岩瀬昇の発言 (資源エネルギーに関する調査会)
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○参考人(岩瀬昇君) 飛ばしたページなので、皆さん、お手元の資料を見ていただきたいんですけれども。
ロシアについて私が気になっていることとして書き出しましたのが、まず、強いロシアを目指す、これはプーチン大統領が二〇〇〇年に就任して以来一貫して目指して、実際に実行している政策でございます。これはやはり、ソ連が崩壊したことによって、九〇年代、とんでもない状態になったというところから再び強いロシアを目指そうとしてやっている。ロシアの中身を見てみますと、石油と天然ガスの生産、輸出が圧倒的なシェアを占めているんですね。これは、石油・ガス立国だと言っていいと思います。
東方シフトと書きましたのは、これはたしか二〇一三年だと思うんですけれども、二〇三〇年のロシアのエネルギー供給というかエネルギー政策はどうあるべきかという論文がロシアで出されていまして、それが翻訳されたやつがあって、それを読むと、二〇一三年の段階で既に今後のロシアの新しい石油、新しい天然ガスの生産地は東へ移動していくと。今、西シベリアが中心なんですけれども、もっと東に移動していく、したがってマーケットも東に求めるべきであるというのが、その二〇一三年に発表された二〇三〇年までを見据えたロシアのエネルギー政策。
実は、二〇一四年、一五年ぐらいの段階では恐らく次の十年を見通した二〇四〇年までというのを出そうとしていたんですけれども、二〇一四年末に原油価格が暴落をして、ルーブルも暴落をして、とんでもない、そんなことやってられないということで出ていないんですね。
したがって、今は石油、天然ガス共に、石油の方は恐らく九十何%、まあ中国と日本に来ていますので、まあ九〇%ぐらいかもしれませんけれど、ヨーロッパへ行っているんです。天然ガスは、もうパイプライン網がヨーロッパにつながっていますので、これも九割ぐらいがヨーロッパへ行っている。サハリンのLNGがありますので、日本にも来ている部分があるんですけれどもね。
これを今、中国との間に原油のパイプラインを結びましたし、天然ガスのパイプラインもようやくつながったという報道がありますので、やはり東へ移動していくというのは非常にロシアから見ると当然の政策をしている。それを承知の上でどう付き合っていくかというのが我が国に求められていることだろうと思います。
四十ドルで大丈夫と書いたのは、今、先ほどお話ありましたけれども、OPECプラスとして協調減産どうすべきかと。五十ドルを割るような状態になっているので何かしなきゃいけないということで、今彼らは協議をしています。実際、先週、OPECプラスとしてのジョイントテクニカルコミッティーという、技術部門の分析をしてレコメンデーションを上げるわけですけれども、そこの会議の結果、レコメンデーションとしては、追加六十万BDのカットをするということで上げているんですけれども、ロシアはそれに対してまだうんともすんとも言っていない、検討していますというふうにしか言っていない。
それはなぜかというと、ロシアの国家予算というのは原油価格四十ドルで見ているんです。なので、四十ドルに近づかない限りは彼らは重い腰を上げないだろうと思います。振り返れば、二〇一七年の頭から協調減産始まっているんですけれども、その協議が本格化したのは、二〇一六年の頭に三十ドル割れしたときなんですね。さすがにロシアも尻に火が付いて、サウジとの協調減産への協議を始めたということがございます。したがって、四十ドルで大丈夫。
ところが、サウジは今赤字予算を組んでいますので、赤字予算をバランスされる原油価格は幾らかというのをIMFが計算をしているんですけれども、八十三ドルとか言っているんですよね。なので、八十ドル無理にしても、やっぱり七十ドルぐらいは欲しいというのが恐らくサウジの本音だろう。したがって、今の価格では不十分なので、何とか減産をしてでも価格を押し上げたいと思っている。ところが、ロシアは今申し上げましたように四十ドルで十分なものですから、なかなかそうは簡単にいかないのではないかなというのが、私が下押しするリスクが高いと思っている一つの理由です。
最後に、北樺太石油の教訓と突然出てきて驚かれるかもしれませんけれども、ジャパンフラッグの歴史上最初の原油というのはアラビア石油じゃないんですね。北樺太石油というのが戦前あったんです。その北樺太石油の利権契約を結ぶときから最後撤退を余儀なくされるまでの歴史、これは私、二冊目の本を書くときに勉強したんですけれども、それを読むと、ロシアは我々とは違うルールでゲームをしている相手なんだということを認識して交渉に臨むべきだというのが、この北樺太石油の教訓ということの意味でございます。
以上です。