矢田わか子の発言 (本会議)
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○矢田わか子君 共同会派、立憲・国民.新緑風会・社民の矢田わか子です。
会派を代表し、新型インフルエンザ特措法改正案に関し、賛成の立場から意見を述べます。
まず、今回の新型コロナウイルス感染症で亡くなられた方々に心より哀悼の意を表しますとともに、現在治療中の皆様の一日も早い御回復をお祈り申し上げます。
意見を述べる前に、森法務大臣から、法務行政のトップに立つ立場からは想像を絶する発言があったことに触れさせていただきます。
森法務大臣は、三月九日の参議院予算委員会において、我が会派の小西議員の質問に答え、東京高検検事長の定年延長をめぐる法解釈を変更した理由は社会情勢の変化にあると説明し、具体例として、例えば東日本大震災のとき、検察官は、いわき市から国民が、市民が避難していない中で、最初に逃げた、そのときに身柄拘束をしている十数人を理由なく釈放したと答弁されました。後に、この発言は、森大臣が、自民党が野党だったときに国会質問で発言した個人の見解だったと弁明されました。この答弁で国会は紛糾し、審議がストップしました。最終的に、大臣の謝罪をもって国会は一部の委員会が再開しましたが、これで一件落着というわけにはいきません。
法による秩序の維持と正義を守る法務行政のトップに立つ大臣が、法曹界の一翼を担う検察官に対しこのような感情的な意識を持たれ、そして、それを国会の場でちゅうちょすることなく発言されるということは、まさに異常と言うしかありません。
法務大臣といえば、前大臣の河井衆議院議員についても公職選挙法違反の嫌疑が掛けられています。そして、今回、この大臣の発言といい、もはや安倍内閣は、法治国家である我が国を運営する資格を失っていると言えるのではないでしょうか。大臣の辞任を指示できない安倍総理大臣の姿勢を厳しく糾弾し、森大臣の辞任を要求し続けたいと思います。
さて、新型インフルエンザ特措法改正案について意見を述べさせていただきます。
今回、政府より提出された法案は、新型コロナウイルス感染症に対し、流行を早期に収束させるために徹底した対策を講じていく必要があると説明されています。確かに、現時点でワクチンと治療薬が開発されていない新たな感染症の広がりに対し、可能な限りの対策を講じ、国民の不安を解消し、国民生活や経済活動に与える影響を取り除くことは緊急の課題であることに異論はありません。
しかし、政府は、日本国内での初の感染者が発生した一月十五日以降も有効な対策を講じることなく、新型コロナウイルス感染症を関係法令に基づく指定感染症、検疫感染症と指定したのは二月一日のことです。また、専門家会議の立ち上げも二月十六日という初期対応の遅れがあったことは否めないはずです。この間、日本には、本年一月の一か月間に約九十万人、二月にも十一万人の中国人が訪問しています。この中に感染者が含まれていなかったと言い切れるんでしょうか。
私どもは、一月末の初期段階から、感染の蔓延防止と社会的機能を維持するための措置を講ずることができる現行法、平成二十四年に成立した新型インフルエンザ等特別措置法の活用を求めてきましたが、政府は、新型コロナウイルスは対象にならないとして、この要求を否定され続けているわけです。
しかし、私たちは、この現行法の活用が可能であったことについては今でも揺るぎない確信を持っています。平成二十四年三月、現行法の国会審議の際に、当時の野田内閣の担当であった中川正春大臣は、病原性の高い新型インフルエンザや同様な危険性のある新感染症に対して、三年前の新型インフルエンザの教訓も踏まえつつ、必要な法制を整えておくことが喫緊の課題でありますと法案の提案理由を述べられています。まさに、現行法が適用できた証左であります。
政府は、私たちのこの要求を無視された一方で、その後、官邸主導で、事前に国民に十分周知することなく、小中高校の一斉臨時休校の要請、イベント等の中止要請、中国、韓国からの入国制限など、法の根拠に基づかない対策を次から次へと出されました。この突然の要請、指示に対し、多くの国民は、日常生活や働き方の変更を余儀なくされ、そして子育て等において混乱を来し、また経済活動全体にも大きな利益損失を伴う様々な影響がもたらされています。
非正規労働者を中心とした雇い止めや解雇、学生の内定の取消し、学校休校による給食食材の廃棄、子供たちのストレスの増幅、選抜高校野球を始めとする国民的スポーツイベントの中止や無観客試合など、金銭的な補償だけでは補い切れない傷を社会や個人に残す事態が次から次へと生じています。
このほか、横浜港に停泊したクルーズ船における感染症防止にも失敗して、国際的な非難を浴びることとなりました。また、感染が深刻化した北海道では、独自の判断で緊急事態宣言が発せられ、最初に現行法を適用さえしていれば、法的根拠をもって各都道府県が主体的に行動計画を立てることができたはずなんです。
そして、ここに来て政府はようやく新型インフルエンザ特措法の対象感染症に新型コロナだけを追加するという法改正を図ることにしたわけですが、この改正案についても、今後の新たな感染症の対応ができていないこと、緊急事態宣言の要件の曖昧さ、あるいは私権の制約や自由な行動の制限が人権や財産権の侵害にならないのかなどなど、多くの問題が残っています。
今、国民が求めるものは、この新型コロナウイルスの感染を食い止め日常生活を取り戻すこと、そして、感染によって被った経済的な損失を十分に補償することにあります。
この補償については、パートタイマーやアルバイト、派遣労働者、フリーランスなど非正規を含めた働く人への補償が優先されるべきと考えます。また、観光、サービス業、小売業を中心に影響を受けた中小零細企業、個人商店への損失補填や事業継承支援、そして、既に影響が出ているサプライチェーンの寸断で生産活動が制約される産業への支援や、製造業での一部検討されている生産拠点の国内回帰への具体的な支援も必要になってくると考えます。
私どもは、こういった損害や損失への補償とともに、経済活動を再活性化するために、家計支援を増やす減税の実施も早急に検討すべきだと考えています。特に、低所得者、独居の高齢者、障害者、シングルマザーなど、いわゆる社会的弱者への重点的な対策を講じてもらいたいと考えます。子育て家庭は、三月から四月が一番お金が掛かる時期でもあります。雇調金の早期支給のための手続など、早急に現金が行き渡るように支援体制を整えるべきだと考えます。
所属する国民民主党は、全世帯への支援金の支給についても検討を始めていますが、全ての国民が生活に困らないよう、一段の対策の強化を求めます。
これまでの政府の後手後手の対策、本特措法改正案の中の懸念事項など、問題点は枚挙にいとまないわけですが、先ほどの内閣委員会では、前回の附帯決議の内容がこの八年間、十分に検討されていないという状況も踏まえ、衆議院を超える二十五本に及ぶ附帯決議を採択いたしました。
また、昨日は、WHOが新型コロナウイルス感染をパンデミックとする宣言を行い、日本国内においても感染の広がりが止まらない状況が続いています。また、本日も株価が急落している状況です。
これらのことを鑑み、現行特措法の法目的に沿った措置の展開が国民の生活と健康を守り、経済活動の停滞を防止することにつながると判断し、私どもの会派は、苦渋の選択として改正案に賛成することといたしました。
確かに、緊急事態宣言に基づく施策が権利侵害につながるのではないかという懸念から、法改正に反対する意見もあります。政府におかれましては、暴走することなく、丁寧な国会報告を行い、野党の意見、国民の声を尊重していただきたいと思います。
現在、我が国が置かれた未知なる脅威との闘いが本改正案の成立によって一歩でも前に進むことができるよう、与野党を超えて知恵を絞り合うことが必要であることを訴え、賛成討論といたします。(拍手)