山添拓の発言 (本会議)

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○山添拓君 日本共産党を代表し、新型コロナウイルス感染症対策について、安倍総理に質問します。
 医療崩壊を起こさせないことは、文字どおり喫緊の課題です。
 専門家会議は、おととい、都市部を中心に感染者が急増していると指摘しました。昨日だけで九十七人の感染が確認された東京では、集団感染とともに経路不明の感染者が増加し、爆発的な感染拡大が懸念されています。
 ところが、東京都が確保した約七百床の九割が入院患者で既に埋まり、今後、重症者の増加に耐えられる保証がありません。小池都知事は四千床の確保を目指すと言いますが、容易ではありません。
 専門家会議は、爆発的感染が起こる前に医療供給体制の限度を超える負担が掛かり、医療現場が機能不全に陥ることが予想されると指摘し、東京を始め都市部において、今日明日にでも抜本的な対策を講じることが求められるとしました。事態は緊迫しています。病床数と医療資材、人的体制の確保のために、政府はどのような支援を行いますか。病床確保には、財政的補償が必要であることを強調するものです。
 重症患者の増加に備えて、入院治療の必要のない軽症患者についての対策を早急に検討すべきです。専門家会議は、軽症者には自宅療養以外に施設での宿泊の選択肢も用意すべきとしています。施設の確保や運営に必要となる経費は国の負担とすべきと考えますが、総理の答弁を求めます。
 この間、都内の開業医から実態を伺ってきました。電話での再診や薬の処方の長期化など、外来受診による感染リスクを抑える努力がなされています。しかし、その結果、診療報酬が落ち込み、今後の経営悪化が心配されています。感染拡大防止と地域医療の維持という観点から、受診抑制に伴う損失に対し特別の手当てが必要と考えます。答弁を求めます。
 PCR検査の遅れが依然として指摘されています。
 総理は、二月二十九日の会見で、ウイルス検出を十五分程度に短縮できる簡易検査機器の開発を進め、三月中の利用開始を目指すとし、かかりつけ医など医師が必要と考える場合には、全ての人が検査を受けられる十分な検査能力を確保すると述べました。現時点で、これらは実現されたのでしょうか。爆発的な感染拡大を防止するために、検査数を抜本的に増やすことがいよいよ必要なのではありませんか。
 また、イギリスを始め海外で導入が進む血液抗体検査について、日本でも実施できるよう早急に取り組むべきです。答弁を求めます。
 SNSなどで、自粛と給付はセットだろうという声が大きく広がっています。
 東京では、カラオケ、ライブハウス、バーやナイトクラブの利用自粛を知事が求めました。ところが、自粛に対する補償が示されず、業者は苦境に立たされています。感染防止のためには店を閉めた方がいい、しかし、閉めれば店が立ち行かない。家賃や水光熱費、従業員の給料など固定費は日々発生し、借金がかさむ中、収入ゼロは避けられず、開店するしかないという声があります。
 自粛要請で協力を求めながら、あとは自己責任というのでは感染防止の実効性も損なわれます。総理、自粛要請は給付や補償とセットで行うべきです。明確にお答えください。
 イベント自粛の要請により、日本の文化芸術は危機に瀕しています。
 八万一千もの公演、イベントが中止や延期となり、その損失は一千七百五十億円と見込まれ、今後更に深刻化します。経済的に力の弱い小規模な劇団、楽団など、存立そのものが危うくなりつつあるとの悲痛な声が上がっています。
 ライブハウスなどで活躍するアーティストや音楽関係者がセーブ・アワ・スペースの名称で政府に助成を求める署名に取り組み、その数は僅か五日で三十万人を超えました。短期間に多くの人が賛同した訴えに総理はどう応えますか。文化の灯が消えてしまっては復活するのは大変というのであれば、一時的な給付金にとどまらず、持続可能な支援が必要ではありませんか。
 新学期を迎え、学生にも深刻な打撃が生じています。
 FREE、高等教育無償化プロジェクトの調査に、バイト先の塾が二週間休業、学費を確保できない、全てのシフトが削除され、生活費だけでなく就活費も困難など、切実な声が寄せられています。
 高い学費と借金になる奨学金に加え、新型コロナの影響で親の収入が激変し、学生はバイトの収入を断たれ、授業開始が延期されても独り暮らしの家賃は発生する、これでは学生生活を続ける見通しが立てられません。
 家計が急変している学生に、緊急に入学金や学費の減額、免除を行うべきです。影響は広範な学生に及びます。この際、学費を引き下げ、全ての学生が安心して学べるようにするべきです。今後、奨学金の返済にも支障を来すおそれがあります。奨学金の返還猶予は柔軟に対応し、奨学生に直ちに周知徹底すべきです。答弁を求めます。
 厚労省の雇用情勢判断から改善という言葉が消えました。雇用の悪化が急速に拡大しています。
 政府は、新型コロナの影響による解雇、雇い止め、派遣切り、内定取消しを、それぞれどのように把握していますか。
 二月の労働力調査によれば、新規求人数は軒並み前年比マイナスとなり、製造業で二五%も落ち込んでいます。働く人の四割を占める非正規労働者について、大量の雇い止め、派遣切りが既に行われています。大企業を中心に雇用の維持を強く求めるべきだと考えますが、総理はどう対応されますか。答弁を求めます。
 日本経済は今、消費増税と新型コロナという二重の打撃で大不況に突入しています。総理は、昨年の増税前、リーマン・ショック級の出来事があれば増税しないと表明していました。今、リーマン・ショック時を上回る経済対策を行うというのなら、消費税減税は必要かつ現実的な選択肢ではありませんか。
 最後に、新型コロナ対策におけるジェンダーの視点の重要性について質問します。
 国連女性機関は、三月二十六日、女性と新型コロナウイルスと題する声明を発表し、国や自治体のコロナ対策が社会的、経済的に女性を取り残したものになっていないかと注意を喚起しています。政府は、その内容をどのようなものとして把握していますか。ジェンダーの視点を持った対策が日本でも求められると考えます。答弁を求めます。
 声明は、外出禁止や行動の自由の制限がDVや女性に対する暴力を誘発する危険を指摘し、被害者のためのホットラインと避難所、シェルターが基本的なサービスとして保障されるよう求めています。
 警察に通報されたDV件数が三六%増加したフランスでは、DV被害から逃れてきた人のために計二万泊分のホテルの部屋を購入するとし、オーストラリアは二十四時間の相談支援体制を強化するために約百億円投入を発表するなど、各国で対策が進んでいます。
 日本のNPO法人、全国女性シェルターネットは、DVや虐待相談窓口での支援の継続を訴える要望書を総理に提出しました。夫が在宅ワークになり、子供も休校でストレスがたまり、夫が家族に身体的な暴力を振るうようになったという声が寄せられているといいます。
 緊急の状況下でもDV、虐待相談窓口の運営を継続する、相談支援体制を拡充するといった対応を政府も進めるべきではありませんか。
 緊急事態宣言が取り沙汰され、外出自粛要請を始め私権の制限が更に広範にわたることが懸念されます。その際、最も影響を受けるのは、女性や子供、障害者など、ふだんから社会的に弱い立場に置かれている人々です。誰一人取り残さないという政治の姿勢を未曽有のコロナ危機への対応でこそ示すべきであることを強調し、質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 120115254X01120200403_020

発言者: 山添拓

speaker_id: 1521

日付: 2020-04-03

院: 参議院

会議名: 本会議