片山虎之助の発言 (本会議)

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○片山虎之助君 日本維新の会の片山虎之助です。
 私は、我が党を代表して、安倍総理に質問いたします。
 我が党は、結党以来、健全な第三極を目指し、是々非々路線に立つ提案型野党として国会における合意形成に努力し、与党との間でも多くの法案の修正協議をまとめてまいりました。また、現在、身を切る改革として我が党独自で、歳費の手取り額の二割相当額である十八万円を毎月拠出し、被災自治体等へ寄附する、企業・団体献金は受け取らない等を実行しています。
 昨年の通常国会において、参議院議員定数が六増されたことに対する歳出削減ということで、三年間歳費を月七万七千円を目安に自主返納できる制度が成立しました。我が党は、参院のみでなく衆院も削減すべきであり、また三年間に限るべきでないと反対しましたが、法案は成立し、趣旨には賛成ですから、我が党は全員が自主返納しております。しかし、法案に賛成した会派に自主返納しない議員が多く、これはちょっとびっくりしております。
 政治は、信なくば立たずです。国民の代表である国会議員がまず身を切る改革を身をもって示すことが、国民の信頼をつなげると私は愚直に信じています。総理の御所見をお伺いします。
 我が党は、三年半前に、三項目の憲法改正案をまとめ、公表しました。しかし、衆参の憲法審査会では一度も審議されていません。そもそも、現憲法は、今日まで七十年以上も最終決定権者である国民が参画せず、国民投票も行われておりません。これは致命的な欠陥です。そして、現状は、憲法審査会の審議が衆院では開かれたのは二年ぶり、参院では依然として開かれずであります。現在の国民は憲法改正に関心がないから国会で審議する必要はないなど、憲法と国民を共に愚弄した意見が堂々とまかり通っています。憲法審査会の運営は、全会派、特に日程は野党第一会派の同意を要する慣例ですが、政局から切り離す意図で行われたこのことが、現状では逆に作用しております。
 まず行うべきことは、憲法審査会では、現在五国会連続で継続審査の国民投票法改正案を早急に成立させ、引き続いて憲法と各会派の改正案の徹底した議論を始めることです。私は、決定権者である国民に憲法やその改正案について十分な情報と知識を提供することは、発議とともに国会の重要な役割だと考えていますが、間違いでしょうか。
 そして、現状の硬直した事態を打開するためには、最終的には国民の本心を聞いてみる選択しか残されていないのではないかと考えます。自民党総裁としての総理の御所見をお伺いしたい。
 昨年も災害が相次ぎました。自然災害が日常化してきた感があり、人口減少と並ぶ国難だと言う人さえいます。わけても、台風十五号は観測史上最も強い暴風を記録し、台風十九号は記録的な大雨をもたらし、いずれも東日本を中心に、河川の氾濫や浸水、土砂崩れなどにより百名以上の尊い人命が失われました。損壊や浸水などの住宅被害は十六万棟を超え、今なお多くの方々が不自由な生活を余儀なくされています。
 火災も、沖縄首里城や放火の京都アニメーションが燃え、世間に衝撃を与えました。
 我が党は、これらに鑑み、党内に防災PTを立ち上げ、災害から国民の命を守るための対策をまとめて公表し、政府にも申し入れました。改めて、重点的な何項目かを総理にお尋ねします。
 一、避難情報の抜本的な改善。レベル基準を更に統一し、表現を改めること。避難指示・命令に実効性を持たせること。二、全壊、半壊の被害基準を見直すとともに、地震、水害、風害と災害状況に合わせた基準を構築すること。停電ゼロ、二十四時間以内に復旧することを意味しますが、の実現に努めること。三、災害廃棄物処理に総合力を結集。特に、民間事業者も協定で参加できるようにすること。四、避難所におけるプライバシーが尊重され、常時温かい食事やトイレの質、量の確保がなされること。五、災害時に外国人の情報提供と支援を行うことであります。
 桜を見る会は、各界で功績や功労のあった方たちを慰労する内閣の公的行事のはずです。ところが、現在、公私混同、私物化などの強い批判を浴びています。桜を見る会の参加者は、二〇一九年には一万八千人余とのことですが、二〇一五年から二〇一九年の予算を見れば、八千人を前提に毎年千七百六十六万円を計上しています。国会審議はこの過小に見積もられた予算案で何度も行われてきたわけで、私は、これは国会軽視だと思います。しかも、それが恒常化しています。幸い来年度はありませんが、このことについての政府は反省はありますか。
 菅官房長官は十日の会合で、桜関係の名簿の廃棄等について、公文書管理法に違反する対応だったと認めました。この違法な文書廃棄により、行政の説明責任を果たさないだけでなく、国民の知る権利も侵害しています。国会と国民への説明責任を果たすためには、公文書管理及び情報公開の徹底は欠かせません。
 我が党は、既に議員立法として公文書管理法改正案を国会に何度も提出しております。これを早急に成立させたいと考えますが、自民党総裁としての総理の御協力をお願いいたします。
 IR問題については、既に衆院議員が逮捕され、我が党の議員も献金を受けていました。誠に遺憾であります。しかし、献金問題と統合型リゾート整備は別次元の話で、分けて考えなければなりません。統合型リゾートが二〇一〇年にオープンしたシンガポールのリー・シェンロン首相もNot a Casino,but an IRと言っており、統合型リゾートはカジノだけでなく大人や子供も楽しめる国際競争力の高い滞在型の観光施設であり、外国人観光客誘致や地域振興などを強力に後押しするもので、これまでも様々な議論や検討を経て我が国でも関係法令が制定されています。
 確かに、全力を挙げても、依存症をどこまで抑止できるか、暴力団など反社会的勢力をどこまで排除できるか等の懸念や、法律上も本人、家族の申出による利用制限措置などの手当ても可能ですが、こちらも懸念を完全にゼロにすることはなかなか難しい。しかし、最後は、実施自治体が住民の同意を基に決断をし、やりたいというなら任せるのが地方自治だと私は思います。
 現在、大阪府などで行われているIR事業者への対処方針は大変に厳重なものです。政府は政府として万般の対応をし、実施自治体は大阪府などのように独自の取組を加え万全の措置で臨む、仮にそれがうまくいかなければ責任を取る、それで十分ではないかと私は思いますが、いかがですか。
 本年は安保改定六十周年という節目の年です。当時、学生中心の反対運動で大騒動となりましたが、安保改定によって我が国の外交・安全保障の基軸が定まり、我が国は安心して軽武装、加工貿易立国を目指す経済成長優先の政策にかじを切り、世界第二位、今は第三位ですが、の経済大国となりました。
 その安保も、非対称的双務性からトランプ大統領が不平等だと言及し、多くの米国世論も批判的です。しかし、日本に米国基地があり在日米軍がいることで米国の世界戦略に不可欠な前方展開が可能となり、必要なら中東にも出かけることができます。私は、このメリットは米国も十分理解していると考えますが、いかがですか。
 一方、それならば、日米地位協定に代表される我が国に対する逆の不平等な扱いはなぜこれまで是正されないままなのか、私には疑問です。日本側が強く主張してこなかったからですか。例えば、駐留米軍は国内法が原則不適用なこと、基地への立入り権が実質上ないこと、訓練、演習に関する詳細な情報提供がなされていないこと、東京を含め日本の上空の相当部分の管理権が米国にあること等はどうなっているのでしょうか。
 日米関係の今後を考えるとき、私は、日米安保の非対称性を薄めなければならないと考えます。基本は、我が国が自立を強めながら守備範囲を広げ共同防衛に移行していくこと、すなわち、日米同盟は堅持しつつ、国民の同意の下になだらかに自主・共同防衛の道を模索していくことであります。そのためには防衛費をGDPの一%以内にするというこれまでの方針や、専守防衛だから敵基地攻撃能力は持たなくてもいい等の考え方は改めた方がよいと私は考えますが、いかがですか。
 中国とは粘り強く戦略的な互恵関係を積み上げていくこと、韓国とは日米韓三か国同盟を維持することを基幹としながら、その外側のインドやオーストラリア、ASEAN等の国々と関係を強化していく重層的な発想が今後重要だと考えますが、どうでしょうか。
 二〇二〇年一月一日、日米貿易協定が発効しました。これまで安倍総理は、日米双方にとってウイン・ウインでバランスの取れた結論を得ることができたと再三強調されていますが、日本にとってウインの協定としていくためには、先送りされた自動車、自動車部品の関税撤廃の実現が大前提です。大統領選挙を控えるトランプ大統領との交渉は難航が予想されるほか、中国やEUとの貿易交渉を抱えたトランプ政権の対日交渉の優先順位は必ずしも高いとは思いませんけれども、このような状況をどのように変え、自動車、同部品の関税撤廃を実現するお考えでしょうか。
 香港における民主化を求めるデモが続き、これに対し香港政府は過剰なほどの警察力を導入しています。
 我が党は、この香港の事態に対し日本の国会として意見表明することが必要だと考え、そのため、香港が一国二制度の下、自由で開かれた社会を維持すること、香港市民の民意を尊重した対話と自制による平和的な話合いを通した解決を図ることを求める決議案を参議院に提出しました。しかし、残念ながら採決には至りませんでした。この決議案提出について、御所見があればお伺いします。
 また、習近平中華人民共和国国家主席を国賓として迎えることは、国民の間でも国際社会からも中国政府の香港やウイグルに対する行為を日本政府が認知することになるという心配論があります。御所見をお伺いします。
 日韓関係の悪化は、韓国からの来日観光客の大幅減少や韓国における日本製品の不買運動等、経済にも大きな悪影響を及ぼしているほか、各自治体と韓国とのイベントの中止、延期等、地方レベルや草の根レベルの交流に強い影響が出ています。筋は曲げられないとしても、当面、これらを修復することは将来の日韓関係再構築のためには必要です。どのようにお考えか、お伺いします。
 現状の景気の課題は、消費と輸出です。政府が今月十日に公表した家計調査報告では、二人以上世帯の消費支出が、消費増税のあった十月はマイナス五・一%、十一月はマイナス二・〇%と二か月連続で減少です。消費がこのまま力強さを取り戻さない場合は、消費税率の引下げを含め対応を検討する御意向がありますか。軽減税率についてはいかがですか。
 賃金が上がらないのは日本の労働生産性が低いことが大きな原因であり、生産性や付加価値の高い部門への労働力を移動していくことが必要です。企業内外の成長部門への転職、配置転換が円滑に進むよう、中途採用の促進、年齢や勤務年数と切り離した賃金の普及、在職者が受けやすいリカレント教育、解雇の金銭解決ルールの明確化などを思い切って進めるべきと考えますが、いかがですか。
 第二の課題である輸出の振興のためには、先般、米中の貿易戦争が一時休止となりましたが、それが持続されて世界の貿易状況が安定することが要件となります。TPP11が平成三十年末に、EUとのEPAが平成三十一年二月に発効していますので、次はインド等との貿易が促進できるRCEPの妥結が目標です。これらの見通しはどうですか。
 一般の心配は、これまで東京オリンピック・パラリンピックによって需要を維持できたけれども、それは今年の夏までのことで、次の大イベントである大阪・関西万博は二〇二五年と先の話で、その間の需要の維持のために政策として何を考えているのか、総理にお答え願います。
 人生百年時代を迎え、働く意欲と能力を持つ全ての高齢者が働くことのできる社会を創設すべきで、七十歳までの就業機会確保につき事業者に協力を求めることには賛成です。しかし、今回はそれは努力義務にとどまっていますし、年金の繰下げも利用率は一%程度であるなど、生涯現役社会の実現は相当に遠い。六十五歳になってから他社に再就職とか自分で起業だとか言われても、簡単にはいきません。現役時代から兼業や副業の働き方を認める、在職者がリカレント教育を受け、現役時代からキャリアアップが図られ、転職ができるように雇用慣行が見直されることが必要です。いかがでしょうか。
 現代の社会を覆っている閉塞感を打破するためにも、全世代型社会保障を目指すことには賛成です。しかし、その負担については、年齢でなく、全ての世代がその能力に応じて支え合う、一定以上の所得や資産を保有する人は、その負担能力に見合う医療費等を自己負担ないし税負担すべきということを昨年も私は代表質問で申し上げました。今回、一定の所得以上の方を二割負担とされることは一歩前進だと評価します。将来的には、所得でなく資産まで含めるよう提案いたします。
 総理が、昨年、記者会見で今後十年ぐらいは消費税を引き上げる必要はないと思うと発言され、これについても私は代表質問で真意を問いましたが、今後の人口減少や少子高齢化を考えれば、負担と給付の議論は休まずにし続けるべきだと考えますが、間違いでしょうか。
 昨年四月から改正出入国管理法は施行されました。我が党は、この法案に対し、在留者管理、雇用環境、社会保険制度における在留者カードについての利用の在り方を検討する旨の修正を加えた上で賛成いたしました。在留者の管理体制の改善を期待してのことであります。管理方法としては、出入国在留管理庁が発行している在留カードではなく、利便性の高いマイナンバーカードを利用すべきと考えます。そのことについて、どのような検討がなされ、どのような結論になっているのか、お答え願います。
 我が党は、現在、国民に蔓延しつつある政治不信、政治家不信を払拭し、令和の御代にふさわしい維新改革を成し遂げるために引き続き全力で邁進することをお約束し、私の代表質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 120115254X00320200124_006

発言者: 片山虎之助

speaker_id: 18444

日付: 2020-01-24

院: 参議院

会議名: 本会議