石垣のりこの発言 (国民生活・経済に関する調査会)
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○石垣のりこ君 立憲・国民.新緑風会・社民の石垣のりこでございます。
今国会における国民生活・経済に関する調査会では、誰もが安心できる社会の実現に向けて、困難を抱える人々の調査としまして子供と外国人が取り上げられました。
参考人である研究者の調査結果ですとか、NPOの活動を通じた現場のリアルな経験からの問題提起はいずれも示唆に富んだものであり、ともすれば観念的になりがちな国会という場での議論に、当事者である人々、まさに政治の力が必要な声なき声を発している人々の置かれた複雑な状況や心の機微を伝えてくれる貴重な機会となりました。
子どもをめぐる諸問題の参考人質疑では、貧困問題が中心となりました。
先進国であるはずの日本における子供の貧困率は二〇一五年で一三・四%、実に子供の七人に一人が貧困です。世界三位を誇る日本のGDPの内実は、一部の持てる者と多数の持たざる者との貧富の差から成り立つ格差社会と言えます。社会構造上生み出された個人の努力では抗し難い貧困の連鎖を自己責任論にすり替えて放置し、富の再配分という国の、また租税の基本的役割を十分に機能させないまま社会を崩壊させていくことを是とするのが現政権が進める新自由主義の政策とも言えます。
くしくも、今般のコロナ危機において、自らも感染し生還したイギリスのボリス・ジョンソン首相は、自己隔離中に、ゼア・イズ・サッチ・シング・アズ・ソサエティー、社会というものはまさに存在すると語りました。ボリス・ジョンソン首相は、新自由主義の象徴的存在であるサッチャー首相の再来とも言われる人物です。そのボリス・ジョンソン首相がそう語ったのです。この発言は、言うまでもなく、一九八七年、エイズ危機におけるサッチャー首相の発言、ゼア・イズ・ノー・サッチ・シング・アズ・ソサエティー、社会などというものは存在しないという発言を受けてのものであることは皆さんも御存じのことと思います。
あのボリス・ジョンソン首相ですら新自由主義からの決別を宣言している今日、日本が、誰もが安心できる社会の実現のためにも、安易な自己責任論を推し進め、消費税を上げて所得税や法人税を下げる格差拡大の新自由主義から卒業する時期に来ているのではないかと考えます。
子供の貧困を考える上でも同様です。その際の視点として参考人から示されました、一つ、子供の貧困対策は福祉ではなく将来への投資であり、社会全体で取り組むべき課題であること、二つ、時間的資源を確保することという提言は留意すべき点であると考えます。
一つ目については、貧困の連鎖を自己責任論に収れんさせず、経済的負担などの家族への依存度を下げていく必要性について、例えば授業料や給食費の無償化などを実現することであり、二つ目の時間的資源を確保するについては、子供の貧困の改善イコール保護者の所得を増やすために際限なく労働に時間を割くのではなく、子供とのコミュニケーションの時間や本人のゆとり時間も考慮する、そうした時間的資源という観点から様々な政策を考えていかないと本質的な改善につながらないという指摘です。この時間的資源の確保という生活の質に関わる観点は、誰もが安心できる社会の実現という大きな課題に取り組む上で欠かすことのできない視点であると考えます。
外国人をめぐる諸問題では、この国で生活実態のある全ての人々を取り巻く多文化共生のもろもろの課題や、外国人の子供の教育、健康問題などが取り上げられました。
根本的には、日本が国際社会の中で先進国の一員として今後どのように外国人を受け入れて共に生きていくのか、人権の尊重を軸に社会の在り方を見直していく必要があります。
しかし、殊に人権意識に関しては、残念ながら、日本は国際社会から多くの勧告を受けているものの、なかなか目に見える形での改善が進んでいないのが現状です。今般のコロナ禍における外国人への支援の在り方においても、より一層日本における人権意識の低さが明るみになったのではないかと思います。
調査会では、参考人により示された子供や外国人をめぐる諸問題、多岐にわたります。今後は、その課題を更に掘り下げて検証するために、有用なデータを丁寧かつ大規模、そして継続的に行っていくことが必要と考えます。
子供の貧困でいえば、例えば国民生活基礎調査における日本の相対的貧困率のデータはあるものの、地域別の貧困の現状についてはどうか。参考人によって示された北海道の実態調査のような一地域の個別のデータはあっても、全国の実態をより詳細に把握し問題点を可視化し得るようなデータが不足しているのではないでしょうか。
子供の貧困に関しては、政府が、今年度、統一指標を用いた全国調査を実施する予定ということですから、そうしたデータも踏まえて、さらに、誰もが安心できる社会の実現のために更に調査を深めていくことが肝要であると考えます。
以上です。ありがとうございました。