石田昌宏の発言 (本会議)
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○石田昌宏君 自由民主党の石田昌宏です。
私は、自由民主党・国民の声を代表して、ただいま議題となりました政府報告について安倍総理に質問いたします。
伝統ある本会議場の演台ではありますが、目の前にマイクや速記者の方々がいらっしゃいますので、感染防止の観点から、マスクをしたまま大きくない声で発言いたします。
冒頭、この度の新型コロナウイルス感染症によってお亡くなりになった方々に心からお悔やみ申し上げるとともに、感染症と闘病中の方々へのお見舞いと、自粛などで生活の苦労を感じながらも感染症にきちんと向き合ってくださっている全ての方々に感謝の意を表します。
有史以来、常に人類は感染症に向き合ってきました。一国の人口を半減させたペスト、今なお猛威を振るうマラリア、最近現れたSARSやMERS。これらに対し、人類は、治療法やワクチンの開発など、科学技術の発展、また公衆衛生の向上などをもって一部は克服し、一部は共存するようになりました。新型コロナウイルスも収束する経過を必ずたどるはずです。
歴史を振り返ると、感染症に最も有効だった人類の知恵は、実は単純な行動でした。細菌やウイルスを体内に入れないための手洗いやうがい、細菌やウイルスに接触しないための密閉、密集、密接をしない、いわゆる三密です。
世界的に見て、日本で新型コロナウイルス感染症の広がりが抑えられている一番の理由は、都市封鎖をしなくても、基本に忠実に行動している人が多いからです。つまり、国民一人一人の適切な行動を支えることこそが、感染症克服の一番の鍵だと思います。
しかし、これだけやっても、都心を中心に感染症が更に増えてきました。四月一日、政府の新型コロナウイルス専門家会議は、より強い行動の徹底を国民に求めました。くじけることなく、緩むことなく、なお一層、的確な行動を深めるには、必要とあらば緊急事態宣言を出すことも視野に、政府対策本部のもう一段強いリーダーシップが必要です。
本部長たる総理は、国民一人一人が不安なく的確な行動を取れるよう、現状はどうなのか、どのような行動を求めるのか、どういう支援があるのか、そして、その先には安心があるんだ、そういった納得感ある言葉をここで伝えていただけないでしょうか。
次に、ウイルスとじかに向き合い、国民の命を守っている医療について伺います。
感染症克服のために長く貢献してきた日本赤十字社が、三つの感染症と称して、未知のウイルスによってもたらされる負の連鎖、すなわち、疾病が不安や恐れを引き起こし、嫌悪、差別、偏見を生む、この危険性を警告しています。実際、感染症の患者の治療をした病院のスタッフの子供が保育園に通うことを拒否され、スタッフが休暇を取ったため、人手不足で閉鎖を余儀なくされた病棟があります。既に三つの負の連鎖が起きています。
そこで、政府は、この負の連鎖からどのように医療を守っていくのか、最前線の医療従事者にしっかり伝わるよう、お聞かせください。
四月一日、専門家会議は、オーバーシュートが起こる前に医療供給体制の限度を超える負担が掛かり、医療現場が機能不全に陥ると予測しました。ともかく、病床や療養の場の整備を至急求めます。
しかし、我が国は、欧米と比べ病床当たりの看護職員数や医師の数が半分以下しか配置されていません。実は、医療従事者のぎりぎりの誠意に制度が依存してきたのが日本の医療の現実です。
物品についても、マスクや消毒薬だけでなく、治療に必要なガウンや手袋など感染防護物品も、人工呼吸器も、感染症に対応できる病床も不足しています。現場は既に危機感にあふれています。
医療従事者や衛生物品の確保、医療提供体制の確保は既に緊急事態です。政府の大胆な行動を求めたく、御所見を伺います。
経済への影響についてお尋ねします。
IMFもリーマン・ショック以上の経済収縮の見方を示しています。感染抑制のためには、どうしても経済活動の自粛をお願いせざるを得ません。しかし、どんなに経済が収縮しても、経済産業の基盤だけは崩さない、すなわち、企業や事業者が事業縮小や倒産、閉店に追い込まれないこと、また、新規採用や雇用を守り、生活をしっかり支えていくことができれば、感染収束後の経済のV字回復が可能です。
また、同時に、今回露呈した感染症に弱い社会構造を遠隔医療やテレワーク、遠隔教育などで一気に改革すべきです。
米国では、GDPの一割に相当する二兆ドル規模の対策を打ち出します。EUも、財政赤字の抑制ルールを停止します。我が国も、GDPが縮小した分を完全に埋め合わすまで、何度でも何度でも前例にない完全な財政出動、そして斬新な給付等、あらゆる施策を講じるべきです。あわせて、新たな技術による未来をつくる基盤を構築すべきです。総理の決意をお聞かせください。
サプライチェーンの偏在について伺います。
我が国の製造業は、中国に主要部品の生産工場を置いている企業が多く、早い段階から大きな影響を受けました。象徴的なのは、八割を海外生産に依存していたマスクの不足です。衛生物品や薬剤など、不足は国民の健康、命に大きな影響を与えます。
労働力の安さなどのメリットから海外への生産拠点の移転が進みましたが、安全保障的側面から経済や保健衛生を考えると、これまでの生産や物流の在り方が適切だったのか検証しなければなりません。
我が国への生産回帰や生産拠点の複数国への分散化など、サプライチェーンの在り方を改革しなければなりません。御見解をお聞かせください。
東京オリンピック・パラリンピックの延期について伺います。
今回の大会の延期は評価されるべき判断です。延期に伴う課題の克服はもちろん必要ですが、さらに、来年の大会は単なる四年に一度の大会ではなく、全世界が感染症を克服し、感染症により切り離された世界を再結集させる、言わば新しい世界を生み出す大会です。完全な形で開催できるよう、あらゆる手だてを講じていかなければなりません。
最後に、新たなオリンピック・パラリンピックへの総理のお考えをお伺いして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕