倉林明子の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○倉林明子君 日本共産党の倉林明子です。
私は、日本共産党を代表し、社会福祉法等改正案について質問いたします。
法案の質疑に入る前に、黒川前東京高検検事長の処分について質問します。
内閣が余人をもって代え難いとして、法解釈を変更してまで定年延長させた黒川氏が、あろうことか賭博行為である賭けマージャンをしていたこと、さらにその処分は訓告にとどまり、約六千万円もの退職金が支払われることに、国民から抗議の声が上がっております。総理は、任命責任をどう果たすおつもりですか。十年前からの常習性を疑わせる新たな事実が報じられています。再調査の指示を出すべきではありませんか。処分について、訓告との判断がなぜ適正だと考えるのか、国民の疑念に総理自身の言葉で説明すべきです。明確な答弁を求めるものです。
本法案は十一本の法律を束ねたものであり、高齢者、障害のある人、社会福祉事業などに関わる幅広い内容の制度改定自体、新型コロナ対応で多忙を極め疲弊した現場にとって重い負担になるものです。現場の意見を反映させることも困難であり、成立させるべきではありません。
障害福祉、介護、保育などの現場は、緊急事態宣言の中でも、働く人たちの強い使命感によって維持されてきました。今、これらの事業が崩壊の危機に瀕しています。ケア労働を軽視する政策の下、低賃金と厳しい労働環境が長年にわたって放置されてきました。ただでさえ余裕のない現場にコロナ禍が追い打ちを掛けています。地域の介護、障害者支援の提供体制を崩壊させない対策が必要です。総理の認識を伺います。
介護・障害福祉サービスの事業所に対し、きょうされんが今月行った調査によれば、居宅介護で八割、短期入所で九割近い減収率となっています。介護事業所からは、六月には資金ショートする、コロナが収まっても事業を再開できないという声が上がっているのです。総理、介護・障害福祉事業所には、昨年度の実績に見合う収入補填を早急に行うべきです。
高い感染リスクにもかかわらず、マスクも消毒液も不足する中で不安と葛藤を抱え、極めて困難な支援を続ける全ての福祉従事者に対し、ふさわしい処遇が必要です。二次補正では不十分であり、特別手当等の更なる引上げを求めます。総理の答弁を求めます。
新型コロナ感染症が拡大する中で、高齢者と家族の生活は激変しています。こんなときに、介護保険では来年八月から低所得の施設利用者の食費、居住費の負担増と高額介護サービス費の引上げが検討されています。医療では七十五歳以上の医療費窓口二割負担などもってのほかです。負担増は撤回することを強く求めるものです。総理の答弁を求めます。
法案に関し、以下、厚労大臣に質問いたします。
本法案は、地域共生社会の実現を目指し、包括支援体制を構築するとしています。社会福祉法は前回の改正で、地域で支援を必要とする人たちの把握と支援を、社会福祉事業者と住民に求めました。それでは、政府が目指す地域共生社会において国、地方自治体はどのような責任を果たすのですか。丸ごと丸投げなどあってはなりません。
家族や地域社会が変化する中で、八〇五〇問題やダブルケア、社会的孤立などの問題が生じ、縦割りの現行制度では対応できないと説明されています。果たして行政の縦割りだけに問題があったのでしょうか。そもそも、政府が社会保障、福祉制度を縮小し、公務員を減らし続ける中で、必要な制度、支援が届かないこと、自己責任論や生活保護等へのスティグマが強化され、助けを求める声が出せなくなった結果ではありませんか。厚労大臣の認識をお聞かせください。
住民の助け合いに任せるのではなく、各制度とそれを担う職員を量、質共に充実させ、的確な連携を強化することが不可欠です。住民の主体的な活動の前提となるものです。答弁を求めます。
包括的支援体制として、断らない相談支援、地域づくり支援、参加支援、制度化されることとなります。これまでの介護、障害福祉、子供、生活困窮者に係る事業を一体化することになるため、交付金まで一括化され、結果として事業に必要な交付金が確保できなくなるのではないかと関係者から懸念の声が出ています。重層的な支援が可能となる財政措置は欠かせません。新たに拡充される事業への財政措置、人員配置基準、資格要件についても明確に示すべきです。
非正規、低賃金の担い手を拡大し、社会福祉事業者も含めた地域の互助頼みでは問題解決にはつながりません。実効ある支援を担保するためには、高い専門性を持ったソーシャルワーカーが質、量共に確保されることが必要です。ふさわしい人員基準とそれを担保する十分な財政措置を求めるものです。
本法案で新設される社会福祉連携推進法人は、昨年閣議決定された成長戦略フォローアップで示された生産性向上を目的とした社会福祉法人の大規模化を進めるものとなっています。社会福祉連携法人は、資金融通や人材確保などの協働化を可能とするもので、九割を占める中小法人の合併や事業譲渡への地ならしではありませんか。
多くの小規模法人は、地域に密着した支援を行い、ニーズに沿った多様な選択肢を提供しています。その果たしている役割をどのように考えているのですか。大規模法人化の推進は、スケールメリットは達成できても、小規模法人の存続の危機を招きかねません。本来、社会福祉法人の連携や協働は、それぞれの社会福祉法人等が主体的に判断すべきものと考えますが、いかがですか。
また、連携法人を通じた資金の貸付けを可能としていますが、これは、経営難に陥った際には法人間の助け合いによる救済に委ねるということでしょうか。
連携法人は、医療法人、株式会社等営利法人なども社員となることができますが、総会の議決権は定款に委ねられております。地域における影響力、規模などにより、行使できる議決権の数に差を付けることもできるのですか。大規模法人等が多数を占め、連携法人の運営を主導することも可能になるのではありませんか。コロナ禍の下で、介護・障害福祉等の事業所が、規模に関わりなく、利用者、家族の生存権を保障し得る報酬、財政的保障を確立することこそ、今求められています。
介護福祉士養成施設の卒業者への国家試験義務付けに係る経過措置の延長については、社会保障審議会福祉部会でも反対意見が多く、両論併記となりました。一六年の社会福祉法改正の際の附帯決議でも、国家試験義務付けを着実に進めると決議されています。にもかかわらず、なぜ更に五年間延期なのですか。今回の延期により、二〇三一年まで、国家試験にかかわらず介護福祉士の資格を得る経過措置が続きます。介護福祉士の専門性、地位向上を目指した制度を形骸するものだと厳しく指摘するものです。
介護現場では、人材倒産が言われるまでに人手不足は深刻です。介護基盤の維持を脅かすまでになった最大の要因は、著しく低い賃金水準と実情に合わない職員配置、人員基準による厳しい労働環境にほかなりません。今直ちにやるべきはこれらの抜本的な引上げであると申し上げまして、質問といたします。(拍手)
〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇、拍手〕