音喜多駿の発言 (本会議)
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○音喜多駿君 日本維新の会の音喜多駿です。
会派を代表して、政策評価等の実施状況及びこれらの結果の政策への反映状況に関する報告に対して質問をいたします。
まず、報告書に基づき政府の取り組むエビデンス・ベースド・ポリシー・メーキング、EBPMの総論について伺います。
EBPMは、どのように定義するかが極めて重要です。特に、エビデンスの定義を幅広くしてしまいますと政策効果の検証が常に曖昧になり、エピソードばかりが選択されてしまう余地が生まれます。
政府によるエビデンスの定義を見てみますと、データ等の証拠を可能な限り求めるとしており、データ以外の「等」を含む余地を残しています。この定義では政策手段の決定に必ずしも直結しないものが含まれることとなり、EBPMの本来の意味である証拠に基づく政策形成が変質しかねません。エビデンスの定義は政策効果に限定したものに絞って設定すべきと考えますが、総務大臣の見解をお伺いいたします。
海外においては、英国のブレア政権、米国のオバマ政権などEBPMの先進事例が多数あります。英国、米国いずれにおいても政策と効果の因果関係を示すエビデンスが重視されています。その中でもランダム化比較試験あるいはそのシステマティックレビューによるエビデンスが評価され、政策決定への活用を促す仕組みが既に導入されています。こうした実践例を参考に、報告書をより充実していくべきと考えますが、総務大臣の見解を伺います。
EBPMで最も重要なのがデータの充実です。情報を一元化するためには、行政のICT化と公文書のデジタル化が急務と言えます。しかしながら、我が国の行政文書のデジタル化率はまだ約六%と悲惨な状況であり、EBPM充実の観点からも公文書の総デジタル化と永久保存の定めを設けるべきであると考えますが、特命担当大臣の答弁を求めます。
公文書については、新型コロナ対策で注目を集める専門家会議の議事録が問題になっています。
政府が策定している行政文書の管理に関するガイドラインでは、歴史的緊急事態においても、政策決定を伴わない専門家会議は議事録作成義務がありません。議事録については、即時公開ができないとしても、作成して保存をしなければ後世に重要な歴史的データを残すことができません。行政文書の管理に関するガイドラインの規定については、議事録作成を原則義務化するとともに、場合によっては公表するのは一定期間後にできるように改めるべきと考えますが、特命担当大臣の答弁を求めます。
行政内部での政策評価は、どうしてもお手盛りや形骸化といった批判を受けるものであります。特に、我が国のエビデンスの定義に照らせば、利害関係者が恣意的な内容を用いる可能性も出てきかねません。行政機関外部からの評価、特に、会計検査院の関与をより拡充させることが重要と考えますが、総務大臣の見解を伺います。
また、我が国には、行政は絶対に間違えてはいけないという行政の無謬性神話が根強く、政策を変更することが難しい状況になっています。EBPMを実施する政策分野については、行政がデータに基づき試行錯誤することを国民に納得してもらう努力が必要と考えますが、総務大臣の見解を伺います。
EBPMの取組と検証、評価は極めて重要である一方で、政策立案を担当する行政内部からは評価疲れの声も聞こえてきます。霞が関、官僚の働き方改革が必要不可欠であり、官僚の負担を減らす国会改革も同時に求められています。
ネット中継付きで、時に大きな声で官僚を追い詰める野党合同ヒアリングなるものは、果たしてお互いにとって、国民にとって有益なものであるのかどうか、いま一度立ち止まって考えるべきではないでしょうか。また、議員の要求する膨大な資料やレクチャーについても、オンライン送付、オンラインレクチャーの推奨をするべきであり、この改革を国会に促すとともに、各省庁の中でも毅然としたルールを設けるべきと考えますが、総務大臣の見解を伺います。
次に、女性活躍推進とEBPMについて質問をいたします。
令和元年度には女性活躍の推進に関する政策評価を実施しておりますが、科学的エビデンスの観点からは、当該委員会でも議論のあったワクチン行政の改善が急務です。特に、新型感染症が猛威を振るい、ワクチンへの期待が高まる中、HPVワクチン、子宮頸がんワクチン接種の積極的勧奨が停止されている状態は、重大な矛盾であると言わざるを得ません。
私自身、このワクチンの安全性と効果を啓発するために、二〇一七年、HPVワクチンを三回接種しております。このワクチンは、適齢期の女性にはもちろんのこと、特定のがん対策として男性にも効果が認められています。現在では、HPVワクチンによる子宮頸がん等への予防効果を示す研究は多数ある一方で、ワクチンが重篤な副作用を引き起こす因果関係、エビデンスは見付かっておりません。
我が国は現在、先進国の中でほとんど唯一、毎年約一万人以上がマザーキラーとも言われる子宮頸がんを新たに発症している状態であり、女性活躍の視点からも極めて大きな問題です。HPVワクチンの積極的勧奨の放置はEBPMの観点に基づくものではないと考えますが、厚生労働大臣の見解をお伺いいたします。
新型コロナウイルスの感染拡大においても、正しい医療知識を身に付けることが風評被害から身の安全を高めることにつながりました。ワクチンに対する正しい知識を啓発するためにも、女性活躍のためにも、HPVワクチンの積極的勧奨の早期再開をその契機とすべきと考えますが、厚生労働大臣の見解をお伺いいたします。
次に、地方分権とEBPMの観点から質問いたします。
地方の政策決定では、時に少数の強い声に施策が左右され、科学的な根拠に基づかない政策や条例制定がされることが散見されます。地方分権が進んでいくのは歓迎すべきことではありますが、間違った根拠に基づくものは是正をしていく必要もあります。報告書にあるEBPMの取組について、国が地方自治体にもノウハウを提供し、推奨するべきと考えますが、総務大臣の答弁を求めます。
エビデンスに基づかない条例の例として、香川県ネット・ゲーム依存症対策条例があります。本条例は、ゲーム依存症から子供たちを守るためと称して、ゲームの利用時間制限を設けています。しかしながら、依存症を防ぐためにこうした時間制限を掛けることは、有効性及び科学的根拠が現時点では存在せず、政府もそれを閣議決定された答弁で認めております。EBPMの観点からは、香川県のゲーム条例はエビデンスに基づいたものではないと評価できると考えますが、厚労大臣の見解を伺います。
一方で、政府は、本条例に関する質問主意書に対する答弁の中で、地域を飛び越えて県外事業者にもその効力を及ぼす可能性を示唆しています。一般的に、地方自治体が定めた条例は属地主義が適用されるべきであり、香川県ゲーム条例についても、属地主義の観点から県外事業者に効力は及ばないと考えますが、総務大臣の見解を伺います。
また、属地主義を超える条例が乱発されることは、地方分権、地方の自律だけではなく、自由主義社会の観点からも脅威であると考えますが、総務大臣の見解を伺います。
香川県でこうした条例が定められたことを機に、国でもゲーム依存症対策をする動きが高まっています。今後の国のゲーム依存症対策においては、科学的証拠に基づく政策決定を行うべきと考えますが、厚労大臣の見解を伺います。
最後に、地方の条例に関連して、地方議会のオンライン出席について伺います。
先日、大阪府議会は、委員会について、オンラインで出席できる条例を制定しました。総務省は、地方議会宛ての通知の中で、オンラインで委員会が開催できる場合を感染症対策など極めて狭く限定しておりますが、大阪府は、緊急時だけではなく、育児や介護などやむを得ない理由にも活用できるとしております。この点、大阪府議会の取組については、通知内容にとらわれず、地方分権の観点及び働き方改革の観点から前向きに評価をするべきと考えますが、総務大臣に見解を伺います。
政府は、地方議会のオンライン出席に関する質問主意書の中で、民間の会議と委員会を同列に論じることはできないと議会のオンライン化を否定する答弁をしております。しかし、この言い方は余りにも民間の取組を軽んじるものではないでしょうか。EBPMの観点からそのように断じる根拠はあるのかどうか、総務大臣の答弁を求めます。
コロナによって密になった会議ができない状況であるのは民間事業者も議会も同じであり、議会だけは特別という発想はそもそも改めるべきと考えますが、総務大臣の見解を伺います。
今回のコロナにおける各地の地方議会は、オンライン出席を進めようと思っても、地方自治法の定めと解釈によってそれが妨げられました。本会議はいまだにオンライン出席を全く認めないという方針を総務省が堅持しています。地方議会は議員のなり手不足なども深刻であり、問題解決にはそれぞれの議会に合ったルール作りを認めるべきです。これを機に、地方議会の出席ルールについては地方自治法を改正し、自由に定めることを認めるべきと考えますが、総務大臣の見解を伺います。
地方の実態に応じて、住民サービスの向上や行政の効率化の図られる余地はまだまだ十分に残されています。我々日本維新の会は、EBPMの観点からも、より一層の地方分権推進が必要であることを強く申し上げまして、私からの質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣高市早苗君登壇、拍手〕