下野六太の発言 (本会議)
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○下野六太君 公明党の下野六太です。
私は、自民、公明を代表して、ただいま議題となりました地域共生社会の実現のための社会福祉法等の一部を改正する法律案について質問いたします。
初めに、新型コロナウイルス感染症によりお亡くなりになられた方々に謹んでお悔やみを申し上げるとともに、現在治療中の方々の一日も早い回復をお祈り申し上げます。
さらに、医療現場、福祉活動に従事する方々、社会を支えるために働いておられる全ての方々に敬意と感謝を表します。
まずは、今回の法律案を総論として質問させていただきます。
地域共生社会の実現とは、子供、高齢者、障害者、生活困窮者など全ての方々が地域、暮らし、生きがいを共につくり、高め合うことができる社会であると考えます。これを平成二十九年、厚労省が地域共生社会のキーワードを我が事・丸ごととしていますが、その意識の下での仕組みづくりが大切だと考えます。
昨今の地域における問題は複雑化、複合化しており、八〇五〇問題やダブルケアや認知症の介護の問題に加えて中高年の引きこもりなど、解決が困難とも思える難題が山積しているのが地域であると思います。
今回の法律案が機能するかどうか、ひとえに地域に暮らす方々一人一人の意識改革が重要だと思います。地域で暮らす方々が、私の幸せは地域の方々とともにある、私だけの幸せはない、地域の方々とともに幸せになっていくのだという意識に立たない限り、目指す地域共生社会にはならないのではないでしょうか。助け合い、守り合い、全ての人が生き生きと輝く地域をつくるのだという私たちの意識改革が重要だと考えますが、安倍総理の見解をお伺いします。
それでは、具体的な法律案の内容についてお伺いします。
まず、地域共生社会の実現に向けた包括的支援体制の整備についてお伺いします。
近年、一つの世帯で複数の課題を抱えているようなケース、例えば八〇五〇問題や子育てと親の介護に同時に直面するダブルケア問題など、現行の支援制度の枠組みだけでは十分に対応し切れない事態が生じています。
こうした状況を受け、今般の改正案では介護、障害、子ども・子育て、生活困窮者支援など、既存の相談支援等の取組を生かしつつ、相談支援、参加支援、地域づくり支援を一体的に実施する新たな事業が創設されることにより、これまでは支援制度のはざまに落ちてしまっていた人に対しても支援が行き届くようになります。
しかしながら、複雑な生活課題を抱える方々にこの制度を利用してもらうためには、その当事者に制度の存在そのものを知ってもらうことが大前提となります。特に、こうした方々は情報弱者であるため、制度の周知については特段の配慮が必要であると考えます。悩みを抱える方々がこの新たな事業を利用することができるような制度の周知方策についてどのようにお考えでしょうか。加藤厚生労働大臣にお伺いします。
また、たとえ制度の存在を知っていたとしても、虐待や暴力被害にさらされてきた方、性的指向、性自認に悩む方、日本語の理解が不十分な方など、当事者だけでは相談支援機関の窓口までたどり着くことが難しい方もいらっしゃいます。そのため、新たに創設される制度においても、窓口での相談支援だけでなく、アウトリーチ型の支援も併せて実施することが重要であると考えますが、この点について加藤厚生労働大臣の御所見をお伺いします。
次に、介護保険制度改正についてお伺いします。
介護を社会全体で支え合う介護の社会化を掲げて二〇〇〇年にスタートした介護保険制度は、本年四月に制度創設から丸二十年を迎えました。この間、我が国では高齢化が大きく進展し、介護サービスの利用者数は制度創設時の三倍を超え、介護を必要とする方にとってなくてはならない制度に定着し、発展してきました。
団塊の世代が全て七十五歳以上となる二〇二五年が近づく中、更にその先を見据えると、いわゆる団塊ジュニア世代が全て高齢者となる二〇四〇年には高齢人口がピークを迎えます。このような人口構造の変化を踏まえて、介護保険制度がより良い制度となるよう、定期的に見直していく必要があります。
そこで、これまでの二十年である介護保険制度創設からの総括と、これからの二十年である二〇四〇年を見据えた今後の介護保険制度のあるべき姿を安倍総理にお伺いします。
続いて、政府の認知症施策についてお伺いします。
我が国の認知症の患者数は、二〇二〇年には六百万人以上になると推計されており、二〇二五年には約七百万人、高齢者の五人に一人が認知症になるとされています。認知症に関する不安の声が数多く寄せられる中、公明党は、いち早く認知症に関する課題に取り組み、昨年六月には、自民党と共同で認知症基本法案を議員立法として提出しております。
政府は、介護保険法の施行以降、二〇〇五年から開始された認知症サポーターの養成や、二〇一二年のオレンジプランの策定、二〇一五年の新オレンジプランの策定など、関係省庁が一丸となって様々な取組を推進してきました。
そして、政府は、昨年六月、自公両党での一連の取組も踏まえつつ、認知症施策推進大綱を取りまとめました。大綱では、認知症の発症を遅らせ、認知症になっても希望を持って日常生活を過ごせる社会を目指し、認知症の人や家族の視点を重視しながら、共生と予防を車の両輪として施策を推進することを基本的な考え方としていますが、認知症と地域共生社会の実現に向けて政府としてどのような具体的施策を推進していくのか、加藤厚生労働大臣にお伺いします。
最後に、介護人材の確保策についてお伺いします。
介護関係職種の有効求人倍率は、全職種に比して高い水準となっており、都道府県別に見ても全都道府県で二倍を超える状況にあるなど、近年、介護分野における人材不足が深刻な状況となっています。
今般の改正案では、保険者である市町村の介護保険事業計画の記載事項に介護人材の確保、資質の向上に関する事項が追加され、市町村レベルで介護人材確保の取組を促進していくことが期待されます。
市町村が介護人材の確保を進めていく上では、介護職の仕事の魅力を積極的に発信していくことが重要であります。特に、若年層を対象として、介護の仕事に対するイメージの改善や、介護の仕事のやりがいなどをアピールしていくことが将来の介護職への就職希望者を増やすことにつながるのではないでしょうか。
この点、中・高等学校において、介護の職場体験ができるようなプログラムを実施したりすることで介護の仕事の魅力を発信していくことも一案と考えますが、将来の介護人材を確保するための政府の取組について、加藤厚生労働大臣にお伺いします。
誰もが生き生きと輝く地域共生社会の実現に向けて誠心誠意取り組んでいくことをお誓いし、私の質問を終わります。
ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕