勝部賢志の発言 (本会議)
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○勝部賢志君 立憲・国民.新緑風会・社民の勝部賢志です。
まず、討論に先立ちまして、この度の新型コロナウイルスでお亡くなりになられました九百二十名の方々とその御家族に衷心よりお悔やみを申し上げます。
また、今も医療や介護、また学校現場等で、尋常ならざる緊迫感の下、懸命に働いている皆様に心より感謝と御礼を申し上げます。
私は、共同会派を代表して、ただいま議題となりました令和二年度第二次補正予算案に対し、多くの問題点を感じ、大いなる疑惑や懸念を抱きながらも、一刻も早く支援を届けてほしいと願う多くの国民の皆様の姿を思い浮かべ、じくじたる思いで賛成討論をさせていただきます。
さて、この度の新型コロナウイルス感染症に係る対策予算、令和二年度第二次補正予算案は、野党がこの間、何度も要求し、一次補正の際に組替え動議として要求した内容、例えば雇用調整助成金一万五千円への上限引上げや家賃支援給付金あるいは学生支援給付金の創設など、一定前向きな支援策が盛り込まれており、その点については賛成できるものであります。しかし、だったら、なぜ一次補正で取り入れなかったのか。もっと早く十分な支援を届けることができたのではないかというのが私たち野党、そして多くの国民の思いです。
そもそも、この度の新型コロナウイルス対策においては、早期に対策のための補正予算をという野党の要求に、当初予算の予備費五千億円で十分だとしていた危機意識の欠如によって一次補正予算案の策定は遅れに遅れ、提案後の再提出で更に遅れ、それでも足りないとの世論や野党の批判を受け、僅か十四日後に第二次補正予算の策定を指示するという安倍政権の初期対応の遅れが、今日に至るまでの全ての対策、対応の遅れにつながっているのです。それに加え学校休業、アビガン、アベノマスク、九月入学といった安倍総理御自身の場当たり的な対応、発言が残念ながら混乱に更に拍車を掛けたことも付け加えておかなければなりません。
雇用調整助成金、持続化給付金、特別定額給付金など、ようやく開始された事業も、到底円滑に実施されているとは言えません。様々な困難や不安を余儀なくされている国民の皆様の手元に一日も早く届けることこそが、これらの事業の意義ではありませんか。給付金やマスクも肝腎の国民の皆様に届いていなければ、たとえ何百回答弁書の棒読みを繰り返しても、総理の言葉は国民の心には届くべくもないのです。
そして、更なる問題は、安倍総理が空前絶後、世界最大の経済対策と呼ぶように、予算の見せかけの総額にのみこだわった当然の帰結ともいうべきか、巨額な個々の事業自体の有効性やプライオリティーの問題は残されたままだということです。加えて、その巨額な事業に付随した常識を外れた巨額な事務費、さらにその受託利益をあずかる一部特定事業者の実態等々、重大な疑念が晴れないままなのであります。
予算の無駄を削減することも、公共調達の適正化を図ることも、何ゆえに政府がその完全実施を要請されるのか。それは、言うまでもなく、政府予算、その原資のおおよそ全てが国民の血税によるものだからです。しかるに、予算の効率や適正な公共調達に大いに疑念がある予算を国会に提案しながら、まるであたかも自らの成果のごとく空前絶後、世界最大の経済対策などと自画自賛する安倍総理の姿からは、国民の血税を預かる責任者としての基本的姿勢が幾ばくも見えてこないのであります。
消化し切れぬ最大の疑惑、疑念は、予算総額の三分の一を占める十兆円にも上る予備費の問題と、補正予算の成立までは野党の協力を仰いでおきながら、成立したらその予備費のみは握ってこの通常国会を閉じてしまおうとしていることであります。
国会の統制から外れる予備費の取扱いについては、財政民主主義の観点から政府も自制を図ってきたところです。しかし、法解釈や閣議決定によって、国会などのルールや長年の慣行といったものを一方的、恣意的に変更してきた安倍総理にとっては取るに足らないことなのでしょうか。十兆円という巨額の予備費の執行に当たっては、国会の事前承認を欠かすことはできません。
さらに、現在は国民の皆さんの自己犠牲で新型コロナウイルス感染の第一波は収まりを見せてはいるものの、いつ第二波、第三波が襲ってくるやもしれません。その感染リスクもさることながら、自粛を余儀なくされた国民生活、国民経済への影響が本格化、顕在化するのはこれからです。
今、全国で生活保護申請件数は増えています。解雇や雇い止めが全国で一万人を超すとも判明しています。新型コロナウイルス関連倒産も全国で二百三十七件に上り、夏には急増するとの指摘もあります。医療や介護、福祉の分野ではこれからも逼迫した状況は続くでしょう。また、再開した学校も、教職員の献身的な努力だけではまさに学校崩壊、教育崩壊も起こり得る状況であります。教職員定数の抜本的な改善など、まだまだしなければならないことはたくさんあります。
このような課題山積の状況下、安倍総理御自身も百年に一度の国難と語られている現状で、開いている国会をあえて閉じようとは、一体全体、いかなる政治判断からなのでありましょうか。今後の新型ウイルス感染症の動向に即応した対応には国会の関与は必要ないというのでしょうか。いや、それ以上に、緊急事態宣言で一旦は水が入っていた安倍総理御自身の説明責任が問われ続けている森友、加計問題や、桜を見る会、黒川氏定年延長問題等々からの逃亡ではあるまいかと疑わざるを得ません。
今国会では、SNSでの世論が巻き起こり、検察庁法改正案や種苗法改正案の国会強行を断念せざるを得ませんでした。これまたお水入りで世論の鎮静化を図り、秋の臨時国会で仕切り直しをすると考えているのでありましょうか。通常国会の閉会は、あらゆる意味から許されません。
十日の衆議院予算委員会で、我が党の枝野代表は、自民党政権が推し進めてきた小さな政府、新自由主義社会の脆弱さとともに、私たちが今後目指すべき支え合う分散型社会のイメージの一端を示されました。この度のコロナ禍は、小さくなり過ぎた政府や行政ではその機能を果たし切れない姿をあぶり出しました。また、自己責任だけでは国民の命や暮らしを守り切れないことも改めて明らかとなりました。
危機に直面して大きな不安を抱いたときに何が一番必要か。それは、誰かとつながっている、誰かと一緒に頑張れる、家族であったり友達であったり、地域や仕事の仲間がお互いに支え合うことが実感できることであります。中には、そのような人が周りにいない方もいるかもしれません。でも、そのような方にもしっかりとしたつながりをつくるのが政治や行政の大きな役割ではないでしょうか。
お互いさまの助け合い、国民のための社会、経済、政治の再構築に向けて引き続き全身全霊をささげることを宣明し、令和二年度第二次補正予算案への賛成討論といたします。
御清聴ありがとうございました。(拍手)