません。むしろ、激甚化、頻発化しているということであります。
 人口減少社会の中で、地域の人口が激減をしていく、でも我が国の国土面積は変わりません。国土をどうやって維持管理していくのか。老朽化問題だってあります。加えて、近年、想定を超えた豪雨災害が頻発し、その被害も甚大になっているし、インフラの整備をしようにも、人手不足で思うように必要なインフラの整備が進まない。そのような状況の中で、必要なインフラの整備とは一体どのようなものなのか、しっかりビジョンを固めることが私は必要だと思います。
 そこで、質問です。現在、人口減少とそれに伴う人手不足、そして財源も足りなく、災害も激甚化、頻発化するという三重苦。昔は国土の均衡ある発展ということでやってまいりました。この考え方をこれからも引き継いでいくのか、国土交通省に国土政策の観点も交えてお答え願います。

発言情報

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発言者: 岩井茂樹

speaker_id: 17305

日付: 2020-05-18

院: 参議院

会議名: 決算委員会